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トヨタ・レクサスの歴代JGTC/スーパーGT GT500マシン・搭載エンジン一覧(1996-2025)

トヨタは1994年の全日本GT選手権初年度から参戦している自動車メーカー。三十余年に渡り、最上位のGT500クラスで日産やホンダと激しい戦いを繰り広げてきました。

そんなトヨタのマシンはA80型スープラから始まり、レクサスブランドのマシンをベースにした時代もありました。

ということで、今回はトヨタ/レクサスのGT500マシンの歴史を、搭載エンジンとともに振り返ってみたいと思います。

A80型 スープラ(トヨタ)

トムス(1995年)
写真提供:Mさん
DATA
  • 参戦年:1994年-2006年
  • エンジン仕様:2.1L 直4 ターボ 3S-GTE改(1994年) / 3.0L 直6 ターボ 2JZ-GTE(1994年) / 2.0L 直4 ターボ 3S-GTE(1995年-2002年) / 5.2L V8 NA 3UZ-FE(2003年) / 4.5L V8 NA 3UZ-FE(2004年-2006年)

トヨタの車両が全日本GT選手権に参戦を開始したのがシリーズ開始初年度の1994年。現在もトヨタ系チームとして参戦しているサードと、レーシングシートなどの自動車部品を手がけるブリッツがA80型スープラでエントリーしています。

その後トムスやセルモなど他のトヨタ系チームもスープラで参戦を開始。

トヨタはスープラ以外車格の高いスポーツカーがラインナップになかったこともあり、全日本GT選手権時代はスープラ以外トヨタ車のGT500参戦はありませんでした。

2006年に後継のSC430がトヨタ系チームにデリバリーされますが、一部チームはこの年もA80型スープラを使用し、翌2007年にすべてのトヨタ系チームがSC430にスイッチ。A80型スープラは2006年限りで退役するのでした。

エンジンは参戦初年度に市販車のスープラと同様の3.0L 直列6気筒ターボの2JZ-GTEをベースにしたものを搭載された個体がありましたが、その他はセリカやMR2に搭載されていた2.0L 直列4気筒ターボの3S-GTEをベースにしたエンジンが搭載されていました(1994年のみ2.1Lに排気量アップ)。

2003年にはターボからNAに変更。市販車のセルシオやレクサスSCなどに搭載されていた3UZ-FEを5.2Lに排気量を上げて搭載し、2004年に4.5Lに変更しています。

UZZ40型 SC430(レクサス)

クラフト(2012年)
DATA
  • 参戦年:2006年-2013年
  • エンジン仕様:4.5L V8 NA 3UZ-FE(2006年-2009年) / 3.4L V8 NA RV8KG(2009年-2013年)

トヨタはスープラに代わるGT500マシンとしてレクサスSC430を開発し、2006年にデビューします。

デビュー年はトヨタ系6チームの内4台しかマシンを供給することができませんでしたが、翌2007年にすべてのチームに配備されました。

尚、それまでのトヨタチーム〇〇という各チームのエントリー名は、2007年からレクサスチーム〇〇に改められています。

SC430のエンジンは市販車と同じく3UZ-FE(4.5L V型8気筒 NA)。前マシンのA80型スープラから引き継がれたエンジンですが、市販のスープラは別型式のエンジンが搭載されていたため、SC430で初めて元の鞘に収まることになりました。

その後、2009年にフォーミュラニッポンのRV8Kを一部変更したRV8KGに載せ替えられました。

そんなSC430は2013年まで8年間スーパーGTに参戦したのでした。

USC10型 RC F(レクサス)

サード(2016年)
DATA
  • 参戦年:2014年-2016年
  • エンジン仕様:2.0L 直4 直噴ターボ Rl4AG

2014年にスーパーGTはDTMと車両規定を統一したクラス1規定を導入し、そのタイミングでレクサスRC FをベースにしたRC F GT500を導入します。

エンジンは規定によりスーパーフォーミュラマシンに搭載される2.0L 直列4気筒 直噴ターボのRl4AGに変更。

2シーターのSC430から4シーターのRC Fになり、キャビンが大きくなりましたが、同じ車格のライバル日産GT-Rと熾烈な争いを繰り広げました。

RC FのGT500の戦いは2016年までの3年間という短い期間で終了し、レクサスのフラッグシップに引き継がれることになります。

URZ100型 LC500(レクサス)

チームルマン(2019年)
DATA
  • 参戦年:2017年-2019年
  • エンジン仕様:2.0L 直4 直噴ターボ Rl4AG

トヨタはレクサスブランドのフラッグシップクーペとしてLC500を2017年3月に発売(市販車)。スーパーGT GT500クラスに参戦する車両も、2017年規定が始まるこのタイミングでベースマシンをLC500に変更します。

高級ブランドレクサスのラグジュアリークーペがベースだけあり、このGT500マシンのフォルムも非常に美しいものでした。

エンジンはRC Fから引き続き2.0L 直列4気筒 直噴ターボのRl4AGを搭載。

そんなLC500の戦闘力は凄まじく、デビュー戦では1位から6位を独占する歴史的完勝を達成し、デビュー年度にチャンピオンを獲得します。

結局退役する2019年までの3年間で、勝率、総獲得ポイント数ともに3メーカートップの最強マシンとして、その役割を終えるのでした。

DB型 GRスープラ(トヨタ)

レーシングプロジェクトバンドウ(2025年)
DATA
  • 参戦年:2020年-
  • エンジン仕様:2.0L 直4 直噴ターボ Rl4AG(2020年-2023年) / 2.0L 直4 直噴ターボ Rl4BG(2024年-)

2019年にトヨタがDB型GRスープラの市販車を発売し、2020年シーズンよりスーパーGTのベースマシンをGRスープラに変更。スープラとしては2006年以来の復活となりました。

尚、このタイミングでトヨタ系(旧レクサス系)チームのエントラント名がレクサスチーム〇〇から、TGRチーム〇〇に改められます。

6年間続いた4シーターをベースにしたマシンから2シーターのGRスープラをベースにしたマシンになったことから、空力面での優位性が増し、よりレーシングマシンらしいフォルムになりました。

しかし規定に縛られたGT500マシンのため、市販車のロングノーズショートデッキという独特のスタイルはややスポイルされた感があります。

エンジンはRC F、LC500から3代続けて2.0L 直列4気筒 直噴ターボのRl4AGを搭載し、2024年から改良型のRl4BGになりました。

まとめ

今回はトヨタとレクサスのGT500マシンと搭載エンジンを紹介しましたが、まとめると以下の通りになります。

マシン搭載エンジン参戦年
A80型 スープラ3S-GTE改
2JZ-GTE
3S-GTE
3UZ-FE
1994-2006
UZZ40型 SC4303UZ-FE
RV8KG
2006-2013
USC10型 RC FRl4AG2014-2016
URZ100型 LC500Rl4AG2017-2019
DB型 GRスープラRl4AG
Rl4BG
2020-

長くA80型スープラで参戦した後はレクサス系のマシンがベースになり、クラス1規定が導入されてからはマシンを3年ずつ変更。

そして2020年にトヨタのGRスープラを導入して2025年シーズンで6年目になり、市販車のGRスープラは2025年で販売を終了することが発表されています。

そろそろ新型マシンが登場する頃でしょう。

次期GT500ベースマシンは次のGRスープラか? それとも??

トヨタの新たなマシンの発表が楽しみでなりません。

以上、最後までご覧いただきましてありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。