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メガトロンって何?F1エンジンにバッジネームを付けた9つの企業・ブランド

モータースポーツ中毒者のぴぴと申します。

突然ですがモータースポーツ用語でいうバッジネームとは?

バッジネームとは、車体やエンジンの命名権を買取り自社の名前やブランドをつけることを指し、一般的にはエンジンにバッジネームを付けて、その費用を捻出してもらうことが多いです。

そこで今回は、バッジネームを付けてF1に参戦した9つの企業やブランドを紹介したいと思います。

タグ(TAG)

1985年型マクラーレンMP4/2
開発元供給チーム期間
ポルシェマクラーレン1983-1987

バッジネームを付けたF1エンジンとして一番有名なのが、1983年から1987年までマクラーレンに搭載されたTAGエンジンですね。

TAGという企業は、ルクセンブルクに本拠を置く持株会社で、正式名称はテクニーク・ダバンギャルドといいます。

そのTAGのバッジネームを付け、スポーツカーメーカーのポルシェが開発したV型6気筒ターボエンジンは、1984年から1986年まで3年連続でドライバーズチャンピオンを獲得し、1984年と1985年にはコンストラクターズタイトルも獲得し、大成功をおさめました。

TAGの代表を務めるサウジアラビア人のマンスール・オジェ氏は、マクラーレンの大株主として今でもマクラーレンと深く関わっています。

メガトロン(Megatron)

https://twitter.com/LegendarysF1/status/1236040308573396992
開発元供給チーム期間
BMWアロウズ
リジェ
1987-1988
1987

メガトロンとは、かつて存在したコンピュータリース会社です。

メガトロンエンジンは1987年から1988年の2年間にアロウズが、1987年にリジェが使用しました。

開発元はBMWで、前年でBMWエンジン供給の契約が切れたアロウズが、タイトルスポンサーだったUSF&GにBMWエンジン契約を買い取ってもらい、USF&Gの子会社でコンピュータリース会社のメガトロンのバッジネームを被せ、同年にはリジェにもメガトロン名義でエンジン供給がなされました。

ちなみにトランスフォーマーに登場するキャラクターのメガトロンとは、なんの関わりもありません。

ペトロナス(Petronas)

https://twitter.com/LegendarysF1/status/1254457596972535809
開発元供給チーム期間
フェラーリザウバー1997-2005

現在はメルセデスのタイトルスポンサーを務めるペトロナスは、ご存知マレーシアの石油やガスの供給を行う国営企業で、1997年から2005年までザウバーに供給されたフェラーリエンジンにバッジネームを付けていました。

一時期バッジネームにとどまらず、自社製F1エンジンを開発していましたが、その後計画は中止されました。

プレイライフ(Playlife)

https://twitter.com/CrystalRacing/status/848510487239286784
開発元供給チーム期間
スーパーテック
(ルノー)
ベネトン1998-2000

プレイライフとはベネトン傘下のファッションブランドです。

1997年がらルノーエンジンをベースにメカクロームが開発したエンジンを、ベネトンがスーパーテックから供給を受け、自社のファッションブランドであるプレイライフをバッジネームにしました。

表にすると下記のようになりますが・・・うーん、とっても複雑です・・・。

ベース開発元供給元名前
ルノーメカクロームスーパーテックプレイライフ

フォンドメタル(Fondmetal)

開発元供給チーム期間
コスワースミナルディ2000

フォンドメタルはイタリアに本拠を置くアルミホイールを主力とする自動車部品サプライヤーです。

フォンドメタルと聞いてF1ブーム世代のファンは懐かしく思うでしょう。

そう、フォンドメタルは1991年にオゼッラを買収してF1に参戦していました。

1992年を最後に資金難からF1を撤退しますが、F1が大好きなフォンドメタルの代表ガブリエル・ルミ氏は1997年からミナルディの共同オーナーを務め、2000年にエンジンのバッジネームとしてフォンドメタルがF1の公式計時に名前が復活しました。

ヨーロピアン(European)

開発元供給チーム期間
コスワースミナルディ2001

ヨーロピアンとは、ポール・ストッダード氏が社長を務めるヨーロピアン航空です。

フォンドメタルの項で登場した同社の代表であるガブリエル・ルミ氏が2000年末に癌に侵されたため、ルミ氏が所有していたミナルディの株式はヨーロピアン航空社長のポールストッダード氏が買取ります。

本来ならばチーム名をヨーロピアンに変更したいところだったが、前年のコンストラクターズ順位からの資金が無効になるため、チーム名はヨーロピアンミナルディに、エンジンのバッジネームはヨーロピアンに変更しました。

エイサー(acer)

https://twitter.com/John_Stickel/status/1030118898622980098
開発元供給チーム期間
フェラーリプロスト2001

今では香港に拠点を置くパソコンメーカーとして有名なエイサーですが、正直2001年にプロストグランプリをサポートしていた頃は、何の会社か知りませんでした。

プロストグランプリはフランスの企業にこだわり、参戦2年目からエンジンをプジョーに切り替えましたが、2000年を最後にプジョーは撤退します。

そこでプロスト氏が現役時代に所属したフェラーリのカスタマーエンジンを獲得しまし、エイサーのバッジネームを付けて搭載しました。

1991年にプロスト氏がフェラーリへの暴言からクビになったため、『プロストフェラーリ』という名前をフェラーリが拒否し、エイサーのバッジネームを付けて参戦したのか、などと勘ぐってしまいましたが真相はいかに・・・。

タグ・ホイヤー(TAG Heuer)

2018年のレッドブルRB14のリヤカウルにTAG Heuerのロゴ
2018年F1日本GPにて
開発元供給チーム期間
ルノーレッドブル2016-2018

タグ・ホイヤーはスイスの高級時計メーカーで、ホイヤー社が1985年に前述のTAGグループから資金援助を受け、タグ・ホイヤーという社名になりました。

大成功を収めた2.4L V8時代のレッドブルとルノーの関係でしたが、パワーユニット時代から両社の関係が悪化します。

そしてルノーは自社ブランドでレッドブルへのパワーユニット供給はしないと告げたため、当時のF1界のボスであるバーニー・エクレストン氏が介入し、タグ・ホイヤーのバッジネームを付けることでルノーエンジンの継続供給がなされました。

BWTメルセデス(BWT Mercedes)

開発元供給チーム期間
メルセデスレーシングポイント2019-

BWTとはベストウォーター・テクノロジー・グループといい、オーストリアに本拠を置く水処理システムのメーカーです。

2020年現在、F1チームの中で唯一エンジンにバッジネームを付けているのがレーシングポイントで、そのBWTに供給元のメルセデスの名前を入れBWTメルセデスというパワーユニット登録名になります。

まとめ

バッジネーム開発元供給チーム期間
TAGポルシェマクラーレン1983-1987
メガトロンBMWアロウズ
リジェ
1987-1988
1987
ペトロナスフェラーリザウバー1997-2005
プレイライフ スーパーテックベネトン1998-2000
フォンドメタルコスワースミナルディ2000
ヨーロピアンコスワースミナルディ2001
エイサーフェラーリプロスト2001
タグホイヤールノーレッドブル2016-2018
BWTメルセデスメルセデスレーシングポイント2019-

F1においてエンジンにバッジネームを付けてエントリーしたチームは今回紹介した9つの企業(ブランド)10チームでしたが、その中でチャンピオンを獲得したのはマクラーレンTAGのみでした。

現在はレーシングポイントだけがBWTメルセデスとしてバッジネームを付けてエントリーしています。

また1993年のザウバーは、イルモアが製作したエンジンに同チームの名前を入れたザウバーV10としてエンジン登録されていましたので、バッジエンジンと言えるかもしれませんね。(Twitterで教えていただいた『シナさまっ』様ありがとうございます)

F1以外に目を移すと、全日本F3で東名エンジン製のエンジンが2000年から2019年まで20年間にわたりスリーボンド名義でエントリーしていました。

またアメリカのインディカーでは少し様子が違うようです。

2002年から2011年までイルモアが開発したエンジンをホンダ名義で、2003年から2005年までコスワースが開発したエンジンをシボレー名義で、2012年からはイルモアが開発したエンジンをシボレー名義で搭載しており、レース用エンジンを製作する会社が作ったエンジンに自動車メーカーがバッジネームを付けています。

以上、最後は少し話題が離れてしまいましたが、バッジネームを付けてF1に参戦した9つの企業やブランドを紹介しました。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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奥が深いモータースポーツ撮影の世界
MOTORSPORT撮影術

モータースポーツ撮影歴18年。腕に覚えは全く無いが、知識だけは豊富なワタクシぴぴが、レース撮影について偉そうに解説します。




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モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。 一眼レフデビューは2001年頃、CANON EOS7(フィルム機)。腕に覚えは全くないが、年数だけはそこそこ長い。 【一眼レフ遍歴】 CANON EOS 7 → CANON EOS kiss N → CANON EOS 60D → CANON EOS 7D MarkⅡ → CANON EOS 5D MarkⅣ & SONY α7R Ⅲ 【所有カメラ】 CANON EOS 5D MarkⅣ SONY α7R Ⅲ SONYサイバーショット DSC-RX1R 【所有レンズ】 CANON EF100mm-400mm f/4.5-5.6L IS Ⅱ USM CANON EF70-200mm f/2.8L IS Ⅱ USM CANON EF24mm-70mm f/4L IS USM CANON EF50mm f/1.2L USM CANON EF85mm f/1.4L IS USM SONY FE24-105mm F4 G OSS