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同じ車種でも全然違う!?同一車種のGT500・GT300・市販車比較

【2006年】ホンダ・NSX(NA型)

GT500GT300市販車
(NSX-R GT)
全長× 全幅4610× 1900mm4430× 1910mm4610× 1910mm
ホイールベース2530mm2530mm2530mm
駆動方式MRMRMR
エンジン仕様V型6気筒NAV型6気筒NAV型6気筒NA
排気量3.5L3.4L3.2L

今度はさらに時代を遡り、初代ホンダNSXを見ていこう。

比べるのは、GT500とGT300が同時に参戦していた2006年。

ちなみに市販車のNSXは2005年をもって販売を終了したが、最適な市販車のスポーツカーをラインナップしていないホンダは、2009年まで初代NSXで参戦を続けている。
※GT300は2006年まで

GT500マシンの外観を上の市販車と比べてみると、大きなオーバーフェンダーが気になるものの、全体的には大きな違いが見られない。

それは、当時のGT500クラスは前に挙げたマシンと違いクラス1規定導入のはるか前で、レギュレーションにより全長や全幅、ホイールベースなど市販車の大きさを踏襲していることもあるのだが・・・。
※クラス1規定は2014年から導入

ちょんまげが特徴的なGT500のNSX(NA型)
写真提供:Mさん

じつは市販車がスーパーGTマシンに近づけたのである・・・。

ホンダはスーパーGTのホモロゲーションを取得するために、市販車のNSX-Rをベースに全長を180mm全幅を90mmも拡大し、リヤには特徴的なエアインテーク(当時はちょんまげと呼ばれていた)を追加し、5台の限定車として販売(実際に販売されたのは1台のみ)したのだ。

そのお値段は・・・5000万円!

スーパーGTのために市販車を製作・・・どおりで外観が似ているわけだ。

【2006年】日産・フェアレディZ(Z33型)

GT500GT300市販車
(Type E)
全長× 全幅4625× 1940mm4310× 1815mm4625× 1815mm
ホイールベース2650mm2650mm2650mm
駆動方式FRFRFR
エンジン仕様V型6気筒ツインターボV型6気筒NAV型6気筒NA
排気量3.0L3.5L3.5L

最後は前述の初代NSXと同じ時代に参戦したZ33フェアレディZを見ていこう。

Z33フェアレディZがGT500とGT300の両クラスに同時参戦していた2006年のマシンを、市販車と比べてみる。
※同時参戦最終年は2007年

初代NSXの項で書いたとおり、当時のGT500クラスはレギュレーションにより全長や全幅、ホイールベースなど市販車の大きさを踏襲しており、大きく張り出したオーバーフェンダー以外、全体的なフォルムは似ている。

しかしマシンの印象を決定づけるヘッドライトの形状が市販車とは違うので、やや違和感がある。

そしてノーズの長さも・・・と思い、市販車の写真を確認すると・・・同じような・・・。

そう、この市販車も前述の初代NSXと同様に、スーパーGTのフォモロゲーションを取得するために販売した特別車両。

スーパーGTマシンのオーバーハングを伸ばすために追加したType Eというグレードで、フロントがベース車両から180mm、リヤが135mm延長されている。

そしてGT300マシンは・・・そう、見慣れたZ33フェアレディZはこの顔だ!

全長や全幅の数値を見ても分かるとおり、2006年までのGT300マシンはType Eではなく通常のZ33フェアレディZをベースとしていたため、私たちが知っている市販車の顔つきやプロポーションそのものだ。

しかしGT300マシンも2007年から順次Type Eベースの顔つきに変更していった。

最後に

2021年スーパーGT最終戦にて

今回は、GT500やGT300で多く参戦するマシンを、外観やエンジンスペックなど、市販車のベースマシンと見比べてみたが、みなさんはどのように感じただろうか。

設計に自由度があるGT300クラスのマシンは、市販車のカタチを忠実に再現しているのがわかる。

しかしGRスープラのエンジンは市販車と別物で、どデカい排気量のエンジンサウンドは、市販車とはまったくもって別物だ。

現在のGT500クラスは、クラス1規定で全長・全幅・全高、そしてホイールベースが決められており、特に2シーターのショートホイールベースを売りとするGRスープラは、この数値に無理があったと思われ、特にサイドのデザインはかなり間伸びした感がある。

また、マシンの印象を大きく変える前面のデザインにおいても、市販車にはないエンブレム周りの大きな空気取り入れ口が、市販車と印象を大きく変えている。

同じくベース車が2シーターのNSXは、市販車でもある程度のホイールベースがあるためサイドのデザインも問題がなく、全体的にも市販車のエクステリアをよく再現しており、これが市販車と別の位置にエンジンがあるなど、知らなけらば気付かないほどの完成度だ。

そしてGT500のGT-Rは、市販車にエアロパーツを取り付けたらそのまま完成するほどの完璧な再現度。

クラス1規程はGT-Rをベースに数値を決めたのか、と思ってしまうほどだ。

そのGT500クラスのGT-Rは2021年を最後に引退し、日産は2022年シーズンよりZ GT500をデビューさせる。

市販車とGT500マシンのプロトタイプを比べると、ちょっと、いやだいぶ違うんじゃないか、と思うのだが、市販車とGT500マシンのデビューまでしばし待つとしよう。

以上、最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。