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2019 スーパーGT 第2戦 富士スピードウェイ 観戦記 vol.4 〜 抱き合う総監督と取締役!赤いマシン対決の決勝編! 〜

モータースポーツ中毒者のぴぴと申します。

今回は富士スピードウェイで行われたスーパーGT第2戦の観戦記第4弾、決勝の模様を書いていきたいと思います。

前回までの観戦記はこちらから
 ↓

落雷で始まったスーパーGT決勝

いつものレース観戦は決勝日のみだが、今回は長期休暇の最中ということで予選日から二日間に渡り満喫し、いよいよ今回のレースもメインイベント。

マシンは決勝を前に最終チェックをしにピットロードを出発、レコノサンスラップへ向かう。

レコノサンスラップ序盤はまだ日が当たっていたが、風が次第に強くなり空模様は一転してきた。

レーシングマシンが走ると空に振動が伝わり、空に雨雲を発生させるとよく言われているが果たして・・・。

ピットビルB棟屋上

私はレコノサンスラップをピットビルB棟屋上から見ていたが、早くもポツリポツリと雨がやってきた。

そして数周の最終確認を終えたマシンたちはダミーグリッドに収まり、グリッドウォークが始まる。

雨はまだ路面を濡らすほどではなく、できればスタートまでは持って欲しいのだが。

いつかはこのグリッドウォークを体験したいが、かなり高価なチケットでなかなか手が出せないでいる。

私の期待とは裏腹に雨は次第に強さを増し、仕方なく私は雨を凌げる場所を探し屋根付きのピットガレージA棟の3階からスタートを見守ることにした。

グリッドウォークを終えた頃にはマシンに水滴、路面も徐々に濡れてきた。

いつもは盛り上がるピエール北川アナウンサーの、

「Are you ready ?」

の掛け声もスタート前の雨での混乱で、かなり控えめだ。

本来であればこの掛け声とともに会場が大いに盛り上がるのに、今回は残念!

静岡県警が用意したパトカーはパレードできず

そしてレースは警察車両によるパレードラップは行われず、セーフティーカースタートとなった。

数周のセーフティーカーラップの後、マシンが水しぶきをあげ一斉にスタート・・・ だがパドックパスを所持する観客が雨をしのぎ皆がピットガレージA棟に押し寄せ、肝心のスタートが見えづらく、人の隙間から顔を覗かせる。

実はこの日のピットガレージA棟3階は、各チームのスポンサーゲストをもてなす貸切スペースが多くを占め、そのスペースの隙間から二重三重になっての観戦だったため、水煙をあげた迫力のスタートはあまり見えなかったのだ。

仕方なく、貸切スペースに置かれたテレビモニターから抜きつ抜かれつの序盤の戦況を見守る。

「んー、これじゃ自宅でテレビを見ている方が良いのかな?」

ちなみにこの貸切スペースにはレーシングマシンが展示してあった。

「3階までどうやって上げたの? 」

と疑問が残る。

天候は豪雨に変わり、遠く箱根の山々に落雷が落ちる中、

「レースが見たい! もう濡れてもいいや」

と思い、表彰台横に行く。

ここは雨は凌げないが観客は比較的少なく、ホームストレートからヘアピンコーナーまで見渡せる場所だ。

やっぱ雨のレースは迫力があり、タイヤ特性が影響し抜きつ抜かれつのバトルが随所で見られて最高だと思いながらも、雨具を忘れてこの水煙のバトルを最終セクションあたりのコーナーで撮影できなかったことを少々悔やむ。

しかし場内アナウンスで、

「雷が発生していますので安全な場所へお願いします」

と連呼しており、観客の安全のためなのかレースの安全のためか、ほどなくしてレースは中断になった。

この雨じゃ、さすがにGTマシンもハイドロを起こしてしまうのかな。

逆さ富士ならぬ逆さマクラーレン・・・ 路面テカテカ。

ホームストレートにマシンが整列し、数十分間待機することとなった。

レースが中断すると雨は快方に向かい、懸念されていた落雷も収まったようだ。

GRスープラコーナーへ(旧レクサスコーナー)

さあ再スタート、私はそのシーンをピットガレージA棟3階から見守った後、今年から名称が変わったGRスープラコーナーに向かう。

独り言
このGRスープラコーナーは昨年までレクサスコーナーと呼ばれており、その昔はネッツコーナーという名称だった。鈴鹿サーキットやシルバーストンなど、世界に名だたるサーキットはコーナーの名称は変えない。サーキットとともにそのコーナーにも名勝負があり、それを語り継ぐためにも変えてはならないと私は思うのだが。

雨は止んだが路面はまだウェット状態、しかしレーシングマシンが走り出すと次第に走行ラインが乾いてくる。

予選7番手だったセルモだが、決勝のペースは良く徐々にポジションをアップさせる。

4社がタイヤバトルをするスーパーGT、ウェットからハーフウェット、ドライに変わるこの微妙なコンディションに各メーカーのタイヤ特性や選んだタイヤの種類により、周刻みで有利不利が変わり接近戦の大混戦になる。

こんな路面状況の時こそ頑張れダンロップ、頑張れナカジマレーシング!

このレース展開に私もテンションが上がり、気合のスローシャッター!

頑張れニスモ!

シャッタースピード1/20で、後ろのマシンも特定できないほど流れている。

こちらもシャッタースピード1/20で、今回好調のNDDPレーシングを撮影。

ここからは滅多にやらないシャッタースピード1/10の3連発!

後ろのマシンは流れる流れる!

シャッタースピード1/10でホンダマークがしっかり止まった!

ダンロップコーナーへ

スタート時は豪雨だった天気もそれ以降は完全に止み路面も完全ドライで富士山も顔を覗かせた。

さあニスモ対セルモの白熱のトップ争いを今度はダンロップコーナーから観戦する。

セルモが追いかけニスモが必死で逃げるレース展開。

低速のダンロップコーナーでGT300クラスのマシンが行く手を阻み、トップ争いは一気に接近する。

後ろではKONDOレーシングのGT-Rが無理やりGT300クラスのマシンを追い抜く。

当然GT300クラスも必死でバトルをしており接触も当然ある。

燃料が積まれている重い状態ではご覧のとおり火花をあげてコーナーを旋回する。

完全にピンボケやん!

毎回一番火花を上げるのはGT-R勢で、今回はNDDPレーシングのGT-Rが火花No.1。

auトムスもちょっとだけ火花。

次は大好物のスローシャッターで撮る。

シャッタースピード1/10でチームルマンを激写!

こちらもシャッタースピード1/10でチームインパル!

それにしてもインパルは今回ドライだったら上位に食い込めるの思っていただけに、序盤の雨が悔やまれるなあ。

次は100mほど歩き、ダンロップコーナーの飛び込みで真っ赤なカーボンブレーキローターを撮影する。

カーナンバー1が誇らしいチームクニミツのNSX-GTは、いい感じで前後のブレーキローターが赤くなる。

こちらリアルレーシングのNSX-GTもいい感じ。

それに比べて、

LC500はブレーキローターが外から見えにくい設計なのか?

同じくGT-Rもブレーキローターは赤くなっているものの、外からはあまり見えない。

一番ブレーキローターが一番赤くきれいだったのが、

我らがナカジマレーシングのNSX-GTだった。

見よ、この前後ともに赤く染まったブレーキローター!

グランドスタンドでゴールシーンを観る!

最後はコントロールライン付近からチェッカーと表彰台を見にグランドスタンドへ向かう。

そして通常より長い500kmのレース、ニスモ対セルモの赤いマシン対決のトップ争いはセルモに軍配が上がった。

体制が新たになったセルモは、一昨年以来の勝利で喜びを一気に爆発させる総監督と取締役!

一方惜しくも2位に終わったニスモのロニー・クインタレッリ選手は、疲れ果てた表情でマシンから出てきた。

そしてリヤタイヤを覗き込む。

どうも終盤ペースが上がらなかったのはピックアップが原因だったようだ。

ドライでのレースだったら勝てたはずなのに、そう思っていたに違いない。

しかし職人ロニー選手は負けても尚、絵になる男だった。

最後に

路面状況がウエットからドライに変化し、タイヤやマシンの特性から順位が目まぐるしく変わる、見ていて本当に面白いレースだった。

開幕戦はホンダ勢と日産勢が存在感を示し、一方のレクサス勢の今シーズンの仕上がりが不安視されていたが、今回の富士では37号車トムスが予選2位に入り決勝ではセルモが優勝と、今年もこの先レクサス・日産・ホンダのガチンコレースが見られるであろうことが今回の展開からうかがい知れた。

私の次回観戦は第5戦で今回と同じく富士スピードウェイ。

この頃になれば今シーズンの勢力図が見えてくるだろうが、それより何よりまた今回のような素晴らしいレースが見たいものだ。

そんなことを考えながら、吐く息が白くなる5月としては考えられないほど寒い富士スピードウェイを後にした。

全4回にわたる『2019 スーパーGT 第2戦 富士スピードウェイ 観戦記』でしたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

他にもモータースポーツ観戦記の記事がありますので、是非ともお楽しみください。

そしてまた、サーキットで皆様と観戦できることを心待ちにしています。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。