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フェラーリ412T2 フェラーリ最後のV12搭載の412T2はアレジ唯一の優勝マシン【ミニカー#57】

1/43のミニカーを実車のように撮影し、実車の現役時代を紹介するこのコーナー、今回はフェラーリが1995年のF1に参戦するために開発したフェラーリ412T2を取り上げていきたいと思います。

マシンデータと戦績

まずはフェラーリ412T2の主要諸元をチェック。

年式1995年
カテゴリーF1
チームフェラーリ
マシン名412T2
デザイナージョン・バーナード
エンジンフェラーリ

デザイナーは1980年代から1990年代前半にかけて、F1デザイナーの最右翼であったジョン・バーナード。

しかしエイドリアン・ニューウェイやロリー・バーンの台頭により、バーナードのデザインは当時すでに時代遅れの感があった。

次にフェラーリ412T2の戦績を見ていく。

コンストラクターアレジベルガー
シーズン順位3位5位6位
シーズンポイント73P42P31P
優勝1回1回0回
ポールポジション1回0回1回
ファステストラップ3回1回2回

フェラーリは1991年から低迷期に入っていたが、412T2ではベネトンやウィリアムズには敵わなかったものの上位で安定的な成績を残し、回復の兆しを感じさせるマシンであった。

フェラーリ最後のV12搭載の412T2はアレジ唯一の優勝マシン

412T2は、1気筒あたり4バルブの12気筒エンジンで、横置き(Trasversale)ギヤボックスを搭載した2代目のマシンから命名された。

V型10が主流となっていた1990年代中盤のF1のなかで、412T2は大きく重いV型12気筒を搭載したが、出力と空力面の兼ね合いから当初はフェラーリもV型10気筒の搭載を目論んでいた。

そのフェラーリ初のV型10気筒の開発の中心は、かつて古舘伊知郎にホンダの戦う係長と呼ばれた後藤治が行なっていた。

しかし開発作業が遅れてしまったためV型10気筒の搭載を断念し、前年の3.5L V12エンジンをスケールダウンして搭載することになる。

ジョン・バーナードがデザインしたボディデザインは、ハイノーズが主流だった当時のF1マシンの中にあり、旧来のスラントノーズを採用したのが外観上の特徴で、私としては非常に好きなフロント周りのデザインだった。

この旧態然としたフェラーリ412T2は、フェラーリ伝統のV12気筒エンジンを搭載した最後のF1マシンとして、ルノーV10を搭載するウィリアムズFW17とベネトンB195に挑み、カナダグランプリでジャン・アレジが自身最初で最後の優勝を遂げるのであった。

フェラーリ412T2のミニカーを実車のように撮る!

それでは1/43のフェラーリ412T2を撮影していく。

もちろんテーマはいつものように、『実車のように撮る!』。

今回はマテル製(#27=アレジ)とミニチャンプス製(#28=ベルガー)を同じアングルから撮影しており、クリックすると大きな写真をご覧いただけます。

写真左、フェラーリ412T2のカーナンバー27は、マテル製のジャン・アレジのマシンで、カーナンバー28はミニチャンプス製のゲルハルト・ベルガーのマシン。

ミニチャンプス製品は本物を忠実に再現しているように見えるが、マテル製品はノーズが太すぎない??

同じフェラーリ412T2でもモデルメーカーによって大きく形状が違うのがわかる。

1994年になるとハイノーズがF1のスタンダードになりつつあり、フェラーリも1992年のF92Aからハイノーズを採用していたが、攻めすぎたエアロダイナミクスで低迷をつづけていた。

そこでジョン・バーナードがデザインしたフェラーリ412T2は、古典的なスラントノーズを採用し、原点回帰を図った。

左のマテル製はずんぐりとしたデザイン・・・ちょっと違うんだよなあ。

ホイールベースは前年の412T1から35mmほどショートホイールベースになった。

マテル製はこの年からレギュレーションで定められたステップドボトムが省略されているが、ミニチャンプス製はしっかり再現されている。

スターティンググリッドに移動。

この年はベルギーグランプリで1度ベルガーがポールポジションを獲得している。

カナダグランプリではアレジが初優勝を飾った。

彼ならば、その後何度も勝ち星を増やすであろうと思っていたが、この優勝が生涯唯一の勝利になった。

1994年にティレルが持ち込んだリヤのウイングレッドはその後F1マシンの主流になり、フェラーリもこの412T2で採用した。

またこの年からリヤウイングがレギュレーションで160mmも下げられている。

フェラーリのマシンは深紅のカラーリングにAgipのロゴがよく似合う。

現代のつや消しの朱色に貝殻マークは正直好きになれないんだよなあ。

写真右、ミニチャンプス製は前半戦仕様で、フロントウイングのボーテックスジェネレーターがあるが、左のマテル製はスペイングランプリ以降でボーテックスジェネレーターはない。

以上、1/43のフェラーリ412T2を実車のように撮影してみた。

今回登場したミニカー

今回撮影に登場したミニカーを紹介する。

【マテル製】フェラーリ412T2

アシェットのフェラーリF1コレクションシリーズのvol.7で、マテルが製造したモデル。

2011年12月に発売したモデルで、現在は新品での購入が困難だと思う。

【ミニチャンプス製】フェラーリ412T2

ミニチャンプスの通常版で、2000年代にヤフオクにて購入した。

最後に

今回はフェラーリF1最後のV型12気筒搭載で、アレジ唯一の優勝マシンであるフェラーリ412T2のミニカーを振り返ってみた。

アレジと両雄のベルガーはこの年を最後にフェラーリを離脱し、両者ともにベネトンへ。

そしてトレードのようなカタチでベネトンからミハエル・シューマッハが加入し、その後シューマッハを追いベネトンからロス・ブラウンとロリー・バーンが加入し2000年台前半の黄金期を迎えるのだが、逆にアレジとベルガーが加入したベネトンはチームの核を失って低迷することになるのであった。

以上、今回は1/43のフェラーリ412T2を実車のように撮影し、実車の現役時代を振り返ってみました。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。