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全国で6箇所だけ! 日本のFIA公認サーキット紹介

スポーツランドSUGO

開業1975年
収容人数50,000人
主要イベントスーパーGT・スーパーフォーミュラ他
全長3,737m

スポーツランドSUGOは、宮城県にあるサーキットで、ヤマハの関連会社が所有しています。

近年まで同じ宮城県にスーパーGTの前身である全日本GT選手権なども開催された仙台ハイランドレースウェイというサーキットがありましたが現在は閉鎖され、スポーツランドSUGOは東北で唯一のFIA公認サーキットです。
※仙台ハイランドレースウェイはFIA公認ではなかったかも

SUGO名物ホームストレートの10%勾配

最終コーナーからホームストレートの途中まで10%という強烈な上り坂が特徴。

私も2019年8月に初めて訪れ真っ先に最終コーナーの急勾配区間からホームストレートを眺めましたが、ストレートの半分から先がまったく見えず、この急勾配に度肝を抜かれました。

元々はヤマハのオートバイ用テストコースだったためか、それとも丘陵地を切り開いて造ったからか、コース幅が狭く、そのため追い抜きが難しく、ランオフエリアも非常に狭いのも特徴です。

SUGOには魔物が棲むと言われ、大波乱や大きな事故が発生することも多く、変わったコース特性とも合間って毎回カレンダーの中でも個人的にもっとも楽しみな一戦です。

岡山国際サーキット

開業1990年
収容人数   –
主要イベントスーパーGT・スーパーフォーミュラ他
全長3,703m

岡山国際サーキットは、第二次F1ブームとバブル景気を背景に1990年にTIサーキット英田としてオープンしたサーキットです。

四十代以上のモータースポーツファンならば覚えている方も多くいると思いますが、TIサーキット英田はF1パシフィックGPを1994年と1995年の2度開催した実績があります。

1994年のレースでは次戦サンマリノで亡くなったアイルトン・セナが最後に日本で戦ったレースになりました。

しかし1995年のレースは阪神・淡路大震災の影響で4月から10月開催に急遽変更。結果、鈴鹿サーキットで行われる日本GPの前週の開催になり、その影響から観客動員が思いの外伸びず翌年以降はF1カレンダーから外れてしまいました。

その後、親会社が民事再生法の適用を申請し、TIサーキット英田も会社更生法の適用を申請。親会社が何度か変わり、名前も岡山国際サーキットに変更するなど紆余曲折があり、現在は自動車部品メーカーアスカの資本になっています。

近年ではスーパーGTやスーパーフォーミュラなどの大規模イベントが再び開催されるようになり、開業から知っている私としてもこの復活は大変嬉しく思います。

ちなみに旧サーキット名であるTIサーキット英田の『TI』とは、親会社タナカインターナショナルのイニシャル『Tanaka International』から取ったもの。

オートポリス

開業1990年
収容人数   –
主要イベントスーパーGT・スーパーフォーミュラ他
全長4,674m

最後に紹介するのが大分県にあるオートポリス。

オートポリスは、オートバイメーカーの川崎重工が所有し、九州では唯一となるFIA公認サーキットです。

岡山国際サーキットの前身TIサーキット英田と同じく、バブル景気やF1ブーム真っ只中の1990年に開業しました。

開業時はさまざまな雑誌で取り上げられ、F1レース開催を目指し当時のF1トップチームの一角であったベネトンチームの大規模スポンサーをつとめており、マシンに大きく『AUTOPOLIS』のロゴが入れられていたのを私もよく覚えています。

1990年ベネトンB190のミニカー
サイドポンツーンやリヤウイング翼端板などにAUTOPOLISのスポンサーロゴが確認できる

念願叶って1993年F1第3戦にアジアグランプリとしてF1の開催を取り付けましたが・・・バブル崩壊とともに倒産し、もちろんF1開催もキャンセルすることになりました。

その後は、第三セクターにより細々と走行会やアマチュアレースを開催。

転機は2005年。オートバイメーカーの川崎重工がオートポリスを買収し、ふたたびスーパーGTやスーパーフォーミュラなどの国内主要レースが開催されるまでに復活しました。

最終コーナーを取り囲むようにしてそびえ立つ2万人収容のスタンドが印象的なオートポリスですが、F1が開催されていればあの巨大な最終コーナースタンドに超満員のF1ファンが訪れていただろうと思うと、開催断念が残念でなりません。

最後に

今回は日本のFIA公認サーキットを6つ紹介てみました。

最後の2つのサーキットはバブル景気とF1ブームとともにオープンし、バブル崩壊とF1ブーム終焉とともに倒産という憂き目に遭ってしまいましたが、それでもなんとか生き残ってくれたことを嬉しく思います。

現在は今回紹介したすべてのサーキットが自動車メーカーや自動車部品メーカーの傘下になり、安定した経営がある程度約束されおり、今後も日本のモータースポーツ文化の創造を担ってくれるのではないかと期待しています。

腹をつんざくような凄まじい爆音と、焼けるオイルや擦れるタイヤの匂い・・・ サーキットでの観戦はテレビで見るモータースポーツとはまったく違う、非日常を味わえる素晴らしい場所。

まだサーキット観戦の経験がない方、ぜひ一度サーキットへ足を運んでみてください!きっとモータースポーツがもっと好きになりますよ!

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3件のコメント

Vdapさん、コメントありがとうございます。

Vdapさんが仰るとおり、十勝スピードウェイはFIA公認サーキットですよね。

ただし今回は冒頭で『現在F1・スーパーGT・スーパーフォーミュラを開催している日本のサーキットのなかで』と、断りを入れさせていただきましたので、十勝スピードウェイは除外させて頂きました。

本来であれば、十勝スピードウェイも入れるべきだったかもしれませんね!

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ABOUT US
大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。