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トヨタ・日産・ホンダの歴代スーパーGT GT500マシン一覧

ホンダのスーパーGT GT500マシン

最後はホンダのスーパーGT GT500マシンを振り返ってみます。

NSX-GT NA型(2005-2009)

チームクニミツのNSX-GT2005年仕様
写真提供:Mさん
マシン参戦期間エンジン
NSX-GT
(NA型)
2005-2009C32B 3,000cc V6ターボ(2005)
C32B 3,500cc V6 NA (2005-2008)
C32B 3,400cc V6 NA (2009)

1996年から全日本GT選手権に参戦した初代NSXは、スーパーGTに名称を変更した2005年もホンダ勢のベースマシンとして使用されます。

その2005年には市販車のNSXが生産終了をしたが、ホンダの市販車ラインナップにNSXの代わりになり得る車両がなかったため、その後もスーパーGTマシンのベース車両として使用されます。

結局2009年の終了まで使用され、全日本GT選手権時代から数えると実に14年間という長きにわたりGTに参戦しつづけたマシンでした。

初代NSXが参戦していた頃のスーパーGTのエンジン規定は、同一メーカーならばベースマシンと異なるエンジンの使用が可能でしたが、スーパーGTのNSX-GTは過給機の有無や排気量の違いがあれど、市販車のC32Bを使いつづけていたのもこだわりのポイントだと私は思います。

HSV-010 GT(2010-2013)

リアルレーシングのHSV-010GT 2012年仕様
2012年JAF GPにて
マシン参戦期間エンジン
HSV-010 GT2010-2013HR10EG 3,400cc V8 NA

ホンダはNSXを2005年の市販車生産終了以降もスーパーGTのベースマシンとして長く使ってきましたが、2010年からHSV-010をスーパーGTマシンとして使用します。

このHSV-010はホンダがNSXの後継車両として開発し2010年の発売を目指していたスポーツカーでしたが、リーマンショックなどの影響から試作のみで量産には至らなかった車両でした。

本来自動車メーカーは市販車のプロモーションをすることを考えますが、市販されていない車両をベースマシンとして据えるのは非常にめずらしいことです。

NSXを生産終了後も長く使ったり市販されない車両をベースマシンに据えたのは、ホンダが当時高価格帯のスポーツカーを市販していなかったことが原因です。

ちなみにHSV-010は、Honda Sports Velocityの頭文字です。

NSX CONCEPT-GT(2014-2016)

ARTAのNSX CONSEPT-GT 2016年仕様
2016年スーパーGT第5戦にて
マシン参戦期間エンジン
NSX CONCEPT-GT2014-2016HR-414E 2,000cc 直4 直噴ターボ

クラス1規定がはじまる2014年に登場したのがNSX CONCEPT-GT。

この車両は、すでに発表されていたNC型NSXのコンセプトモデルをベースにしたマシンでした。

本来クラス1規定はフロントエンジンリヤドライブのいわゆるFRに限定されているのですが、最低車両重量を重くすることでミッドシップレイアウトとして参戦を許された特認車両。

また、2014年と2015年はザイテックが開発したハイブリッドシステムも搭載した、ホンダらしい意欲的なマシンでした。

NSX-GT NC型(2017-)

FR化されたチームクニミツのNSX-GT
2020年スーパーGT最終戦にて
マシン参戦期間エンジン
NSX-GT
NC型
2017-HR-417E 2,000cc 直4 直噴ターボ(2014-2019)
HR-420E 2,000cc 直4 直噴ターボ(2020-)

2017年2月のNC型NSX発売に合わせ、クラス1規定が新しくなる2017年にマシン名からCONCEPTが取れてNSX-GTになりました。

しかしミッドシップでのハンディ29kgが大きく、2017年シーズン当初は苦戦を強いられており、スーパーGTの運営を司るGTAは第3戦からミッドシップハンディを14kgに軽減。

するとその効果もあり、レクサス勢や日産勢と互角に勝負できるようになり、2018年にはシーズン4勝をあげ、2010年以来のチャンピオンに輝きます。

2014年に導入したクラス1規定は3年ごとに刷新され、2020年からは『搭載されるエンジンは、車室より前部に配置されなければならない』と記されており、事実上ミッドシップレイアウトの特認が受けられないことになりました。

そのためNSX-GTの2020年モデルは見た目こそ前年のマシンと大きな違いはないのですが、中身を大きく変更したFRレイアウトのマシンとなり、ベースマシンの変更以上の大掛かりな変革を行ないます。

そのFRレイアウトのNSX-GTは2020年の最終戦で大逆転勝利を上げ、デビューシーズンでタイトルを獲得しました。

Type S仕様に変更されたARTAのNSX-GT
2022年スーパーGT富士公式テストにて

2021年に市販車のNSXがType Sという限定車が発売され、スーパーGTマシンもそれに合わせて2022年シーズンよりType S仕様のエクステリアに変更しています。

シビックタイプR-GT(2024-)

マシン参戦期間エンジン
シビック タイプR-GT2024-未定
2023年ジャパンモビリティショーにて

ホンダは2023年1月に行われる東京オートサロンで、2024年のスーパーGT GT500クラスに参戦を予定する新型車両を発表しました。そのマシンとはシビックタイプR-GT。

シビックといえば軽量コンパクトな車両だったが、代を重ねるごとに立派な車格に変貌しています。

ただそれでもライバルのトヨタGRスープラや日産Zに比べるとかなりコンパクトでドア数も5枚。

そんなシビックタイプRをどのようにGTマシンに仕立てるのか。ホンダの挑戦が楽しみですね。

まとめ

今回はトヨタ・日産・ホンダのスーパーGT GT500マシンを紹介してみましたが、まとめてみると以下の通りです。

トヨタ
(レクサス)
日産ホンダ
2005スープラフェアレディZNSX-GT
2006スープラ
SC430
フェアレディZNSX-GT
2007SC430フェアレディZNSX-GT
2008SC430GT-RNSX-GT
2009SC430GT-RNSX-GT
2010SC430GT-RHSV-010 GT
2011SC430GT-RHSV-010 GT
2012SC430GT-RHSV-010 GT
2013SC430GT-RHSV-010 GT
2014RC F GT500GT-R NISMO GT500NSX CONCEPT-GT
2015RC F GT500GT-R NISMO GT500NSX CONCEPT-GT
2016RC F GT500GT-R NISMO GT500NSX CONCEPT-GT
2017LC500GT-R NISMO GT500NSX-GT
2018LC500GT-R NISMO GT500NSX-GT
2019LC500GT-R NISMO GT500NSX-GT
2020GRスープラGT-R NISMO GT500NSX-GT(FR)
2021GRスープラGT-R NISMO GT500NSX-GT(FR)
2022GRスープラZ GT500NSX-GT(FR)
2023GRスープラZ GT500NSX-GT(FR)
2024GRスープラZ NISMO GT500シビックタイプR-GT

日産は新旧の(フェアレディ)ZとR35型GT-R、ホンダは新旧のNSXとHSV-010とシビック、トヨタは新旧スープラ、SC430、RC F、LC500で参戦してきました。

さあ、新たなマシンをデビューさせるのはどこのメーカーなのか?

日産とホンダは2024年に新たなマシンをデビューさせたので、数年のうちに新マシンをデビューさせることはないでしょう。

となると、トヨタは?

近年はGRスープラのプロモーションが中心でしたが、もう次のマシンに切り替えてもいいでしょう。

2023年に発表したコンセプトモデル、FT-se。あれカッコいいですよね?

モータースポーツに理解のある・・・いやモータースポーツが大好きな豊田章男会長ならば、次の一手を考えているはず。

いろんな想像を膨らませながら、新たなマシンの登場に期待することにしよう。

以上、最後までご覧いただきありがとうござました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。