スーパーGTは、日本のモータースポーツのなかで一番の人気カテゴリー。
サーキットには多くのファンが集まり、テレビでも高い視聴率を誇るため、スーパーGTマシンには多くのスポンサー企業が名を連ねます。
そこで前回のトヨタ系チームにつづき、今回は日産系GT500チームのメインスポンサーの推移を見ていきましょう。
前回のその他メーカーのスーパーGT500チームのメインスポンサー推移はこちらからどうぞ。
↓
ザックリ見出し
ハセミモータースポーツのメインスポンサー推移
年 | メインスポンサー | マシン名 |
---|---|---|
2005 | G’ZOX | G’ZOX・HASEMI・Z |
2006 | イエローハット トミカ | イエローハットYMS・トミカZ |
2007 | YellowHat モバHO! TOMICA | YellowHat YMS モバHO! TOMICA Z |
2008 | YellowHat TOMICA | YellowHat YMS TOMICA GT-R |
2009 | TOMICA EBBRO | HASEMI TOMICA EBBRO GT-R |
2009年まで日産系GT500チームとして活躍した、往年の日産エースドライバーである長谷見昌弘氏が率いたハセミモータースポーツ。
スーパーGT初年度は、カーワックスの大手メーカーであるソフト99コーポレーションのブランド『G’ZOX』が、メインスポンサーを務めました。
2006年には『G’ZOX』に代わり大手カー用品チェーンの『イエローハット』が3年にわたりメインスポンサーになり、同時にタカラトミーのミニカーブランド『トミカ』も名を連ねました。
長谷見昌弘氏といえば、このシルエットフォーミュラ時代『トミカスカイライン』が有名でしたね。
『TOMICA』はハセミモータースポーツがGT500を撤退する2009年までサポートし、この年はミニカーブランドで知られる『EBBRO』とともに両ミニカーブランドがサポートしました。
しかし最終年のスポンサーロゴは小さめで、マシン名の頭に『HASEMI』がきていることからも、スポンサーフィーは少額だったと推測します。
NDDPレーシングのメインスポンサー推移
年 | メインスポンサー | マシン名 |
---|---|---|
2018 | CRAFTSPORTS MOTUL | CRAFTSPORTS MOTUL GT-R |
2019 | CRAFTSPORTS MOTUL | CRAFTSPORTS MOTUL GT-R |
2020 | CRAFTSPORTS MOTUL | CRAFTSPORTS MOTUL GT-R |
日産は2006年にドライバー育成プログラム『NDDP』を立ち上げ、2018年から群馬県前橋市に本拠を置くGT-R専門店『CRAFTSPORTS』をメインスポンサーに据えてGT500クラスに参戦しています。
もうひとつの大口スポンサーはオイルメーカーの『MOTUL』で、同じく日産系のニスモや、ホンダ系のチーム無限とともにマシン名に名前が入ります。
チームインパルのメインスポンサー推移
年 | メインスポンサー | マシン名 |
---|---|---|
2005 | カルソニック | カルソニックインパルZ |
2006 | カルソニック | カルソニックインパルZ |
2007 | カルソニック | カルソニックインパルZ |
2008 | カルソニック | カルソニックIMPUL GT-R |
2009 | カルソニック | IMPULカルソニックGT-R |
2010 | カルソニック | カルソニックIMPUL GT-R |
2011 | カルソニック | カルソニックIMPUL GT-R |
2012 | カルソニック | カルソニックIMPUL GT-R |
2013 | カルソニック | カルソニックIMPUL GT-R |
2014 | カルソニック | カルソニックIMPUL GT-R |
2015 | カルソニック | カルソニックIMPUL GT-R |
2016 | カルソニック | カルソニックIMPUL GT-R |
2017 | カルソニック | カルソニックIMPUL GT-R |
2018 | カルソニック | カルソニックIMPUL GT-R |
2019 | カルソニック | カルソニックIMPUL GT-R |
2020 | カルソニック | カルソニックIMPUL GT-R |
チームインパルは、長年大手自動車部品メーカーの『カルソニック』がメインスポンサーを務めています。
その中で注目は2009年です。
マシン名の頭にIMPULがあることからも分かるとおり、カルソニックはスポンサーフィーを縮小し、長年『CALSONIC』のロゴがあった場所には『IMPUL』の文字が入ります。
しかし翌年以降はふたたび、以前と同様の記載になりました。
2019年、カルソニックのブランドを持つカルソニックカンセイは、マニエッティ・マレリを買収して商号がマレリになりました。
そのため2020年のチームインパルはマレリのブランドカラーの濃紺に『MARELLI』のロゴが入るのでは、と思われていましたが、スーパーGTではとりあえず『CALSONIC』ブランドを使用する運びとなりました。
しかし将来的には濃紺に『MAPELLI』のロゴが描かれたチームインパルのマシンを見ることになるのでしょうか?
ニスモのメインスポンサー推移
年 | メインスポンサー | マシン名 | メインスポンサー | マシン名 |
---|---|---|---|---|
22 | 22 | 23 | 23 | |
2005 | モチュール ピットワーク | モチュールピットワークZ | ザナヴィ | ザナヴィニスモZ |
2006 | MOTUL AUTECH | MOTUL AUTECH Z | XANAVI | XANAVI NISMO Z |
2007 | MOTUL AUTECH | MOTUL AUTECH Z | XANAVI | XANAVI NISMO Z |
2008 | MOTUL AUTECH | MOTUL AUTECH GT-R | XANAVI | XANAVI NISMO GT-R |
2009 | MOTUL AUTECH | MOTUL AUTECH GT-R | ||
2010 | MOTUL AUTECH | MOTUL AUTECH GT-R | ||
2011 | MOTUL AUTECH | MOTUL AUTECH GT-R | ||
2012 | MOTUL AUTECH | MOTUL AUTECH GT-R | ||
2013 | MOTUL AUTECH | MOTUL AUTECH GT-R | ||
2014 | MOTUL AUTECH | MOTUL AUTECH GT-R | ||
2015 | MOTUL AUTECH | MOTUL AUTECH GT-R | ||
2016 | MOTUL AUTECH | MOTUL AUTECH GT-R | ||
2017 | MOTUL AUTECH | MOTUL AUTECH GT-R | ||
2018 | MOTUL AUTECH | MOTUL AUTECH GT-R | ||
2019 | MOTUL AUTECH | MOTUL AUTECH GT-R | ||
2020 | MOTUL AUTECH | MOTUL AUTECH GT-R |
自動車メーカー日産の100%子会社であるニスモは、スーパーGT発足時2台体制で参戦していました。
その2005年、22号車のメインスポンサーはオイルメーカーの『MOTUL』と、日産純正部品のブランド『PIT WORK』、エースの23号車(前年チャンピオンのためカーナンバー1を付けた)は日立系の車載機器メーカー『XANAVI』が付いていました。
22号車は2006年に『PIT WORK』から日産の特別仕様車のブランド『AUTECH』に変更します。
Mさん提供
23号車をサポートする『XANAVI』はクラリオンに吸収合併し解散したことから2008年を最後にスポンサーを撤退し、2009年からニスモは23号車(前年チャンピオンのためカーナンバー1)の1台体制になり、メインスポンサーは『MOTUL』と『AUTRCH』が付きます。
2018年スーパーGT第2戦にて
その後現在に至るまで両ブランドのロゴがニスモのマシンに描かれています。
KONDOレーシングのメインスポンサー推移
年 | メインスポンサー | マシン名 |
---|---|---|
2006 | WOODONE ADVAN | WOODONE ADVAN KONDO Z |
2007 | WOODONE ADVAN Clarion | WOODONE ADVAN Clarion Z |
2008 | WOODONE ADVAN Clarion | WOODONE ADVAN Clarion GT-R |
2009 | HIS ADVAN | HIS ADVAN KONDO GT-R |
2010 | HIS ADVAN | HIS ADVAN KONDO GT-R |
2011 | ADVAN | ADVAN KONDO GT-R |
2012 | D’Station ADVAN | D’Station ADVAN GT-R |
2013 | D’Station ADVAN | D’Station ADVAN GT-R |
2014 | D’Station ADVAN | D’Station ADVAN GT-R |
2015 | D’Station ADVAN | D’Station ADVAN GT-R |
2016 | フォーラムエンジニアリング ADVAN | フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R |
2017 | フォーラムエンジニアリング ADVAN | フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R |
2018 | フォーラムエンジニアリング ADVAN | フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R |
2019 | リアライズコーポレーション ADVAN | リアライズコーポレーションADVAN GT-R |
2020 | リアライズコーポレーション ADVAN | リアライズコーポレーションADVAN GT-R |
マッチこと近藤真彦氏が代表を務めるKONDOレーシングは2006年のスーパーGT GT500クラス参戦以来、さまざまな企業やブランドと手を組み参戦してきました。
Mさん提供
2006年から3年間は広島県の建築メーカー『WOODONE』と、その後現在に至るまでタッグを組むことになるヨコハマタイヤのブランド『ADVAN』と契約します。
Mさん提供
2007年には車載音響機器メーカーの『Clarion』が2年間マシン名に名を連ねます。。
Mさん提供
2015年スーパーGT第5戦にて
2009年には旅行代理店の『HIS』と2年間契約し、2012年からの4年間はパチンコチェーン『D’Station』のロゴが入ります。
2018年スーパーGT第5戦にて
2016年からの3年間は人材派遣などを手掛ける『フォーラムエンジニアリング』と3年間契約し、2019年からは自動車販売やリースを行う『リアライズコーポレーション』とタッグを組みます。
2019年スーパーGT第5戦にて
芸能人近藤真彦という超ビッグネームのチームだけに、他チームと比べると多方面でメディアに露出することが多く、そのためモータースポーツのスポンサーとして新規参入する企業やブランドが多く見られるのが特徴です。
モーラのメインスポンサー推移
年 | メインスポンサー | マシン名 |
---|---|---|
2011 | S Road | S Road MOLA GT-R |
2012 | S Road REITO | S Road REITO MOLA GT-R |
2013 | REITO | REITO MOLA GT-R |
2014 | S Road | S Road MOLA GT-R |
2015 | S Road | S Road MOLA GT-R |
2016 | S Road CRAFTSPORTS | S Road CRAFTSPORTS GT-R |
2017 | S Road CRAFTSPORTS | S Road CRAFTSPORTS GT-R |
2011年から2017年までスーパーGT GT500クラスに参戦し、2度のチャンピオンを獲得したモーラ。
モーラといえば『S Road』という印象が強いのですが、どんな会社か意外に知られていないようですが、実は水産物の輸入販売を行う会社で、ロシアよりシャケの加工食品を輸入し販売しています。
Mさん提供
モーラがGT300クラスに参戦していた2009年に『S Road』がスポンサーになり、GT500クラスに上がった2011年もひきつづきメインスポンサーを務めます。
Mさん提供
2012年には『S Road』に加え、パチンコチェーン『REITO』も名を連ね2年間チームをサポートします。
2017年スーパーGT第2戦にて
『S Road』は2013年に一時期メインスポンサーを降りますが、翌2014年に復帰して撤退した2017年までメインスポンサーを務め、最後の2年はGT-R専門店である『CRAFTSPORTS』もモーラをサポートしました。
まとめ
※表は左右にスライドします
年 | ハセミ | NDDP | インパル | ニスモ | ニスモ | KONDO | モーラ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
3 | 3 | 12 | 22 | 23 | 24 | 46 | |
2005 | G’ZOX | カルソニック | モチュール ピットワーク | ザナヴィ | |||
2006 | イエローハット トミカ | カルソニック | MOTUL | XANAVI | WOODONE ADVAN | ||
2007 | YellowHat モバHO! TOMICA | カルソニック | MOTUL AUTECH | XANAVI | WOODONE ADVAN Clarion | ||
2008 | YellowHat TOMICA | カルソニック | MOTUL AUTECH | XANAVI | WOODONE ADVAN Clarion | ||
2009 | TOMICA EBBRO | カルソニック | MOTUL AUTECH | HIS ADVAN | |||
2010 | カルソニック | MOTUL AUTECH | HIS ADVAN | ||||
2011 | カルソニック | MOTUL AUTECH | ADVAN | S Road | |||
2012 | カルソニック | MOTUL AUTECH | D’Station ADVAN | S Road REITO | |||
2013 | カルソニック | MOTUL AUTECH | D’Station ADVAN | REITO | |||
2014 | カルソニック | MOTUL AUTECH | D’Station ADVAN | S Road | |||
2015 | カルソニック | MOTUL AUTECH | D’Station ADVAN | S Road | |||
2016 | カルソニック | MOTUL AUTECH | フォーラムエンジニアリング ADVAN | S Road CRAFTSPORTS | |||
2017 | カルソニック | MOTUL AUTECH | フォーラムエンジニアリング ADVAN | S Road CRAFTSPORTS | |||
2018 | CRAFTSPORTS MOTUL | カルソニック | MOTUL AUTECH | フォーラムエンジニアリング ADVAN | |||
2019 | CRAFTSPORTS MOTUL | カルソニック | MOTUL AUTECH | リアライズコーポレーション ADVAN | |||
2020 | CRAFTSPORTS MOTUL | カルソニック | MOTUL AUTECH | リアライズコーポレーション ADVAN |
ハセミモータースポーツは、カー用品販売チェーンの『YellowHat』やミニカーブランドの『TOMICA』や『EBBRO』がチームを支えました。
ハセミモータースポーツからカーナンバー3を引き継いだNDDPレーシングは、『CRAFTSPORTS』と『MOTUL』がサポートします。
チームインパルは長年『カルソニック』とともにありましたが、親会社のマレリ買収により今後の動向が気になるところです。
ニスモは『MOTUL』と『AUTECH』の継続サポートがつづき、モーラは『S Road』とともにありました。
異色なのはKONDOレーシングで、本文でも書いたとおり近藤真彦代表のブランドからさまざまな企業をスーパーGTに参入させました。
以上、今回はスーパーGT日産系GT500チームのメインスポンサーの推移を見ていきました。
最後までご覧いただきありがとうございました。