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【観戦記】2025年WEC富士①スタート前セレモニーと決勝スタート編

今回は富士スピードウェイで開催されるWECの観戦。2012年の初開催以来、私の秋の風物詩になります。

世界選手権での私の応援スタイルは『ガンバレニッポン!』ですが、その主役トヨタガズーレーシングの今シーズンは表彰台にも上がれないほどに低迷中。

5シーズン目を迎える古い設計のマシンと容赦無く降りかかるBoPにより苦戦するトヨタですが、地元富士では毎回圧倒的な速さを披露してくれるため、地元での奮起を期待をしたいと思います。

時刻は10時前(遅刻しました)。インストレーションチェックが始まるところから、観戦記のスタートです。

スタート前セレモニー

グランドスタンドに到着すると、ちょうどインストレーションチェックが始まりました。

爆音を轟かせながらピットを後にするマシンたちを観ながら、これから始まる長丁場のレースに期待が膨らみます。

そして、何度かピットを通過して最後のチェックを終えたマシンたちがダミーグリッドに。

日本代表ことトヨタガズーレーシングがやってくると、スタンドからは拍手が沸き起こります。

WECは、プラットフォームを背にしてマシンを斜めに駐車する、かつてのル・マン式スタートをオマージュしたダミーグリッドを採用しており、これがまた壮観です。

程なくして、ホームストレートにはグリッドウォークのファンが入場して、スタート前セレモニーが開始されました。

さて、グランドスタンドに目を移すと、ご覧の通りとんでもないファンの数。

2012年の初開催以来、毎回WEC富士を現地で観戦している私ですが、今年が1番盛りの上がり。初年度の2012年や、アウディ、トヨタ、ポルシェの三つ巴だった2014-2016年の頃よりも間違いなく多いです。

F1が春開催に移行して競合しなくなったのもあると思うけど、トヨタのライバルである自動車メーカーが年々増えて、国内のモータースポーツファンがWECに注目しているのでしょうね。

そんなWECのハイパーカークラスに今年加わったのが、アストンマーティンのヴァルキリー。これがまたカッコよく、V12エンジンの音色が最高だとのことで、今年の私の注目マシンです。

見た目とは裏腹に開幕戦から不調が続いていましたが、前日の予選では3番グリッドを獲得し、今回は速さでも楽しませてくれそうな予感。

もちろん私の応援スタイルは『ガンバレニッポン!』なので、トヨタには最大限のエールを送りますが、アストンにも頑張ってもらいたいです。

スタート前セレモニーでは世界的シンガーのシャネルさんが美声を披露し、その後、君が代を斉唱(ムッチャ綺麗な歌声でした)。

また、和楽器と演舞により日本の祭りを体現する、北海道を中心に活躍するWAKKAがパフォーマンスを披露(写真はレース中グランドスタンド裏でのWEC撮影クルーの撮影に便乗しました)。

最後は自衛隊ヘリがスタートフラッグを投下して、今回名誉スターターを務めるラグビー界の英雄アーロン・スミス選手へ配達。本場ル・マン24時間を彷彿とさせる演出です。

ただ・・・自衛隊ヘリの任務終了後の撤退が思いの外早く、ちょっとだけ拍子抜けしたのは私だけではないはず??

WEC富士のハイパーカークラスBoPと予選結果

まもなくスタートですが、ここで今年のWEC富士のBoPをおさらいしておきましょう。

マシン最低重量kg最高出力kWパワーゲイン%スティント毎の最大エネルギーMJ
トヨタGR01010694837.7905
フェラーリ499P10694805.0893
ポルシェ96310654902.9904
キャデラックVシリーズ.R10595100.2903
BMW MハイブリッドV810564991.4902
アルピーヌA4241052512-3.9893
プジョー9X81030520-4.8895
アストンマーティンヴァルキリー10305200.0919

重量は今回もトヨタとフェラーリが最重量で、パワーはフェラーリに次いで2番目に絞られるトヨタ。

さらに250km/h以上で適用されるパワーゲインはトヨタが7.7%と圧倒的に不利で、富士スピードウェイで一番重要な直線スピードが遅いのが厳しい。

スティント毎に使用できる最大エネルギー量はトヨタがライバルよりも多いものの、これは大きなアドバンテージとは言えません。

ハイパーカークラスで一番古いトヨタGR010 HYBRID(2021年式)なのに、BoP厳しすぎない??

それを受けての前日の予選トップ10の結果がこちら。

順位No.マシン
112キャデラックVシリーズ.R
238キャデラックVシリーズ.R
3009アストンマーティンヴァルキリー
493プジョー9X8
520BMW MハイブリッドV8
651フェラーリ499P
75ポルシェ963
88トヨタGR010
935アルピーヌA424
1083フェラーリ499P
147トヨタGR010

フロントローにはキャデラックの2台が並び、3位は大健闘のアストンマーティン。

そして地元期待のトヨタはというと、大苦戦の8位と14位という結果でした。

厳しい戦いが予想されるトヨタの今回の富士戦ですが、熟成されたマシンで培った信頼性、そして地の利を活かした緻密な作戦で、上位進出を狙ってもらいたいものです。

2025年WEC富士 スタート!

華やかなスタート前セレモニーが終了し、スタートドライバーがマシンに乗り込み、

ポールポジションのキャデラックを先頭に、フォーメーションラップが開始されます。

尚、毎戦WEC中継でダミーグリッドから出ていくマシンを撮影している映像が流れますが、カメラマンはこのドローン。こんな小さな機体で、あの迫力ある映像を撮影しているとは。

そういえば、グランドスタンドの裏にドローン禁止の大きな張り紙が・・・。WECは治外法権なの??

そして、WECおなじみの『2001年宇宙の旅』のテーマソングがサーキットに流れ、ハイパーカーの隊列は塊となってグランドスタンドにやってきました。

ピットロード入り口のギリギリのところでセーフティカーが離れ、

フロントローの2台のキャデラックの隊列を牽引すると、猛獣たちはさらに車間を詰めます。

そして11時ちょうどに6時間の耐久レースがスタートしました!

2台のキャデラック勢は順調にホールショットを決めるも、注目の3位アストンマーティン009号車はプジョー93号車に抜かれて4位に。

同じく注目するトヨタはというと、8番手スタートの8号車は9位に、14番手スタートの7号車は15位にそれぞれ後退してグランドスタンドに帰ってきました。

厳しいBoPによる影響なのでしょうが、ぜひ粘り強いレースをしてもらいたいです。

と、まあ、トヨタやアストンの動向は気になるものの、現地に居るとホームストレートを行くハイパーカーの迫力に圧倒される。

見慣れたスーパーGT GT500やスーパーフォーミュラは、同じエンジンレギュレーションなので音や加速がほぼ同じなのですが、WECはエンジン型式や排気量が違うため奏でるエンジン音は皆違い、またBoPにより加速にも特徴があるため加速で抜いてトップスピードで抜かれたりと実に面白いんです。

その後1時間近くグランドスタンドで観戦し、レースが落ち着いたのち、遅刻して見られなかったグランドスタンド裏のファンゾーンの様子を楽しむことにしました。

ということで今回は以上。次回は霜降り仕様のル・マン特別リバリー トヨタGR010HYBRIDや、その元となった1998年仕様のトヨタGT-One TS020が展示してあった、ファンゾーンの様子を書いていきますので、興味のある方はまたお付き合いください。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。