人気記事:『ミニカーで振り返るF1マシン』シリーズ

国内トップフォーミュラ 優勝回数ランキング【ドライバー チーム シャシー】(1973-2025 Rd5)

現在はスーパーフォーミュラの名称で開催される日本のトップフォーミュラは、1973年に全日本F2000選手権としてシリーズが開始されました。

その後、1978年に全日本F2選手権、1987年に全日本F3000選手権、1996年に全日本選手権フォーミュラニッポンと名称が変更。そして2013年に全日本選手権スーパーフォーミュラ(2016年から全日本スーパーフォーミュラ選手権)になり、現在に至ります。

そんな、日本トップフォーミュラの総合優勝ランキングが知りたいと思い、ネットを調べてみるも、意外にも掲載しているサイトがないんです。

そこで今回は日本トップフォーミュラの総合優勝ランキングをドライバー、チーム、シャシーコンストラクターに分けて調べてみました。

2025年のスーパーフォーミュラに参戦している場合は赤色のアンダーラインで、F1に参戦経験のあるドライバーは青色のアンダーラインで表記しています。

今回はJAFサイトとWikipediaで調べてみましたが、間違いがあるかもしれません。もし間違いを発見しましたら、コメント欄でやさし〜くお教えいただけると幸いです。

偉大なレジェンドドライバーや現役ドライバーが登場しますが、今回は敬称を省略させていただきます。

ドライバー優勝回数ランキング

ドライバー最多勝は星野一義(2017年撮影)
順位ドライバー優勝回数初勝利最終勝利
1星野一義39勝1975年1996年
2本山哲27勝1998年2007年
3A.ロッテラー24勝2004年2017年
4中嶋悟21勝1978年1986年
5高木虎之介14勝1995年2000年
6野尻智紀13勝2014年2024年
7L.デュバル12勝2006年2014年
8位タイB.トレルイエ11勝2003年2009年
8位タイ松本恵二11勝1979年1990年
10位タイJ.P.デ・オリベイラ10勝2008年2016年
10位タイR.チーバー10勝1989年1994年
12位タイ山本尚貴9勝2013年2022年
12位タイ中嶋一貴9勝2011年2017年
12位タイ長谷見昌弘9勝1974年1989年
15服部尚貴8勝1992年2001年
16位タイ関口雄飛7勝2016年2022年
16位タイ小暮卓史7勝2004年2010年
16位タイ松田次生7勝2000年2008年
16位タイR.ファーマン7勝1999年2002年
16位タイG.リース7勝1983年1988年
16位タイ高原敬武7勝1973年1976年
22位タイ坪井翔6勝2020年2025年
22位タイP.デ・ラ・ロサ6勝1997年1997年
22位タイ鈴木利男6勝1987年1995年
25位タイ太田格之進5勝2023年2025年
25位タイ石浦宏明5勝2015年2018年
25位タイ脇阪寿一5勝1998年2003年
25位タイM.アピチェラ5勝1992年1994年
25位タイ鈴木亜久里5勝1987年1988年
30位タイ牧野任祐4勝2024年2025年
30位タイ平川亮4勝2019年2022年
30位タイR.ライアン4勝2003年2005年
30位タイA.G.スコット4勝1994年1995年
30位タイV.ヴァイドラー4勝1990年1992年
30位タイ高橋国光4勝1977年1978年
36位タイL.ローソン3勝2023年2023年
36位タイN.キャシディ3勝2018年2020年
36位タイ伊沢拓也3勝2012年2013年
36位タイ井出有治3勝2004年2005年
36位タイT.コロネル3勝1999年1999年
36位タイ影山正美3勝1998年1999年
36位タイN.フォンタナ3勝1996年1998年
36位タイR.シューマッハ3勝1996年1996年
36位タイE.アーバイン3勝1991年1993年
36位タイM.マルティニ3勝1990年1993年
36位タイS.ヨハンソン3勝1984年1984年
36位タイ高橋健二3勝1979年1983年
36位タイ黒澤元治3勝1973年1974年
49位タイ宮田莉朋2勝2023年2023年
49位タイ笹原右京2勝2022年2022年
49位タイ福住仁嶺2勝2021年2021年
49位タイP.ガスリー2勝2017年2017年
49位タイS.バンドーン2勝2016年2016年
49位タイ国本雄資2勝2016年2016年
49位タイ平手晃平2勝2008年2010年
49位タイ光貞秀俊2勝1999年1999年
49位タイ影山正彦2勝1998年1998年
49位タイ金石勝智2勝1996年1997年
49位タイ黒澤琢弥2勝1994年1997年
49位タイ片山右京2勝1991年1991年
49位タイ和田孝夫2勝1988年1989年
62位タイS.フェネストラズ1勝2022年2022年
62位タイ松下信治1勝2022年2022年
62位タイG.アレジ1勝2021年2021年
62位タイ大津弘樹1勝2021年2021年
62位タイ大湯都史樹1勝2020年2020年
62位タイA.パロウ1勝2019年2019年
62位タイ山下健太1勝2019年2019年
62位タイ塚越広大1勝2012年2012年
62位タイ大嶋和也1勝2010年2010年
62位タイ荒聖治1勝2008年2008年
62位タイ松浦孝亮1勝2008年2008年
62位タイR.クインタレッリ1勝2007年2007年
62位タイ金石年弘1勝2003年2003年
62位タイT.クリステンセン1勝1995年1995年
62位タイT.ダニエルソン1勝1993年1993年
62位タイP.カーカッシ1勝1992年1992年
62位タイR.ラッツェンバーガー1勝1992年1992年
62位タイ中谷明彦1勝1991年1991年
62位タイE.ピロ1勝1989年1989年
62位タイ小河等1勝1989年1989年
62位タイJ.ラマース1勝1987年1987年
62位タイM.サックウェル1勝1986年1986年
62位タイK.アチソン1勝1985年1985年
62位タイ藤田直広1勝1981年1981年
62位タイB.ガビアーニ1勝1979年1979年
62位タイM.スレール1勝1978年1978年
62位タイR.パトレーゼ1勝1977年1977年
62位タイJ.ラフィット1勝1976年1976年

国内トップフォーミュラで勝利したドライバーは全部で89人います。

その中でもっとも優勝をしたドライバーは元祖日本一速い男の異名を持つ星野一義で、積み上げた勝利の数は、なんと39回! ダントツです。

記録を見ると、初勝利した1975年から引退する1996年までの22年間のうち、1983年、1992年、1994年、1995年を除くすべてのシーズンで優勝を記録しており、全盛期が変わらないほど。

国内トップフォーミュラは多くても10戦ほどで、マシンの性能差もわずか。そんな状況で39回も勝利を上げた星野一義は、紛れもなく日本一速い男でした。

そんな星野一義を師と仰ぎ、長年、星野一義のチームインパルで活躍した本山哲が歴代2位です。

本山哲のすべての勝利はフォーミュラニッポン時代に記録されたもので、27回の勝利を記録しています。

この時代を代表するドライバーでしたが、フォーミュラに消極的な日産のドライバーということで、F1参戦は無く、2003年日本グランプリのFP1での出走のみ。全盛期にF1参戦をしてもらいたかったドライバーのひとりでした。

第3位は中嶋悟で、日本トップフォーミュラでは21回優勝しています。

中嶋悟と星野一義は1970年代後半から1980年代中盤まで長年に渡りライバル関係で、中嶋が上回るシーズンの方が多かったのですが、1987年からF1に参戦。

もし、中嶋悟が国内に留まっていたら、星野の通算勝利数を抜いていたのかもしれません。

そんな中嶋悟の愛弟子の高木虎之介が14勝で第5位です。

虎之介と言えば思い出すのがF1を終了して国内に戻った2000年で、全10戦中8回の優勝を記録し、圧倒的な強さで王者になりました。

2025年現役ドライバーの最多勝は第6位の野尻智紀で、13勝を上げています。

野尻智紀の参戦時期は、マシン、タイヤが完全ワンメイクで、エンジンもほぼイコールの時代。そんな中で現役ドライバーではダントツの勝利数を記録している野尻智紀はさすがです。

2025年現在トップチームの無限に在籍する野尻智紀なので、今後も記録を更新してくれることと思います。

野尻智紀に次ぐ現役ドライバー第2位は、通算22位タイで6勝の坪井翔です。

2023年のチームメイトの宮田莉朋が戦いの舞台を欧州に変えた際、坪井は「僕は国内で頑張ります」と語っていました。

現役最強の呼び声高い坪井翔。年齢面でも長い現役生活が期待されるため、星野一義の記録を更新してくれることを、個人的には期待しています。

その他、現役組では坪井よりもさらに若いダンディライアンの2人、牧野任祐や太田格之進にも期待が膨らみます(格之進は海外志向高めのため厳しい?)。

今回はF1参戦ドライバーを青色アンダーラインにしてみましたが、かなり多くいることに驚きます。

また、その中でラルフ・シューマッハ、リカルド・パトレーゼ、ジャック・ラフィット、ピエール・ガスリーの4人に関しては、日本で勝利したのちにF1でも優勝をしています。

チーム優勝回数ランキング

左からナカジマ ルマン インパルのマシン
2003年フォーミュラニッポンにて
順位チーム優勝回数初勝利最終勝利備考
1チームインパル(ホシノレーシング)93勝1984年2022年インパル82勝
ホシノ11勝
2ナカジマレーシング48勝1995年2022年
3トムス40勝2006年2025年
4チームルマン39勝1979年2014年ARTAルマン1勝含む
5ヒーローズレーシング28勝1973年1991年
6ダンディライアン27勝2003年2025年
7チーム無限26勝2013年2024年
8ノバエンジニアリング21勝1984年1999年
9セルモINGING14勝1991年2020年セルモINGING9勝
セルモ4勝
INGING1勝
10チームイクザワ(i&iレーシング)12勝1980年1983年
11童夢10勝1987年1994年
12ムーンクラフト8勝1986年1992年フットワーク5勝含む
13スピードスター6勝1977年1989年
14位タイARTA(スーパーアグリ)5勝1996年2002年スーパーアグリ2勝
14位タイステラ5勝1992年1995年
14位タイタカハラ5勝1974年1976年
17位タイKONDOレーシング4勝2008年2022年
17位タイ5ZIGEN4勝2001年2004年
17位タイトミカレーシング4勝1978年1980年
17位タイビクトリーサークル4勝1975年1977年
21位タイUNIVERSAL3勝1992年1993年
21位タイ東名3勝1979年1983年
23位タイTAKE ONE2勝1990年1993年
23位タイPAL2勝1988年1989年
23位タイハラダ2勝1983年1983年
23位タイコジマ2勝1974年1977年
23位タイ酒井2勝1975年1975年
23位タイ高原敬武2勝1973年1973年
29位タイB-MAX1勝2022年2022年
29位タイTEAM221勝2003年2003年
29位タイNAVI CONNECTION1勝1992年1992年
29位タイSUNTEC1勝1990年1990年
29位タイオートビューレック1勝1989年1989年

続いてはチーム別の優勝回数ランキングですが、半世紀以上の歴史がある日本トップフォーミュラなので、長い年月の末にチーム名が変更されたり合併したりと色々ありました。「別チームだっ!」と思われる方もいるかと思いますが、まあ、おおらかな感じでご覧ください。

ではあらためてチーム別の優勝回数ランキングを見てみましょう。

第1位はチームインパルの93勝(ホシノレーシング11勝含む)・・・ダントツです。

チームインパルは星野一義が1983年に結成したホシノレーシングが前身で、1984年にチーム初勝利を記録します。

その後も星野一義は自身のチームで勝利を積み上げ、自身のチームで25勝を上げました。

星野一義が現役を退いた後もインパルは強く、特にフォーミュラニッポン時代は3台以上のマシンをエントリーしたシーズンもあり、本山哲やブノワ・トレルイエ、ジョワ・パウロ・デ・オリベイラや松田次生により51勝を記録しています。

第2位は通算48勝のナカジマレーシング。

初勝利は中嶋悟が引退した後の1995年と遅いにも関わらず、フォーミュラニッポン時代に高木虎之介やラルフ・ファーマン、ロイック・デュバルのドライブで多くの勝利を積み上げました。

第3位は40勝の名門トムスです。

トヨタと深い結び付きがあるトムスはトヨタが日本トップフォーミュラに参戦していなかったことで、長年参戦をしていませんでしたが、トヨタがエンジン供給を開始した2006年より本格参戦(それ以前に1993年だけ参戦あり)します。

それ以降、2016年、2018年、2022年を除くすべてのシーズンで勝利を記録。スーパーフォーミュラ時代はチーム無限と並び、トップチームとして優勝記録を伸ばしています。

第4位はかつてレイナードの日本総代理店だったチームルマン、第5位は星野一義や中嶋悟が在籍した日本トップフォーミュラ黎明期からの名門であるヒーローズレーシングが続き、近年ダンディライアンとチーム無限が多くの勝利を上げ、かつての名門を追いかけます。

シャシーコンストラクター優勝回数ランキング

シャシーコンストラクター最多勝はローラ
順位マシン優勝回数初勝利最終勝利
1ローラ121勝1981年2008年
2ダラーラ93勝2014年2025年
3マーチ76勝1973年1988年
4レイナード75勝1988年2002年
5スウィフト38勝2009年2013年
6ノバ9勝1976年1978年
7童夢5勝1992年1994年
8位タイコジマ3勝1977年1978年
8位タイシェブロン3勝1976年1978年
10位タイスピリット2勝1983年1983年
10位タイブラバム2勝1973年1973年
12位タイGフォース1勝1999年1999年
12位タイサーティース1勝1974年1974年

シャシーコンストラクターの優勝回数ランキング、第1位はイギリスのローラカーズです。

ローラは日本のバブル期のシャシーコンストラクターが乱立する時代で、レイナードとの熾烈な争いを繰り広げ勝利数を伸ばしますが、1999年のマシン開発に失敗し、完全にレイナードにシェアを奪われます。

2002年にライバルレイナードが倒産すると、2003年からローラのワンメイクに。

その後ワンメイクマシンがスウィフトに切り替わる前年の2008年まで使用され、通算121勝を上げました。

イタリアのダラーラが93勝で第2位です。

2000年代に多くの量産レーシングコンストラクターが消滅する中、シェアを伸ばしたダラーラですが、日本トップフォーミュラ進出は2014年からと遅く、すべての勝利はライバル不在のワンメイクのみです。

既存の量産コンストラクターの中で、ダラーラに代わるマシンはほぼ不在なので、今後も勝利数を伸ばしていくでしょう。

第3位はイギリスのマーチエンジニアリングで、76勝を上げています。

1973年の日本トップフォーミュラ初年度から戦闘力が高く、ほとんどのチームが使用して多くの勝利を記録しました。

しかし1980年代後半から開発のリソースをF1にシフトし、1989年でF3000マシンの開発を終了しました。

第4位はイギリスのレイナードモータースポーツで、通算75勝を記録しています。

前述の通り、バブル期にローラと熾烈なシェア争いをしたレイナード。1999年に完全にローラに勝利して、ほとんどのチームがレイナードにシフトし2002年に事実上のワンメイクになるも、この年に倒産してしまいました。

第5位は2009年から2013年までワンメイクマシンに指定されたアメリカのスウィフトエンジニアリングが続き、その後は国産のノバエンジニアリング、童夢が入り、F1にもスポット参戦したコジマエンジニアリングが第8位にランクインしています。

最後に

今回は1973年から続く日本トップフォーミュラの優勝記録に注目し、ドライバー、チーム、シャシーコンストラクターの優勝回数をランキングしてみました。

同格式のレースカテゴリーとして、スーパーフォーミュラとFIA-F2が比較されます。

あちらもF2→国際F3000→GP2→FIA-F2と歴史があるわけですが、途中、シリーズが消滅した時代がありました。

一方日本トップフォーミュラは、1年も休むことなく半世紀以上続く、F1を除くと唯一無二のカテゴリー。

そんな伝統あるこのシリーズをあらためて誇りに思いました。

面倒ですがポチッとお願いします

人気ブログランキング
人気ブログランキング

関連記事

ブログをメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

181人の購読者に加わりましょう
よかったらSNSでシェアお願いします!



サーキットでの興奮をあなたに伝えたい
MOTORSPORT観戦記

サーキットは非日常を味わえる特別な空間です。そんな素晴らしいモータースポーツの世界を、ひとりでも多くの方に伝えたい・・・。そんな思いでMOTORSPORT観戦記と題し、記事に認めました。




コメントを残す

ABOUT US
大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。