今回は2023年9月に行われたWEC富士の観戦記の第3弾。最初からご覧になりたい方は、下のバナーからどうぞ。
レーススタートはグランドスタンドから
WEC富士は6時間の長丁場ということで、富士スピードウェイの様々な場所でレースを観戦撮影するのが私のWEC観戦のいつものスタイル。まずスタートはグランドスタンドから観戦します。
ル・マン24時間でもお馴染みの『2001年宇宙の旅』のテーマとともに2周のフォーメーションラップを行います。
そしてホームストレートで一気に車間距離を詰めて、コントロールラインを直前にフル加速。レーススタートです。
ハイパーカー、LMP2、LMGTE-AMクラスの3つの集団が、団子状態で1コーナーに突入。
昨年は4台のエントリーしかなかったハイパーカークラスですが、今年はフェラーリやポルシェ、キャデラックなども加わり、12台のマシンがフル加速する様は実に迫力がありますね。
ただ期待のトヨタはスタート直後の1コーナーでインをこじ開けたポルシェ6号車に押し出され、順位を大きく下げてしまいます。
トヨタのライバルメーカーで働く私ですが、この時ばかりは日本代表のトヨタを応援。なのでこの後退にはガッカリですが、最速トヨタが後方から追い上げる展開は面白くなりそうです。
そんな2台の最速マシントヨタGR010ハイブリッドですが、序盤はフェラーリを抜けずに苦戦。いや、長いレースなので慎重にレースを進めているのでしょう。
それでもフェラーリをオーバーテイクするトヨタ。ここから反撃開始です。
さてさて、スタート後の混乱もある程度落ち着いてきたので、ここからはじっくりハイパーカーマシンを撮影していこう。まあ、グランドスタンドはあまり撮影には向いてないんだけどね。
だけどピットウォールのスポンサーロゴやグリッドマークを思いっきり流せば絵になります。
当然300km/hのマシンをシャッタースピードを下げて撮影するのは簡単ではないのですが、頑張って撮ってみます。
こちらはトップを快走するポルシェペンスキー6号車。LMDh規定で製造されたポルシェ963です。
前半から中盤の主役はこのマシン。この後2台のトヨタがこのマシンを猛追することになります。
ポルシェペンスキーのもう1台(5号車)は、スタート直後に接触事故を起こして緊急ピットイン。その後、最後尾から下位クラスをかき分けてハイパーカークラスの集団を追いかけます。
ポルシェペンスキーの2台はいわゆるポルシェワークスですが、名車956や962のように963もプライベーターへ供給します。
その1台がこのジョタ。
ゴールドに塗られた車体がカッコいい。
そしてもう1台のプライベーター963がプロトンコンペティション(写真奥側)です。
そしてこの真っ赤なマシンがフェラーリ499P。トヨタと同じLMH規定のマシンです。
今シーズン半世紀ぶりにル・マン24時間に復帰したフェラーリは、復帰初年度ながらもレースを制し、WECが世界中に注目された話題のマシンです。
ただ富士スピードウェイとの相性はあまり良くなく、今回は苦戦を強いられていました。
白地に赤と黒のガズーカラーがお馴染みトヨタGR010ハイブリッド。
ル・マン24時間では不可解なBoPもありフェラーリに及ばなかったトヨタですが、ここまで5戦4勝と圧倒的な強さを見せています。
さらに富士スピードウェイでも9戦8勝。
現在はポルシェ6号車に水をあけられていますが、現在ペースを上げて猛追をしています。
ポルシェ陣営とフェラーリ、そしてトヨタのマシンを紹介しましたが、残りのハイパーカーマシンについては後から紹介します。
ちょっと一服
レースも1時間以上が経過し、各マシン1度目のピットストップを敢行中。
時刻も12時を過ぎたので、ちょっとランチを。レース中に気軽にランチに出かけられるのも耐久レースの魅力です。
みなさんも考えていることは同じ。グランドスタンドでスタートを見守った後にお気に入りの各コーナーに向かう方バス待ちのファンや、ランチ待ちをするファンで、この時間になるとグランドスタンド裏もまた賑わいます。
メインブースではJ SPORTSを生放送中。
すぐ隣のグランドスタンドで観ればいいじゃん、と思ってしまいますが、レース展開を忠実に見たい方でしょうか。まあ、確かにジャーナリストさんたちもパドック内の部屋でモニターを見ていますからね。
私はというと、生ビールを片手にカレー弁当をいただきます。
冷たいビールを飲みながらのWEC観戦は人生の中でもっとも至福の時。
撮影の名所GRスープラコーナーへ
ビールでさらにハイテンションになり、ここからはグランドスタンドを離れて富士の撮影の名所であるGRスープラコーナーへ向かいます。
いつもは電動アシスト自転車で移動しますが今回は徒歩。あらカート貸し出してるの??いいなあ。。。
富士山も頭を見せてくれました。WEC富士といえば例年雨でしたが、今回は晴れてくれてよかった。
GRスープラコーナーに到着。今年はこの場所もかなりファンがいますね。
このポイントでの私のお気に入りは、最終パナソニックコーナー側の看板前での流し撮り。では撮っていくことにしましょう。
こちらは昨年リヤウイングレスで注目されたプジョーの9X8(LMH)。
昨年はソリッドグレーの斬新なカラーリングも話題を呼びましたが、ル・マン24時間から採用したカラーでの参戦です。
流し撮りに向いているGRスープラコーナー。調子に乗ってシャッタースピード1/5の超スローシャッターで挑みましたが、さすがにブレました・・・。
プジョー9X8はフロント周りも独特。速さよりもデザインを重視したの??
今年から参戦するキャデラックのLMDhマシン。
ル・マン24時間ではIMSAに参戦するマシンも集結して3台体制でしたが、富士ではブルーのマシンのみ。
直線的なデザインに縦目のヘッドライト。しっかりキャデラックしています。
こちらはLMH規定で製造されたヴァンウォールヴァンダーヴェル680。
F1で初のコンストラクターズチャンピオンを獲得したヴァンウォールの名を冠していますが、実態は長年WECに参戦しているバイコレスらしいです。
各チームでラインが違うGRスープラコーナー
各マシンのGRコーナーのラインを見ていると結構違う。マシンやドライバーごとではなく、チーム毎に違うんです。
フェラーリの2台は縁石の奥のグリーンゾーンを通過し、時にはパイロンに当たるほど攻めています。
プジョーもフェラーリには及ばないまでも、赤白ゼブラゾーンを越えています。
ポルシェペンスキーとキャデラックのアメリカ勢は赤白縁石までで、グリーンゾーンまでは到達しない。
そしてトヨタはというと、ほとんど縁石を使わない。
もちろん各マシンバックマーカーの処理などでラップ毎に多少のブレはありますが、チームによってラインが違うことに驚きました。
トヨタを除くチームは富士スピードウェイを走る機会が少なく、チームが所有するレーシングシミュレーションで練習をしてきていると思いますが、各チームでベストだと思っているラインが違うのは面白い発見でした。
はい、今宮純さん秘伝!定点観測コーナーでした。
その後はGRスープラコーナーをバックショットで撮影しながら、ダンロップコーナーに向かうのですが、今回はここまで。
興味のある方は次回もお付き合いくださいね。
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