F1は他のF1チームが製造するマシンを購入して参戦する、いわゆるカスタマーシャシーは禁止されています。
しかしすべてのパーツを自社で製造する必要はなく、パワーユニットをはじめギアボックスやブレーキ、ホイールなどは、他のチームやメーカーから購入してマシンが製作されます。
そこで今回は、各コンストラクターの2020年型F1マシンのパワーユニット・ギアボックス・ブレーキ・ホイールの供給先を見ていくことにしましょう。
2020年各F1マシンのPU
メルセデスPU | フェラーリPU | ホンダPU | ルノーPU |
---|---|---|---|
メルセデス レーシングポイント ウィリアムズ | フェラーリ アルファロメオ ハース | レッドブル アルファタウリ | ルノー マクラーレン |
F1にパワーユニットを供給する自動車メーカーはメルセデス・フェラーリ・ホンダ・ルノーの4社です。
メルセデスは自社チームの他、レーシングポイントとウィリアムズにパワーユニットを供給しています。
フェラーリは自社チームの他にアルファロメオ・ハースに、ホンダはレッドブルとアルファタウリに、ルノーは自社チームとマクラーレンにパワーユニットを供給しています。
2020年各F1マシンのギアボックス
メルセデス製 | フェラーリ製 | ルノー製 | レッドブル製 | マクラーレン製 | ウィリアムズ製 |
---|---|---|---|---|---|
メルセデス レーシングポイント | フェラーリ アルファロメオ ハース | ルノー | レッドブル アルファタウリ | マクラーレン | ウィリアムズ |
ギヤボックスはチーム自ら開発しているチームと、他から供給されているチームがあります。
メルセデス製ギアボックスは、自社チームの他にパワーユニットとセットでレーシングポイントに供給しています。
フェラーリ製ギアボックスは、パワーユニットとともにアルファロメオとハースに供給し、レッドブルは自社開発したギアボックスを兄弟チームのアルファタウリにも供給しています。
ルノーやマクラーレン、ウィリアムズはギアボックを自社開発しています。
ギアボックスはコスト削減のために、2021年(2022年に延期)からケーシングを除く内部機構が共通化されます。
2020年各F1マシンのブレーキメーカー
ブレンボ製 | カーボンインダストリー製 | 曙製 | AP製 | レーシングポイント製 |
---|---|---|---|---|
メルセデス(キャリパー) フェラーリ(ディスク) レッドブル ルノー レーシングポイント(キャリパー) アルファロメオ | メルセデス(ディスク・パッド) | マクラーレン | ウィリアムズ | レーシングポイント(ディスク・パッド) |
ブレーキシステムのメーカーは、多くのチームがイタリアのブレンボ製を使用します。
メルセデスはキャリパーがブレンボ製でディスクパッドがカーボンインダストリー製です。
フェラーリはブレーキディスクがブレンボ製で、パッドはレース毎に変更しています。
そんな中ウィリアムズはイギリスのAPレーシング製のブレーキを使用し、そしてマクラーレンは唯一、日本の曙ブレーキを2006年の日本グランプリから長年にわたり使用します。
2020年各F1マシンのホイールメーカー
OZ製 | エンケイ製 | BBS製 |
---|---|---|
メルセデス フェラーリ レッドブル ルノー アルファロメオ ハース | マクラーレン | レーシングポイント |
一時期多くのチームがBBSのホイールを使用していましたが、現在はレーシングポイントのみで、現在はイタリアのOZ製ホイールを使用しています。
その中でマクラーレンは日本の浜松に本社を置くエンケイを使用します。
ブレーキといいホイールといい、マクラーレンは日本と縁の深いF1チームなのですね。
- 曙ブレーキ
- エンケイ
- ヤマザキマザック
- マレリ / カルソニック
- ケンウッド
まとめ
チーム マシン | PU | ギアボックス | ブレーキ | ホイール |
---|---|---|---|---|
メルセデス F1 W11 EQ Performance | メルセデス | メルセデス | カーボンインダストリー(ディスク・パッド) ブレンボ(キャリパー) | OZ |
フェラーリ SF1000 | フェラーリ | フェラーリ | ブレンボ(ディスク) | OZ |
レッドブル RB16 | ホンダ | レッドブル | ブレンボ(パッド・ディスク・キャリパー) | OZ |
マクラーレン MCL35 | ルノー | マクラーレン | 曙(ディスク・パッド・キャリパー) | エンケイ |
ルノー R.B.20 | ルノー | ルノー | ブレンボ(ディスク・パッド・キャリパー) | OZ |
アルファタウリ AT01 | ホンダ | レッドブル | 不明 | 不明 |
レーシングポイント RP20 | メルセデス | メルセデス | ブレンボ(キャリパー) レーシングポイント(ディスク・パッド) | BBS |
アルファロメオ C39 | フェラーリ | フェラーリ | ブレンボ(ディスク・パッド・キャリパー) | OZ |
ハース VF-20 | フェラーリ | フェラーリ | 不明 | OZ |
ウィリアムズ FW43 | メルセデス | ウィリアムズ | AP(ディスク・パッド・キャリパー) | 不明 |
今回はF1チームのパワーユニット・ギアボックス・ブレーキ・ホイールの供給先を調べてみました。
ギアボックスはパワーユニットとともに供給されているチームもある中で、マクラーレンやウィリアムズといった名門チームは、独自開発していることがわかりました。
またマクラーレンは、曙ブレーキやエンケイホイールなど、日本企業と密接な関係にあるのですね。
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。