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ホンダの歴代JGTC/スーパーGT GT500マシン・搭載エンジン一覧(1996-2025)

ホンダのマシンが全日本GT選手権のGT500クラスに登場したのは1996年。マシンは当時のフラッグシップであったNA型の初代NSXでした。

あれから30年。初代NSXから現在のシビックタイプRに至るまでのベースマシンの歴史を、搭載エンジンとともに振り返ってみます。

NA型NSX(NSX-R)

無限×童夢プロジェクト(2000年)
DATA
  • 参戦年:1996年-2009年
  • エンジン仕様:3.0L V6 NA C30A(1996年) / 3.5L V6 NA C32B(1997年-2003年) / 3.0L V6 ツインターボ C30A(2004年) / 3.0L V6 ターボ C32B(2005年) / 3.5L V6 NA C32B(2005年-2008年) / 3.4L V6 NA C32B(2009年)

ホンダのマシンが全日本GT選手権のGT500クラスに参戦を開始したのは1996年でした。

マシンはもちろんホンダのフラッグシップであったNSX。

参戦初年度はル・マンGT2マシンを使用しましたが、1997年より全日本GT選手権専用のNSX-GTを開発して参戦します。

市販車のNSXの販売が2006年で販売を終了しましたが、ベースになるホンダの大型スポーツカーが存在しないこともあり、スーパーGTではそれ以降も同マシンを使い続け、2009年まで14年間もの長きに渡りNSXでGT500クラスに参戦しました。

エンジンは参戦初年度は市販車をベースにしたC30Aを搭載していましたが、1997年にNSX-RのC32Bを3.5Lまで排気量を上げて搭載します。

2004年にはC30Aを縦置きに搭載(それまでは市販車同様横置き)し、カルソニック製のツインターボで過給されました。確か、コクピットの後方にトランスミッションがあり、その後ろにエンジンがあったと記憶しています。

しかしターボは1年余りでやめて2005年第3戦からNAに戻し、2009年に3.4Lにしています。

HSV-010

リアルレーシング(2012年)
DATA
  • 参戦年:2010年-2013年
  • エンジン仕様:3.4L V8 NA HR10EG

ホンダはNSXの後継車を2010年の発売を目標に開発していました。

しかしリーマンショックを発端とした景気悪化を理由に開発が中止されますが、スーパーGT GT500クラスにHSV 010-GTとして2010年にデビューします。

市販車はV型10気筒で開発されていましたが、スーパーGTのマシンに搭載されるパワーユニットは、フォーミュラニッポンのHR10Eをベースにチューニングされた3.4L V8 NAのHR10EGでした。

そんなHSV 010-GTは2013年まで4年間参戦しました。

NSX CONCEPT

ドラゴコルセ(2016年)
DATA
  • 参戦年:2014年-2016年
  • エンジン仕様:2.0L 直4 直噴ターボ HR-414E

スーパーGTは2014年からDTMと車両規定が統一されました(クラス1規定)が、それを機にホンダは開発中の次期NSXをベースとしたNSX CONCEPT-GTを投入します。

クラス1規定ではFR用の専用バスタブを使用しなければなりませんでしたが、ホンダはそのバスタブを前後逆にしてミッドシップレイアウト(MR)としました。そのため特認車両としての扱いになり、ライバルよりも最低重量を上げられました。

エンジンはこの年から規定により2.0L 直列4気筒 直噴ターボになりました。

NSX CONCEPT-GTは2016年の3年間スーパーGTに参戦し、NC型NSX-GTに引き継ぎました。

NC型NSX

ARTA(2022年)
DATA
  • 参戦年:2017年-2023年
  • エンジン仕様:2.0L 直4 直噴ターボ HR-417E(2017年-2019年) / 2.0L 直4 直噴ターボ HR-420E(2020年-2023年)

2017年2月に2代目NSXが発売し、これを機にスーパーGTマシンはCONCEPTが取れてNC型NSX-GTが2017年シーズンにデビューします。

NC型NSX-GTはCONCEPT時代同様ミッドシップレイアウトの特認車両という扱いでしたが、2020年よりGT500クラスはFRのみということになります。

そこでホンダはなんとNC型NSX-GTをFR化! ややボンネットが高くなったものの、その姿はミッドシップとほぼ同様の素晴らしい仕事で対応します。

その後、FRのNC型NSX-GTは2022年よりタイプSのエクステリアに変更し、2023年まで参戦するのでした。

NC型NSX-GTのエンジンは、2017年から2019年まで2.0L 直列4気筒直噴ターボのHR-417Eで、FR化された2020年から2023年までHR-420Eを搭載しました。

FL型シビックタイプR

チームクニミツ(2025年)
DATA
  • 参戦年:2024年-
  • エンジン仕様:2.0L 直4 直噴ターボ HR-420E(2024年-)

市販車のNC型NSX-GTが2022年で販売を終了したため、ホンダは次期GT500マシンとしてFL型シビックタイプRをベースにした、シビックタイプR-GTを2024年シーズンにデビューすることを発表します。

それまでGT300クラスでは4枚ドアのマシンが参戦したこともありましたが、BoPによる性能調整がないGT500クラスでは不利とされる4枚ドアマシンでの参戦は前例がなく、無謀な挑戦とも言われましたが、2024年にデビューするとGRスープラやフェアレディZと互角の戦いを繰り広げ、ホンダの技術力の高さを思い知るのでした。

なお搭載エンジンはFR化されたNC型NSXと同様の2.0L 直列4気筒直噴ターボのHR-420Eを搭載しています。

まとめ

今回はホンダの歴代GT500マシンと搭載エンジンを紹介しましたが、まとめると以下の通りになります。

マシンエンジン参戦年
NA型NSXC30A
C32B
1996-2009
HSV-010HR10EG2010-2013
NSX CONCEPTHR-414E2014-2016
NC型NSXHR-417E
HR-420E
2017-2023
FL型シビックタイプRHR-420E2024-

ホンダのフラッグシップといえばNSXということで、GT500クラスのベースマシンも長きに渡り新旧のNSX-GTが使用されてきました。

ただしホンダにはNSX以外に車格の高いスポーツカーが少なく、販売が終了した後もNSXを使用したり、市販化されていない車両を使用した時代もありました。

そんな中、2024年からは3大メーカーが鎬を削るGT500のベースマシンとしてはそぐわない4枚ドアのシビックタイプRをベースとして投入。この挑戦が成功すれば、車格の高いスポーツカーをラインナップしていない他メーカーも追随するやもしれませんね。

ということで今回は以上。最後までご覧いただきましてありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。