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【観戦記】2025年スーパーフォーミュラ第7戦③ 太田格之進が圧勝した決勝レース編

今回もスーパーフォーミュラ第7戦の観戦記。

インストレーションチェック中にやや混乱があったものの、その後は遅れながらも順調に進行した華やかなスタート前セレモニーが終了。

ダミーグリッドにはグリッドウォークのファン、関係者と徐々に姿を消し、サーキットは次第に緊張感が増していきます。

そしてドライバーがマシンの乗り込み、

スターターを持ったメカニックを残し、その他のチームスタッフはピットガレージに戻ります。

キッズたちの「スタート・ユア・エンジンズ」の掛け声でエンジンに火が入り、そして15時57分に22台のマシンたちはフォーメーションラップに出発。場内実況のピエール北川さんが、ワクワク感を煽ります。

数分後、ポールポジションの坪井翔選手を先頭に、マシンは徐々にグリッドに着き、緊張感は最高潮に。

この雰囲気はスタンディングスタートのフォーミュラレースならでは。テレビ視聴はもとより、各コーナーからの観戦でも味わえない、グランドスタンド観戦だけの醍醐味です。

そしてシグナルが1つ2つと点灯し、それに合わせてマシンが唸り出し、ドライバーは8000回転をキープ。

シグナルがブラックアウトすると同時に、マシンが弾け出しました!

ポールポジションの坪井翔選手は蹴り出しがやや鈍く、2番手スタートの太田格之進選手が1コーナーでトップに立ちます。

しかし2位に落ちた坪井選手はマシンを左右に振りながら太田選手を牽制。両者OTSを使い続けながら激しいポジション争いを演じます。

そして太田選手がダンロップコーナーで僅かにオーバーランしたところを、坪井選手が見逃さず、クロスラインで13コーナーをアウトからねじ伏せてトップ復帰。

グランドスタンドの私たちはビジョンを観て大歓声を上げます。

以前のスーパーフォーミュラは、レース観戦に慣れた通が多く、じっくりと観覧していましたが、ライトなファンが多くなった今年のスーパーフォーミュラは、この攻防に大喝采。この感じ大好きです!

そして坪井選手がトップでグランドスタンドに帰ってくると、ふたたびの拍手。レースの雰囲気は、ドライバーを含めたチーム、運営、そして観客が創り出すもの。

それはF1日本グランプリでつくづく感じたものでしたが、このスーパーフォーミュラでもそんな気持ちが味わえて最高です。

その坪井選手を含めた数台のマシンは、序盤の数周で後方から白煙が上がっていました(ブレブレですみません)。

F1でも極稀にこのような症状が出るマシンがありますが、これはエンジンブローではなく、オイルプレッシャーが高いから。そんなことを以前カワイちゃんが言っていました。

17番手グリッドからのスタートで注目されたJuju選手はというと、順調にスタートを切ったものの、ダンロップコーナーの出口で他のマシンと接触してガレージイン。

それでも諦めず、10周ほど経過したのちにピットアウトして完走を目指すのでした。

序盤のトップ争いは、1位坪井選手、2位太田選手と続きますが、18周目にセーフティカーが導入され、そのタイミングでトップの2台を含む、それまでタイヤ交換をしていないすべてのマシンがピットイン。

すると、すでにタイヤ交換を終えていた岩佐歩夢選手がトップに立ち、2位坪井選手、3位太田選手の展開になります。

実は私、レース展開が安定した前半でグランドスタンドを離れてGRスープラコーナーで撮影をするつもりでしたが、大混戦のトップ争いが面白く、そのままグランドスタンドで観戦を続行することに。

きっと同じことを思っていたファンも多いのか、左右前後に人がぎっしりだったため、超望遠レンズを振り回せず、今回レース中の写真は僅かに撮ったコンデジ撮影分のみです。

24周目の終わりにレースが再開されると、タイヤの若い坪井選手が執拗にトップ岩佐選手に仕掛けますが、初優勝を狙う岩佐選手がしっかりと要所を閉めて譲らない。

すると31周目に3位太田選手が坪井選手をオーバーテイクして2位に。太田選手の勢いは止まらず、すぐに岩佐選手も追い抜き太田選手がトップに浮上します。

そして最後は太田選手が2位岩佐選手に7秒以上の大差をつけて、今シーズン3勝目を上げるのでした。

フィニッシュを見守ったあとは表彰台の近くへ。

レースを終えたマシンたち。こんなファンサービスは国内レースならではの光景でイイですね。

優勝した太田格之進選手はJ SPORTSのピットレポーター英美里さんからインタビューを受けます。そんな太田選手は涙を手で拭っているようです。

まさに快勝。本人としても納得のレースでしたのでしょう。

今シーズンからIMSAシリーズにも参戦し、常に貪欲に上を目指す姿がカッコよく、個人的にも大好きなドライバー。今後の更なる活躍に期待したいです。

なお、となりの真っ赤なTシャツの方は太田選手が所属するダンディライアンの村岡代表。カメラが回っているところでは暴れまくり雄叫びを発する漢ですが、珍しいオフの表情を捉えてしまいました・・・。

そして表彰式が始まりました。

世界を貪欲に狙う太田選手にF1予備軍の岩佐選手、国内最強で8月にはF1テストを行う坪井選手。これに野尻智紀選手と牧野任祐選手を加えた5人が、現在のスーパーフォーミュラの最強ドライバーたちです。

彼らのチャンピオンシップ争いが今シーズンも実に楽しい。スーパーフォーミュラ最高!

ということで、3回に分けてお伝えした2025年スーパーフォーミュラ第7戦の観戦記ですが、これで以上になります。

最後までご覧いただきましてありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。