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スーパーGTに参戦するGRスープラは3種類!3台の見た目の違いは?市販車再現度No.1は?

GRスープラといえば、現在トヨタが発売するスポーツカーモデルの最上位車種として知られている。

そんなトヨタのイメージリーダー的存在のGRスープラは、日本が誇るモータースポーツの最高峰、スーパーGTのも参戦している。

ただスーパーGTマシンは見た目こそ市販のGRスープラに似せてはいるが、完全にレース用に製造されたまがいもの・・・いや、オリジナルになる。

そんなGRスープラのスーパーGTマシンは3種類ある。

「へっ!?GT500マシンとGT300マシンの2種類でしょ?」

と思った方も多いと思うが、2022年シーズンからもう1種類増えて3種類になったのだ。

ということで今回は3台のスーパーGT GRスープラの違いを見ながら、市販車に一番近いプロポーションのマシンを調べてみた。

3台のGRスープラ

まずはスーパーGTに参戦する3台のGRスープラを比べてみよう。

ちなみに3台のマシンとは以下のとおり。

  • TRD製 GRスープラ(GT500)
  • 埼玉トヨペット製 GRスープラ(GT300)
  • つちやエンジニアリング製 GRスープラ(GT300)
2022年仕様のTRD製GRスープラ(ルーキーレーシング)

スーパーGT 1台目のGRスープラは、GT500クラスに参戦するマシン。

トヨタグループのトヨタカスタマイジング&ディベロップメントのブランドTRD(トヨタレーシングディベロップメント)が開発し、トムス、セルモ、サード、ルーキーレーシング、レーシングプロジェクトバンドウの5チームに6台のマシンを供給する。

チャンピオンを獲得した2021年仕様のGRスープラ(トムス)

デビューは2021年で、最終戦の最終コーナーまでGT500クラスのチャンピオンシップをリードするも惜しくもガス欠に泣くが、翌2021年シーズンは見事チャンピオンに輝いた。

2022年仕様の埼玉トヨペット製GRスープラ

スーパーGT 2台目のGRスープラは、GT300クラスに参戦する埼玉トヨペットが製造したマシン。

2020年の東京オートサロンで公開された埼玉トヨペットのGRスープラ

当時のJAF-GT規定(現GT300規定)で製造されたこのマシンは、2020年の東京オートサロンの埼玉トヨペットブースで一般公開され同年から参戦し、チャンピオンシップを争う活躍を見せた。

富士公式テストでシェイクダウンする2022年のつちやエンジニアリング製GRスープラ

3台目のGRスープラはつちやエンジニアリングが製造するGT300マシン。

GT300規定で製造され2022年シーズンから参戦を開始した。

フロント周りデザインの違い

ということで、TRD製、埼玉トヨペット製、つちやエンジニアリング製の3台のマシンの見た目を比べてみよう。

まずフロント周りのデザインから。

TRD製のGRスープラはGT500ということでマシンの設計に制約があるため2台のGT300と違いバンパーが薄く、フリックボックスの存在もGT300の両マシンとは異なる。

またエンブレム周りのエアインテークもGT500マシンのみの特徴。

GT300マシンを比べるとまず気になるのがヘッドライト外側の処理で、埼玉トヨペット製はヘッドライト外側が歌舞伎の隈取のようになっているのに対し、つちやエンジニアリング製はボディとツラになる。

フロントバンパーのエアインテークは、エンブレム下に大きく開きその両サイドとその下にあり、形状はやや異なるものの大きな印象の違いはない。

ただしバンパーサイドの空力処理は両マシン異なるようだ。

さて、市販車のフロントデザインに一番近いのはどのマシンか?

こちらが市販のGRスープラの写真。

TRD製のGT500マシンはクラス1規定の厳格なレギュレーションの中でなんとか試行錯誤したことが伺えるが、そもそもバンパーの厚みが薄すぎる。

ノーズの形状やヘッドライト周辺の処理など、つちやエンジニアリング製が一番近いかな。

いや、もっと近いマシンがあった!

こちらは埼玉トヨペットが製造しLMコルサに供給されるマシンだが、なんとフロントバンパーの開口部のデザインが市販車そっくりだ!

しかも、本家埼玉トヨペットで気になるヘッドライト外側の隈取も、しっかりと処理されている!

本家と分家でデザインが異なるのはなぜか知らないが、埼玉トヨペットが製のLMコルサのマシンがフロントデザインで市販車再現度No.1で間違いない!

サイドデザインの違い

続いてはサイドの違いを見ていこう。

まずキャビンの位置はTRD製のGT500マシンがやや前方で、GT300マシンの2台はリヤタイヤ寄りにある。

GT300マシンを比べると、フロントタイヤハウス後端からドア前端までの距離が埼玉トヨペット製の方が長くつちやエンジニアリング製は短い。

逆にフロントオーバーハングはつちやエンジニアリング製の方が長く、ボンネット前端の突起がより突き出ている。

サイドデザインも市販車と比べてみよう。

方向が逆だが、こちらが市販車GRスープラのサイドシルエット。

このクルマの特徴はクラシックスタイルのロングノーズショートデッキだが、TRD製のGT500マシンはキャビンの位置が前すぎるので違いすぎる。

また市販車のオーバーハングは短くいわゆるスラントノーズ形状だが、つちやエンジニアリング製はオーバーハングが長く突き出ているのでかなり印象が異なるし、フロントタイヤハウス後端とドア前端の距離も短い。

ということで、消去法で埼玉トヨペット製が市販車に一番違いプロポーションになる。

リヤデザインの違い

最後はリヤデザインの違いはどうだろう。

リヤトランク上段の跳ね上げは形状がGT500のTRD製とGT300の埼玉トヨペット製では大きく違う。

また埼玉トヨペット製のリヤフェンダー後端が大きくカットされている。

残念ながらつちやエンジニアリング製の写真はない。

さて、市販車に一番近いリヤデザインはどっち?

こちらが市販車のGRスープラのリヤデザインだが、スーパーGTマシンはトランクに厚みがなく正直全然違う。

まあどちらかといえば埼玉トヨペット製のGT300マシンの方がトランクの跳ね上げの形状がそれっぽいが・・・。

ただし、市販GRスープラの筋肉質なワイドのリヤフェンダーが埼玉トヨペット製ではさらにワイドなオーバーフェンダーが被さり、見事に特徴をスポイルしている。

うーん、テールライトでかろうじてGRスープラだと感じるが、どっちも全然違うね。

最後に

今回は3種類のGRスープラのスーパーGTマシンを比較してみたが、クラス1規定で製造されたGT500マシンは大きく形状が異なるのはもちろんのこと、同じGT300規定(=JAF GT規定)で製造された埼玉トヨペット製とつちやエンジニアリング製のマシンもかなり違うことがわかった。

そして市販車との比較では、一見すると市販車と同じように見えてもスーパーGTマシンと市販車はまったく違う製造過程を踏んでおり、もちろん素材も違うため、比べてみるかなり違った。

特にクラス1規定制約は厳しく、TRD製はGRスープラ風には見えるもののキャビンの場所からフロントリヤともに全然違う。

GT300マシンの2台はクラス1規定よりも自由度の高いGT300規定で製造されたマシンだが、速いマシンに仕立てようとすると、やはり市販車とは違ったエクステリア形状になってしまうのだろう。

ただ、違ってもいいじゃないか。

私たちは市販車ではなくレーシングマシンを観に来てるんだからね。

日本のコンストラクターよ、永遠なれ!

以上、最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。