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【2021年サンパウロGP】ハミルトン101回目の勝利は後世まで語り継がれるであろう彼のベストレース

先日のサンパウログランプリでは、ルイス・ハミルトンが恐ろしい速さで多くの逆境の中優勝を決め、彼の凄まじいポテンシャルを多くのファンに知らしめた、素晴らしいレース内容であった。

やっぱりハミルトンってとんでもないドライバーだったんだね・・・。

【2021年サンパウロGP】最後尾から猛追し優勝を遂げたハミルトン

2019年日本GPにて

2年ぶりにインテルラゴスで行われたサンパウログランプリは、イギリスグランプリとイタリアグランプリでも採用された予選レースが行われる変則のグランプリ。

金曜日午前中にフリー走行1回目が行われ、午後から予選レースのスタートを決めるスプリント予選レースが実施される。

その予選でトップタイムを叩き出したハミルトンだが、予選後の車検でリヤウイングDRSが規定以上に開いており予選失格でタイムがすべて抹消される。

約100kmの距離で行われる土曜日のスプリント予選レースでは、最後尾の20番手グリッドからスタートするも、スタートでいきなり4台をオーバーテイク。

その後も多くのマシンを抜き去り、最終ラップではマクラーレンのランド・ノリスまでもパスし、5位まで回復してチュッカーを受ける。

だがエンジンに不安を抱えていたハミルトンは、決勝レースの前にそのパワーユニットエレメントを交換し、5グリッド降格。

決勝レースを10番手からスタートしたハミルトンは、またもスタートでジャンプアップし、その後もライバルチームを順調に追い抜き、レース序盤で3番手バルテリ・ボッタスの後方にまで接近。

当然チームオーダーでボッタスも追い抜き、第2スティントでは2位を行くセルジオ・ペレスもオーバーテイクして、チャンピオンシップを争うマックス・フェルスタッペンとの一騎打ちに。

2度目のタイヤ交換はフェルスタッペンが先にピットに入り、3周後にハミルトンもタイヤ交換。

ハミルトンがピットアウトすると、両者の差は2秒強で、そこからは一進一退の攻防が続く。

コーナーの多いインフィールド区間でタイムを稼ぐフェルスタッペンに対し、後方からのスタートで、他車をオーバーテイクするためにストレートラインスピードを稼ぐセッティングをしたハミルトンが、直線でギャップを稼ぐ。

同チームではなく、マシン特性の違う別のマシンの攻防は、観ていてじつに面白い。

そして徐々にハミルトンが次第に差を縮める。

そして48周目のバックストレート・・・。

DRSを使いフェルスタッペンの背後からアウトに振ったハミルトンは、大外から左コーナーへアプローチするも、内側のフェルスタッペンが引かず、両マシンがコースアウト。

コースアウト側のターマックを使いフェルスタッペンが依然前に留まる。

だがフェルスタッペンはマシンを限界以上に走らせていたため、それ以降タイヤのライフがなくなり、数周後にハミルトンにオーバーテイクを許し、万事休す。

ハミルトンは今季7度目の勝利をあげ、3戦を残す2021年のチャンピオンシップは、さらに白熱するのであった。

ハミルトンの強さは異常・・・だ

確かに今回のインテルラゴスでもっとも速かったのはメルセデスだった。

しかしスプリント予選の100kmという短いレースで15台を、決勝でも9台のマシンを抜き去ったハミルトンの速さは異次元で、彼のとてつもないポテンシャルを多くのファンに知らしめた素晴らしいレースだった。

おそらくこのサンパウロでのグランプリは彼のベストレースとなり、後世まで語り継がれることだろう。

過去にも私が知る限りで一発の速いドライバーはいた。

予選で驚くほど速かったアイルトン・セナや、前に敵がいる時の絶好調のナイジェル・マンセル。

そしてチャンピオンシップがかかったレースでのミハエル・シューマッハなど。

だが500戦以上F1を観てきた私でも、週末を通してこれほどまでに集中力を絶やさずに攻め続けて優勝を勝ち取ったドライバーはいなかった。

やはりハミルトンは、これまでに積み重ねた成績だけでなく、実力でもF1史上No.1のドライバーだと今回のレースで確信した。

そして私は、ハミルトンというドライバーのファンになってしまったようだ・・・。

ペナルティを出さなかったレース審査委員会にあっぱれ!

48周目にハミルトンがオーバーテイクを仕掛け、フェルスタッペンが引かず、ともにコースアウトした件。

あれって完全にフェルスタッペンがコントロール不能に陥っているように思えるため、通常であればフェルスタッペンに対して、レースタイムに+5秒もしくは+10秒加算のペナルティが与えられて当然だろう。

しかし、レース審査委員会の答えは審議の必要なし。

フェルスタッペンを応援していた私でさえも、

「ホントにっ!?」

と思わず声を上げてしまった。

テレビを試聴していた多くのファンの声も、私と同様ではなかろうか。

おそらくだが、レース審査委員会を司るマイケル・マシは、こんな白熱した首位攻防戦をレース審査委員会が台無しにしたくない、と考えたのだろう。

それ、大正解(マイケル・マシの本当の意見は知らないが・・・)!

そういえば2019年のカナダグランプリで、首位を行くセバスチャン・ベッテルが終盤にコースアウトし、2位のハミルトンの前に強引に復帰してトップでチェッカーフラッグを受ける。

しかしこの2019年からレースディレクターになったマイケル・マシは、その強引に復帰した行為を危険なドライビングとして、レースタイムに+5秒加算のペナルティを下し、多くのブーイングを受けたことが教訓になっていたのかもしれない。

例えばプロ野球でも、内野ゴロが飛び、ショートやセカンドが素晴らしいフィールディングをして一塁に送球すると、際どいプレーでも一塁審判はアウトにするケースもよく見る。

サッカーは詳しくはないが、厳しい接触があっても、プレーの流れを止めぬようレフリーはあえてスルーすることもあると聞く。

そう、レースの世界でも審査員が目立ちすぎてはいけないのだ。マイケル・マシはそのことを理解しているようだ。

ジャッジ後にテレビで抜かれた時の少々とぼけた顔が少し笑えたが、あなたの決断は大正解だよ!

接触を回避したハミルトンは凄い

その48周目のコースアウトだが、接触をしていれば当然フェルスタッペンがペナルティを受けることになっただろう。

過去にはチャンピオンシップが白熱した終盤戦に、その当該ドライバー同士が接触事故を起こしたケースが多くあった。

例を挙げると以下のとおり。

  • 1989年日本グランプリ・・・セナ・プロスト
  • 1990年日本グランプリ・・・セナ・プロスト
  • 1994年オーストラリアグランプリ・・・シューマッハ・ヒル
  • 1997年ヨーロッパグランプリ・・・シューマッハ・ヴィルヌーヴ

サンパウログランプリもチャンピオンシップが緊迫した終盤戦だが、今回のレースはハミルトンの接触回避により、上記のような後味の悪いレースにはならずに済んだ。

近年のマシンは上記の時代のマシンと比べると、明らかにコクピットから周囲のマシンが見えづらいのだが、それでも回避したハミルトンは流石である。

ちなみに、例を挙げた4レースは明らかに片方のドライバーが故意にぶつけたが、今回のフェルスタッペンの行為は無論故意ではないため、上記レースとは少し違うことを付け加えておく。

2021年サンパウログランプリレース結果

順位No.ドライバーコンストラクター
144L.ハミルトンメルセデス
233M.フェルスタッペンレッドブル
377V.ボッタスメルセデス
411S.ペレスレッドブル
516C.ルクレールフェラーリ
655C.サインツフェラーリ
710P.ガスリーアルファタウリ
831E.オコンアルピーヌ
914F.アロンソアルピーヌ
104L.ノリスマクラーレン
115S.ベッテルアストンマーティン
127K.ライコネンアルファロメオ
1363G.ラッセルウィリアムズ
1499A.ジョヴィナッティアルファロメオ
1522角田裕毅アルファタウリ
166N.ラティフィウィリアムズ
179N.マゼピンハース
1847M.シューマッハハース
Ret3D.リカルドマクラーレン
Ret18L.ストロールアストンマーティン

最後に

ハミルトンは幼少期よりセナを崇拝しており、セナのものをオマージュしたイエローとグリーンのブラジルカラーのヘルメットを被っている。

そのハミルトンは、レース後に喜びのあまりシートベルトを緩め、ブラジル国旗を手にウィニングラップをした姿がセナを彷彿させてじつに印象に残る光景だった・・・がっ!

ペッ!ペナルティ!?

シートベルトを緩めた行為が安全上の観点から問題になりペナルティを下したのだ。

ここまで、空気が読めるとマイケル・マシを褒めていたのに、まったく空気読めてないじゃん・・・。

まっ、いいか・・・。

そんなハミルトンが驚愕の走りで優勝を決めた2021年サンパウログランプリ。

ハミルトンが史上初、8度目の栄冠を手にするのか、それともフェルスタッペンが初のチャンピオンに輝くのか、2021年シーズンは残り3戦を残すのみとなったが、チャンピオンの行方はまだまだわからない。

以上、最後までご覧いただきありがとうございました。

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モータースポーツ撮影歴18年。腕に覚えは全く無いが、知識だけは豊富なワタクシぴぴが、レース撮影について偉そうに解説します。




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ABOUT US

ぴぴ
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。 一眼レフデビューは2001年頃、CANON EOS7(フィルム機)。腕に覚えは全くないが、年数だけはそこそこ長い。 【一眼レフ遍歴】 CANON EOS 7 → CANON EOS kiss N → CANON EOS 60D → CANON EOS 7D MarkⅡ → CANON EOS 5D MarkⅣ & SONY α7R Ⅲ 【所有カメラ】 CANON EOS 5D MarkⅣ SONY α7R Ⅲ SONYサイバーショット DSC-RX1R 【所有レンズ】 CANON EF100mm-400mm f/4.5-5.6L IS Ⅱ USM CANON EF70-200mm f/2.8L IS Ⅱ USM CANON EF24mm-70mm f/4L IS USM CANON EF50mm f/1.2L USM CANON EF85mm f/1.4L IS USM SONY FE24-105mm F4 G OSS