先日、12年ぶりに行われたセパン戦でトムスが優勝し、トヨタの連勝記録が話題になっています。
スーパーGTや前身の全日本GT選手権ではサクセスウエイト(ウエイトハンデ)があるため、チームやドライバーの連勝は非常に大変ですが、同一メーカー(ブランド)の連勝ならば、ある程度可能で、過去にも連勝が話題になりました。
そこで今回は、スーパーGT/全日本GT選手権GT500クラスのメーカー(ブランド)連勝記録を振り返ってみます。
記事に登場する個人の敬称は省略させていただきます。
ザックリ見出し
【5連勝】トヨタ(1997 Rd.2-Rd.6)

写真提供:Mさん
年 Rd | コース | ドライバー | チーム | メーカー マシン | タイヤ |
---|---|---|---|---|---|
1997 Rd2 | 富士 | 影山正美 谷川達也 | サード | トヨタ スープラ | Y |
1997 Rd3 | 仙台 | M.クルム P.デ・ラ・ロサ | トムス (トヨタカストロールチーム) | トヨタ スープラ | B |
1997 Rd4 | 富士 | 影山正美 谷川達也 | サード | トヨタ スープラ | Y |
1997 Rd5 | MINE | M.クルム P.デ・ラ・ロサ | トムス (トヨタカストロールチーム) | トヨタ スープラ | B |
1997 Rd6 | SUGO | 田嶋栄一 M.グーセン | 5ZIGEN | トヨタ スープラ | D |
まず最初に紹介する連勝記録は全日本GT選手権4年目の1997年で、トヨタが記録した5連勝から。
1997年開幕戦を制したのは日産ニスモでしたが、続く富士スピードウェイでの第2戦でトヨタのサードが勝利すると、続く第3戦仙台ハイランドではトヨタのトムス36号車が優勝。
第4戦富士でふたたびサードが優勝し、第5戦MINEでまたもトムス36号車が勝利と、サードとトムス36号車が交互に優勝します。
そして最終戦のSUGOでは懐かしの5ZIGENが優勝し、トヨタ全日本GT選手権で当時としては最多となる5連勝を達成しました。
尚、このシーズンは全6戦だったため、6戦5勝という圧勝。チャンピオンはシーズン2勝のトヨタトムスが獲得しました。
【5連勝】日産(2008 Rd.6-2009 Rd.1)

写真提供:Mさん
年 Rd | コース | ドライバー | チーム | メーカー マシン | タイヤ |
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2008 Rd6 | 鈴鹿 | 松田次生 S.フィリップス | インパル | 日産 GT-R | B |
2008 Rd7 | もてぎ | R.クインタレッリ 横溝直輝 | ハセミ | 日産 GT-R | B |
2008 Rd8 | オーポリ | 本山哲 B.トレルイエ | ニスモ | 日産 GT-R | B |
2008 Rd9 | 富士 | 松田次生 S.フィリップス | インパル | 日産 GT-R | B |
2009 Rd1 | 岡山 | J.P.デ・オリベイラ 荒聖治 | KONDO | 日産 GT-R | Y |
日産も5連勝を記録していますが、こちらはシーズンを跨いでの記録。
R35 GT-Rがデビューした2008年の第6戦鈴鹿戦、チームインパルの勝利から連勝が開始します。
第7戦もてぎ戦で懐かしのハセミモータースポーツが優勝し、第8戦オートポリスではニスモが優勝し3連勝。2008年シーズンの最終戦ではインパルがふたたび勝利します。
そして2009年の開幕戦岡山でKONDOレーシングが優勝して、日産GT-Rが5連勝を記録しました。
【5連勝】レクサス(2016 Rd.8-2017 Rd.4)

年 Rd | コース | ドライバー | チーム | メーカー マシン | タイヤ |
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2016 Rd8 | もてぎ | H.コバライネン 平手晃平 | サード | レクサス RC F | B |
2017 Rd1 | 岡山 | 平川亮 N.キャシディ | トムス | レクサス LC500 | B |
2017 Rd2 | 富士 | 立川祐路 石浦宏明 | セルモ | レクサス LC500 | B |
2017 Rd3 | オーポリ | 中嶋一貴 J.ロシター | トムス | レクサス LC500 | B |
2017 Rd4 | SUGO | H.コバライネン 平手晃平 | サード | レクサス LC500 | B |
レクサスは2016年から2017年にかけて5連勝を記録しています。
まずは2016年の最終戦もてぎでレクサスRC Fのサードが優勝し連勝スタート(サードはこのレースで初の王者に)。
そして2017年にマシンをLC500にチェンジすると、その開幕戦でレクサス勢は1位から6位を驚愕の結果を残すと、第2戦富士でもセルモが勝利し、これで3連勝。
さらに第3戦オートポリスではトムス、第4戦SUGOではサードが優勝し、5連勝を達成しました。
尚、連勝がスタートした2016年最終戦の前、第6戦と第7戦でもレクサスが優勝をしていますが、熊本地震により順延となった第3戦が最終戦の前に行われているため、7連勝ではありません。
【5連勝】レクサス(2019 Rd.2-Rd.6)

年 Rd | コース | ドライバー | チーム | メーカー マシン | タイヤ |
---|---|---|---|---|---|
2019 Rd2 | 富士 | 立川祐路 石浦宏明 | セルモ | レクサス LC500 | B |
2019 Rd3 | 鈴鹿 | 中嶋一貴 関口雄飛 | トムス | レクサス LC500 | B |
2019 Rd4 | チャーン | 大嶋和也 山下健太 | ルマン | レクサス LC500 | B |
2019 Rd5 | 富士 | 大嶋和也 山下健太 | ルマン | レクサス LC500 | B |
2019 Rd6 | オーポリ | H.コバライネン 中山雄一 | サード | レクサス LC500 | B |
レクサスはLC500最終年の2019年シーズンにも5連勝しています。
まず、第2戦ゴールデンウィークの富士でセルモが優勝し、第3戦鈴鹿ではトムス36号車が勝利します。
海外戦となった第4戦でチームルマンが久々に優勝を遂げると、第5戦富士では脇阪寿一監督の絶妙なピット戦略でルマンが2連勝をします。
そして第6戦ではサードが優勝して、レクサスが5連勝を達成。LC500は3年間という短いGT500参戦でしたが、実に強いマシンでした。
ちなみに第2戦は立川祐路にとって、第3戦は中嶋一貴にとっての最後のスーパーGTでの勝利でした。
【6連勝】ホンダ(1998 Rd.4-1999 Rd.2)
年 Rd | コース | ドライバー | チーム | メーカー マシン | タイヤ |
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1998 Rd4 | 富士 | 山西康司 T.コロネル | ナカジマ | ホンダ NSX | B |
1998 Rd5 | もてぎ | 中子修 道上龍 | 無限 | ホンダ NSX | B |
1998 Rd6 | MINE | 高橋国光 飯田章 | クニミツ | ホンダ NSX | B |
1998 Rd7 | SUGO | 中子修 道上龍 | 無限 | ホンダ NSX | B |
1999 Rd1 | 鈴鹿 | 脇阪寿一 金石勝智 | 童夢 (無限×童夢) | ホンダ NSX | B |
1999 Rd2 | 富士 | 高橋国光 飯田章 | クニミツ | ホンダ NSX | B |
ここまで名前の上がらなかったホンダですが、実は参戦まもない1998年から1999年にかけて6連勝を記録しています。
まずは1998年第4戦でナカジマレーシングが優勝し、第5戦もてぎでチーム無限が勝利します。
第6戦MINEではチームクニミツが1994年以来の勝利を記録して、最終戦では無限がふたたび優勝。
そして1999年シーズンもホンダNSXの快進撃は続き、童夢(この年から無限×童夢プロジェクト)が開幕戦を制し、第2戦ではチームクニミツが優勝して、当時の新記録となる同一メーカー同一車種の6連勝を達成しました。
ちなみに1998年の最終戦の後にノンタイトルのオールスター戦があり、ここでもホンダのナカジマレーシングが優勝しているため、これを入れると7連勝と、当時のホンダNSXは凄まじい強さでした。
尚、1999年第2戦での勝利は、この年限りで引退する高橋国光の最後の優勝でした。
【7連勝】トヨタ(2024 Rd.5-2025 Rd.3)

年 Rd | コース | ドライバー | チーム | メーカー マシン | タイヤ |
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2024 Rd5 | 鈴鹿 | 坪井翔 山下健太 | トムス | トヨタ GRスープラ | B |
2024 Rd6 | SUGO | 笹原右京 G.アレジ | トムス | トヨタ GRスープラ | B |
2024 Rd7 | オーポリ | 関口雄飛 中山雄一 | サード | トヨタ GRスープラ | B |
2024 Rd8 | もてぎ | 坪井翔 山下健太 | トムス | トヨタ GRスープラ | B |
2025 Rd1 | 岡山 | 坪井翔 山下健太 | トムス | トヨタ GRスープラ | B |
2025 Rd2 | 富士 | 石浦宏明 大湯都史樹 | セルモ | トヨタ GRスープラ | B |
2025 Rd3 | セパン | 笹原右京 G.アレジ | トムス | トヨタ GRスープラ | B |
全日本GT選手権黎明期のホンダの6連勝を上回るのが、2024年から2025年にかけてのトヨタスープラの7連勝です。
連勝がスタートしたのが2024年シーズンの第5戦のトムス36号車で、翌SUGO戦では両雄のトムス37号車が優勝して2連勝。
第7戦オートポリスではサードが優勝し、最終戦のもてぎでふたたびトムス36号車が優勝して4連勝をします(このレースでトムス36号車が王者に)。
年が変わり、2025年シーズンの開幕戦岡山ではトムス1号車(旧36号車)が勝利し5連勝。
第2戦富士ではセルモが久々に勝利してトヨタ6連勝。
そして2012年以来のセパンではトムス37号車が優勝して、同一メーカー同一車種7連勝の新記録が達成されました。
近年は大きなレギュレーション変更がなく、各メーカーのパフォーマンスが拮抗している近年のスーパーGTで、7連勝はとてつもない記録。さらに、この7連勝のうち、トムスが5勝を記録しているのも特筆すべきことでしょう。
このトヨタGRスープラの連勝記録はどこまで続くのか、楽しみでなりません。
※日産は2016年の開幕戦から第5戦にかけて5連勝をしていますが、第3戦は熊本地震のため順延し、最終戦の前に行われているため除外としました
以上、最後までご覧いただきましてありがとうございました。
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