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ホンダコレクションホールで日本モータースポーツの宝を見てきた!【ホンダF1第1期編】

モータースポーツ中毒者のぴぴと申します。

2019年8月、夏季休暇を利用しツインリンクもてぎにあるホンダコレクションホールへ行ってきましたので、その模様をたくさんの写真とともに記事にしたいと思います。

今回はホンダが初めてF1に参戦した、1964年から1968年のホンダF1活動第1期編です。

第2期編・第3期編はこちら↓

はじめに

ツインリンクもてぎ内の一角にあるホンダコレクションホール。

私も日本のモータースポーツファンのひとりとして、一度は訪れてみたいと思っていましたが、今回は念願叶って来ることができました。

ここは名前のとおり、自動車メーカーホンダがこれまでに製造販売した市販四輪車、二輪車はもとより、F1を中心とした多くのモータースポーツに参戦したその実車を展示してあります。

この多くの展示車は動態保存(実際に動かすことができる状態)してあり、ホンダファンサンクスデーなど年に数回動態確認テストが行われています。

90年代以前のグランプリ参戦を終えたコスワースやジャッドなどカスタマーエンジンを搭載したF1マシンは中古で購入できるため、お金さえあれば所有することができます。

またフェラーリは会社として優良ユーザーにF1マシンを販売しています。

しかしMP4以降のマクラーレンのF1マシンをはじめ、メーカー系エンジンを搭載した多くのマシンはいくらお金を積んでも購入することはできず、そんな希少価値の高いF1マシンがここでは素晴らしいコンディションで堪能することができる、モータースポーツファンにとって素晴らしい博物館です。

それではそのF1を中心とした日本モータースポーツの宝を見ていきましょう。

今回はホンダが初めてF1に参戦した、1964年から1968年のホンダF1第1期編です。

ホンダ・RA271

ホンダRA271はホンダ初のF1マシンとして、1964年のドイツグランプリにデビューしました。

昭和39年!第1回東京オリンピックの年で、ホンダ半世紀以上前からF1に参戦しているんですね。

2002年、トヨタがF1に初参戦した際は、あまり歓迎されなかったと記憶していますが、同時期にホンダが復帰した時には、心待ちにしていたファンが多くいたと聞きます。

それは第2期の活躍もさることながら、1964年からF1と長く関わり続けた信頼関係からだと思います。

このマシンは、V型12気筒のエンジンをなんと横置きに搭載したところが最大の特徴です。

当時のレギレーションは排気量1500cc以下の小排気量だからできたのですが、オートバイメーカーらしい発想ですよね。

ホンダ・RA272

ホンダコレクションホールに入ると、エントランスに鎮座するのがこのRA272で、これはバックナムのマシンです。

そして3階のレーシングマシンが置かれているフロアにも、正面に置かれているのがホンダRA272で、こちらはリッチー・ギンサーのマシンです。

F1で数々の勝利を獲得したホンダが、メキシコグランプリで初めて勝利したマシンで、まさにホンダF1活動の根源ですね。

むかし書籍で読んだ記憶があるのですが、ホンダコレクションホールにある第1期のF1マシンのレストアは困難を極めたとのことでした。

設計図は無く、当時のF1は現場で突貫工事にて修復改善を繰り返していました。

そこで第2期を戦ったメンバーなどが中心となり、当時第1期のエンジニアの気持ちになって、当時の技術でレストアした、と語っていました。

HONDA文字の下、鈑金のベコベコ感やリベット止めも、時代を感じさせてくれます。

いつだったか忘れましたが、F1日本グランプリの前座でデモ走行が行われたのを見ましたが、小排気量V12の甲高いエンジン音がとても印象的なマシンでした。

そういえばタミヤのプラモデルで作ったなあ。

ホンダ・RA273

レギュレーションで排気量が3000cc以下になり、RA272と比べるとマシンが相当に大柄になっており、タイヤも幅広になりました。

RA273のエンジン搭載は一般的な縦置きに直されました。

エンジン単体で220kg、マシン総重量は720kgにも達してしまい、当時のレギュレーションの最低重量500kgを大幅に上回ってしまい、成績は芳しくありませんでした。

成績もさることながら、エンジン自体がストレスマウントではなくエンジン下にまでシャシーが伸びているデザインは、私個人的にはカッコが良いと感じません。

ホンダ・RA300

RA300は、1967年のイタリアグランプリから実戦投入され、そのデビュー戦で優勝し、ホンダがグランプリ2勝目をあげたマシンです。

でも実はこのRA300、前作のRA273が不調だったので急遽イギリスの名門レーシングコンストラクターであるローラのファクトリーで製作し、6週間で実戦投入されたマシンで、ホンダ+ローラ『ホンドーラ』と言われていました。

空力という概念が無い時代の、いわゆる葉巻型F1の最晩年マシンですが、私はホンダの葉巻型F1マシンの中で一番カッコイイと思っています。

このエアファンネル!当時のF1マシンは正に工芸品です!

エンジンはRA273に搭載されていたRA273Eが、RA300にも搭載されています。

RA300は好きなマシンですが、帰ってきて写真整理をしていたら意外と少ないのが残念でした。

ホンダ・RA301

RA300の発展型が1968年シーズンを戦ったRA301で、ホンダ第1期F1活動で唯一のポールポジションを獲得したマシンです。

この年よりF1は、ダウンフォースというタイヤを路面に押し付ける概念が急速に流行り、ホンダRA301も採用しました。

そのためRA301はフロントノーズサイドに魚のエラビレのような羽根と、リヤにそびえる貧弱な支柱のリヤウイングがデザイン上の特徴です。

私的には、その後流行るバーベキュー用の鉄板を取り付けたかのようなフロントウイングは好きにはなれなく、RA301の控えめなフロントウイング(カナード?)の方が好きです。

やはり貧弱なリヤウイングの支柱はとっても気になります。

この後危険だと判断し、リヤウイングの高さや強度がレギュレーションで厳格化されます。

現在のF1は全てカウリングされていますが、このメカメカしさが当時のF1マシンの魅力のひとつですよね。

ホンダはこの1968年をもって第1期F1活動を終了することとなります。

私にとってこの頃のF1は生まれる前の出来事であり、映像としてもRA272がエルマノスロドリゲスサーキット(当時の名前は知りません)の古タイヤが埋め込まれたS字を駆け抜けるシーンであったり、RA300のモンツァでのゴールシーンなど、あの有名な数十秒のシーンしか見たことがありませんでした。

実車としては10年程前の日本グランプリの前座で、RA272が目の前を駆け抜けて行きましたが、その一回だけ。

今回数十年来の夢が叶い初めて当時のF1マシンを堪能することができて、ホンダコレクションホールを訪れて本当に良かったと思いました。

ホンダは15年の歳月を経て、第2期F1活動としてカムバックします。

今回の撮影機材

カメラレンズ
キヤノン EOS5D MarkⅣキヤノンEF85mm F1.4L IS USM
ソニー α7RⅢソニーFE24-105mm F4 G OSS

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。