今回も前回にひきつづき、富士スピードウェイで行われたWEC富士6時間の観戦記を書いていきます。
前回のvol.1はこちら↓
スタートはグランドスタンド
WECは世界選手権だけあり、国内レースに比べるとスタート前のセレモニーが華やかなため、例年私はその様子を存分に楽しめるグランドスタンドで観覧する。
ル・マン式スタートを模したダミーグリッドの様子を見ると、これぞWECだと感じる。
国歌斉唱は昨年と同じこのお方。
見た目も歌声も超ド級!
その他書道パフォーマンスや、昨年の富士から始まったドラム太鼓などが披露されたが、2012年から観覧する私には例年ほどの華やかさは感じられなかった。
そういえば、昨年は空から人が飛んできたなー。
まあ今年はハイパーカーとの過渡期のため、華やかなイベントよりも最後のLMP1ハイブリッドの鬼加速を存分に楽しむことにしよう。
1周のフォーメーションラップの後、スタート!
なんだろう、この鳥肌は・・・。
スタートはどのレースでも見どころのひとつだが、スーパーGTなどの国内レースよりも、台数が減っても、ライバルが撤退しても、私的にはこのWECに軍配が上がる。
トヨタ8号車が逃げ、サクセスハンデキャップを科せられたトヨタ7号車の前には、レベリオンがいる。
コーナーや加速では圧倒的に有利なトヨタ7号車だが、ハンデのためトップスピードが頭打ちになり、レベリオンをなかなか抜けない。
そんな攻防が私の目の前で起こるもんだから、なかなか楽しめた。
最近の私のお気に入り!1・2コーナー内側へ
グランドスタンドでレースの流れを把握した後、最近の私のお気に入り撮影スポットである、1・2コーナー内側へ移動する。
まずは1コーナー内側からの撮影。
この場所は比較的コースまで近いので、超望遠レンズでなくてもアップでマシンを撮影できるし、コサイン収差が生まれにくいので、引いて超スローシャッターで撮影してもマシン全体にピントが合いやすい。
そしてこちらが2コーナーの立ち上がり。
ここはマシン斜め前の少し低い位置という絶妙な角度に加え、バックの山や大きな看板がすごくバエる!
デッカいGR看板をバックにGRのフラッグシップが走る!
最後は土手の上から。
ここからは俯瞰気味に超スローシャッターで流すのがいい。
午後はダンロップコーナーから
1・2コーナーで撮影した後、なぜダンロップコーナー?と、思う方はさすがです。
そう、1・2コーナーとダンロップコーナーは富士スピードウェイの端と端で、歩くと30分ほどの距離になる。
ただ私は構内の移動を電動折りたたみチャリで行い、パドックパスを所持しているので、まずパドックまで駆け上がり、パドックを出てからはダンロップコーナー内側までずーっと下りになるので、ものの10分で到着する。
ダンロップコーナー入り口で、まずWECマシンのドーナツをチェック。
まずはLMP-GTE。
LM-GTEマシンはスチールブレーキと思われ、ブレーキディスクは残念ながら赤くならない。
次にLMP1・LMP2。
LMP1・LMP2マシンはカーボンブレーキが盛大に赤くなる。
最後はLMP1ハイブリッド。
トヨタのハイブリッドマシンは回生ブレーキだからなのか、赤くならない。
お次は定番のダンロップコーナー出口から、その先のシケインを走るマシンを撮影。
今回LMP1ハイブリッドマシン最終年なのであらためて書かせてもらうが、ダンロップコーナーを過ぎてからの登りセッション、トヨタTS050の加速が本当にすごい!
しかも他のマシンが野太いエグゾーストノートを発して、力強く登っていくのを尻目に、たいして音も立てずに登っていくものだから、あらためて感心させられる。
このLMP1ハイブリッドマシンの加速を、記憶に焼き付けておこう。
坂を登るトヨタTS050を撮影していたら、目の前にハイエースが通り過ぎ、偶然窓越しに撮影できた奇跡のショット!?
最後は定番GRスープラコーナー出口で流し撮り
最後は定番のGRスープラコーナーと、そのGRコーナーから最終コーナーへ向かう短い直線で、超スローシャッターでの流し撮りをする。
10月ともなると日が落ちるのがだいぶ早くなるので、その対策として今回はF値2.8の明るいレンズ、キヤノンEF70-200mm F2.8L IS Ⅱ USMを数年ぶりに投入。
上がいつものキヤノンEF100-400mm F3.5-5.6L IS Ⅱ USM、下が今回久々投入のキヤノンEF70-200mm F2.8L IS Ⅱ USMだが、違いはわかるだろうか?
私にはわかりません・・・ただAIサーボの食いつきは70-200mmの方が良かったような気がする。
最後に
今回はWEC富士6時間の観戦記を書いてみたが、いかがだっただろうか?
私としては、LMP1ハイブリッド最終年、トヨタTS050の素晴らしい加速力と安定した速さを見て、ただただ感心し、大いに楽しんだ1日だった。
しかし一方、2012年の新生WEC初開催から富士スピードウェイでのレースは欠かさず観戦してきた私が感じたことを正直に書くと、今年は少し盛り上がりに欠けたように思ってしまった。
それはメーカー系ワークスがトヨタのみで、本当の意味でのライバルが不在(レギュレーションでのノンハイブリッドと戦えるようにしてあるが、純粋な戦いではない)であったり、LMP-GTE PROクラスでのBMW、フォードの撤退が影響していると思われ、その余波で観客やイベントブースの出店も寂しく思えた。
しかしあくまで今年は来年へのつなぎの年で、来年の富士にはハイパーカーに変貌したトヨタガズーレーシングが登場し、ライバルにはアストンマーティンが名乗りをあげている。
今後のWEC存亡のためにも、是非ともこのハイパーカーによるレースを成功させてもらいたいと、耐久レースファンのひとりとして心から願っている。
そして、様々なメーカー系ワークスチームがこのWECに、そしてル・マンに帰ってきてもらいたいものだ。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
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