4度のF1世界王者であるセバスチャン・ベッテルは、F1にデビューしたての若かりし頃、当時すでに7度の世界王者だった同郷のミハエル・シューマッハを慕い、弟のようにアドバイスを受けていたことを思い出す。
そんなベッテルは最近、ミハエルの息子で2021年ハースからF1デビューするミック・シューマッハに対し以下のようなコメントを残している。
「僕はミハエルのファンだ」とベッテルは語った。「僕にできることなら手助けをするよ。ミックは素晴らしい青年だし、僕は彼のお父さんとはすごく特別な絆があるんだ」
「彼のことはとても気に入っているし、僕たちはとてもうまくやっている。自分が知っていることのすべてを喜んで彼に伝えるよ」
– 中略 –
「僕がミハエルに何かを尋ねたとき、彼が言ったことが助けになったように、同じことを彼に対してできたらと思っているんだ」
引用:auto sport Web
ベッテルはミハエルが1度目のF1引退を決めた翌年にF1にデビューし、同郷のミハエルからF1についてさまざまなことを教えてもらったと言われている。
そしてミハエルがF1に復帰した2010年、ベッテルはトップドライバーのひとりとして、F1チャンピオンをかけて熾烈な争いをしていたときも、ミハエルを慕い彼から多くの助言をもらっており、それが功を奏したのかその年から4年連続のチャンピオンに輝く。
多くのF1ドライバーはF1で大きな実績をあげると、自身が過去ナンバー1のドライバーだと言わんばかりに人が変わり我が物顔になるものだが、ベッテルは変わることなく、F1に復帰し年齢から過去の速さが無くなり勝てなくなったミハエルに対しても、尊敬の念はまったく消えず、彼を慕い続けた。
そんなベッテルの今回の発言、
「僕はミハエルのファンだ」
カッコよすぎないか?
私の好きなF1ジャーナリストの米家峰起氏は、ベッテルの性格について、
「普段の彼は本当に人懐っこく、我々ジャーナリストに対してもいつも丁寧に接してくれるとってもいいヤツなんだ」
と、以前Youtubeチャンネルで語っていたのを思い出す。
F1ドライバーとしてはめずらしいほどの人間味のある彼は、多くの人に愛される本当にいいヤツだという。
それは日本のF1ファンも承知しており、2019年のF1日本グランプリで彼がひさびさにポールポジションを決めた時、鈴鹿は大喝采だった。
そして最後に語ったベッテルのこの言葉、
「僕がミハエルに何かを尋ねたとき、彼が言ったことが助けになったように、同じことを彼に対してできたらと思っているんだ」
過去の助けをいつまでも忘れない、大和魂のようなこんな気持ちをいつまでも持ち続けるF1ドライバーが過去にいただろうか。
闘病中のミハエルも、このベッテルの心意気を心の底から喜んでくれるであろう・・・。
そんなベッテルを心の底から応援したいと思ったエピソードだった。
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