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キヤノンEOS R7はモータースポーツ撮影で使える?EOS R5・EOS 7D MarkⅣⅡとの比較

5月24日、キヤノンからRFシステム初のAPS-Cミラーレスカメラが2台発表された。

EOS R7とEOS R10。

その2台のモデルで我々モータースポーツ撮影をするアマチュアカメラマンが注目するのがEOS R7だろう。

長い焦点距離が必要とされるサーキットではそのAPS-Cセンサーが有利に働き、一眼レフ機のAPS-C最高峰であったEOS7D MarkⅡは、モータースポーツアマチュアカメラマンの人気No.1だった。

懐かしい・・・私も持っていました。

私はその後EOS7D MarkⅡからEOS 5D MarkⅣに乗り換え、今はEOS R5でモータースポーツ撮影を楽しんでいるが、サーキットではまだまだ動きモノでは一眼レフが有利とばかりにEOS7D MarkⅡを使用している方も多く見かける。

そんなみなさん、ミラーレス機はすでに動きモノでも一眼レフ機を超えてますよ。

ということで今回は以前EOS 7D MarkⅣⅡを使い現在はEOS R5を愛用する私が、EOS R7のスペックを見てモータースポーツ用カメラとしてオススメできるかを解説してみようと思う。

カメラタイプとマウント

モデルEOS R7EOS R5EOS7D MarkⅡ
タイプミラーレスミラーレス一眼レフ
マウントRFRFEF

まずはカメラタイプとマウントから。

新型のEOS R7とEOS R5はミラーレス機でEOS7D MarkⅡはペンタプリズムがある一眼レフ機になる。

少し前までミラーレス機は動きモノ撮影が苦手だと言われていたが、そのひとつの理由がオートフォーカス性能だった。

しかし現在EOS R5でモータースポーツ撮影をする私は、間違いなく最新のミラーレス機は一眼レフ機よりもオートフォーカス性能は速く正確だと断言する。

しかもEOS R5はレーシングマシンを認識する機能を搭載するので、箱車はヘッドライトやグリルに、フォーミュラマシンはヘルメットに自動でフォーカスポイントを合わせてくれる。

これが実に便利なのだ。

当然EOS R7もこのレーシングマシン認識機能を搭載しており、EOS7D MarkⅡのように自分でフォーカスポイントを合わせなくてもいいため、構図に集中できるというメリットがある。

マウントはEOS R5とEOS R7がRFマウントで、EOS7D MarkⅡが従来のEFマウント。

EOS7D MarkⅡから代替えを考えている方はマウント変更が肝となるが、RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMなど、EFレンズよりも性能が良いRFレンズが続々と続々と登場しているので、EFレンズ群のリセールバリューのことを考えても今が決断の時かもしれない。

ファインダー

タイプEOS R7EOS R5EOS7D MarkⅡ
ファインダー0.39インチ
236万ドット
0.5インチ
576万ドット
OVF

モータースポーツ撮影をする上で重要になってくるのが先のオートフォーカス性能とともにファインダーの見え方だろう。

なにしろ猛スピードで走り去るレーシングマシンをスローシャッターで流し撮りするのには、しっかりと被写体を追うためのファインダーは重要だ。

私は以前ミラーレス機のソニーα7RⅢを所持しており、これでモータースポーツ撮影を試みたが、いかにも『画像』を見ているという違和感とカクツキ、そしてわずかな遅延も気になり、「EVFはダメだな」と思った。

しかしその後EOS R5を購入し撮影してみると、一眼レフ機のOVFと遜色がないほどの滑らかな解像度、そして遅延も気にならず、さすがキヤノンだと感心した。

また当初は多少のカクツキがあったが、ファームウエアアップデートとともに解消された。

そしてEVFは暗いところでも明るく見えるメリットがある。

しかも一眼レフ機より暗所でもオートフォーカスが追従してくれるので、今季はスーパー耐久の富士24時間で夜間撮影に挑戦しようと思っている。

ただEOS R7のファインダーを見るとファインダーの大きさや画素数がEOS R5よりもかなり劣るようだ。

むかしからヒエラルキーをしっかりと守るキヤノン。実際にファインダーを見てみないとわからないが、チョットこのEOS R7のファインダーは心配だ。

センサー

タイプEOS R7EOS R5EOS7D MarkⅡ
センサーサイズAPS-CフルサイズAPS-C
有効画素数3250万画素4500万画素2020万画素

モータースポーツ撮影において焦点距離は重要だ。

特に観客席からコースまでが遠い富士スピードウェイやモビリティリゾートもてぎ(旧ツインリンクもてぎ)では、高価な超望遠レンズを使わないとマシンをアップで撮影できない。

そんな時に有効なのがセンサーサイズ。

キヤノンのAPS-Cセンサーのサイズはフルサイズ比1.6倍になるため、モータースポーツアマチュアカメラマンはあえてフルサイズ機に移行せずAPS-Cセンサーのカメラを使う方も多いだろう。

今回発売したEOS R7もそのAPS-Cのセンサーを搭載する。

しかも有効画素数がEOS7D MarkⅡの2020万画素から1.5倍以上増えて3250万画素になったため、トリミング耐性も申し分ない。

シャッター

タイプEOS R7EOS R5EOS7D MarkⅡ
最高連写
(メカシャッター)
15コマ/秒12コマ/秒10コマ/秒
シャッタースピード1/80001/80001/8000

時には250km/hを超えるスピードで駆け抜けるレーシングマシンの撮影では1秒間に何mも進むため、連写性能も重要だ。

一眼レフ機に比べるとミラーの跳ね上げがないミラーレス機は連写性能を上げるには有利で、一眼レフ機の中では連写が速いと言われていたEOS7D MarkⅡでも秒間10コマだったが、今回のEOS R7はその1.5倍の最大秒間15コマとムチャクチャ速い!

これは連写を多用する方には大きな武器になりそうだ。

背面モニター

モデルEOS R7EOS R5EOS7D MarkⅡ
背面モニター3インチ
162万ドット
3.2インチ
210万ドット
3インチ
104万ドット
可動モニターバリアングルバリアングル固定
タッチパネル– 

背面モニターはもちろんきれいな方がいいが、EOS7D MarkⅡは発売から7年以上経過しているためドット数もさることながら、その見え方も最新のミラーレス機にはかなり劣る。

しかもEOS7D MarkⅡのモニターは固定式なのに対しEOS R5とEOS R7は可動式のバリアングル。

時には息抜きでレースクイーンの撮影もするだろうが、そんな人ごみの中ではこのバリアングルモニターが大活躍するのである。

電池

モデルEOS R7EOS R5EOS7D MarkⅡ
電池LP-E6NHLP-E6NHLP-E6N
撮影枚数
(ファインダー時)
380枚220枚800枚

1日に数千枚を撮影するモータースポーツ撮影において電池の持ちは気になる方もいるだろうが、常にファインダー内のモニターで電池を食うミラーレス機は電池の持ちといった点では一眼レフ機に到底敵わない。

だがキヤノンサイトのEOS R5の欄に書いてあった220枚なんてことは実際にはない。

私の経験では700-800枚ほどは撮れるのだが・・・。

EOS R7ではその電池の持ちはEOS R5に比べるとかなり改善されているようだ。

そしてEOS7D MarkⅡから代替えを考えている方には朗報で、LP-E6Nも問題なく使える。

まあキヤノン機は一脚を据えたままでもすぐに電池交換ができるため、レース週末に1-2個余分に持っていけば大きな問題にはならないだろう。

サイズと重量

モデルEOS R7EOS R5EOS7D MarkⅡ
サイズ132×90.4×91.7mm138.5×97.5×88mm148.6×112.4×78.2mm
重量530g650g820g

私は一眼レフ機からミラーレス機のEOS R5に代替えした際、小さく軽くなったことに驚いた。

やはりペンタプリズムやミラーがない恩恵だろう。

今回のEOS R7はさらに小さくそして脅威の530gにまで軽くなった。

カメラの重さは年とともに年々負担になる。

長時間撮影に集中するためにもやはり軽さは武器なのだ。でもレンズが重いんだよな〜。

その他

モデルEOS R7EOS R5EOS7D MarkⅡ
記録メディアダブルスロット
SDカード×2
ダブルスロット
CFexpress TypeB
SDカード
ダブルスロット
SDカード×2
防塵・防滴
5軸手ぶれ補正
瞳AF
GPS –– 

その他の3機種の違いといえばまずは記録メディアの違い。

EOS R7とEOS7D MarkⅡはお財布に優しいSDカードのみのダブルスロットで、EOS R5はSDカードと高価なCFexpress TypeBのダブルスロット。

CFexpress TypeBがEOS R5で採用された当初は非常に高価だったが、各カメラメーカーが採用しはじめた昨今は少しずつ安くなっているものの、まだまだ高価で売っている店も少ない。

私たちアマチュアカメラマンはSDカードの方が嬉しいと思う方が多いのではないかと思う。

流し撮りでは切っている方もいると思うが、レースクイーンの撮影では5軸手ぶれ補正が威力を発揮する。

さらに瞳オートフォーカスと合わせることにより、人物撮影のピント合わせは格段に楽になる。

逆にEOS R5とEOS R7ではGPSが無いのが少々残念だ。

まあどの場所で撮影したのかは出来上がった写真を見れば容易にわかるのだが、lightroom classic CCで富士スピードウェイのダンロップコーナーで撮影した写真のみを選ぶ場合、GPSを搭載していればすぐに選び出してくれるためとっても便利なのだ。

まとめ

ということで今回はEOS R7、EOS R5、EOS7D MarkⅡ3機種を、モータースポーツ撮影時に関係のあるスペックを中心に比べてみたが、まとめると以下のとおり。

モデルEOS R7EOS R5EOS7D MarkⅡ
タイプミラーレスミラーレス一眼レフ
マウントRFRFEF
センサーサイズAPS-CフルサイズAPS-C
有効画素数3250万画素4500万画素2020万画素
最高連写
(メカシャッター)
15コマ/秒12コマ/秒10コマ/秒
シャッタースピード1/80001/80001/8000
ファインダー0.39インチ
236万ドット
0.5インチ
576万ドット
OVF
背面モニター3インチ
162万ドット
3.2インチ
210万ドット
3インチ
104万ドット
可動モニターバリアングルバリアングル固定
タッチパネル
記録メディアダブルスロット
SDカード×2
ダブルスロット
CFexpress TypeB
SDカード
ダブルスロット
SDカード×2
電池LP-E6NHLP-E6NHLP-E6N
撮影枚数
(ファインダー時)
380枚220枚800枚
防塵・防滴
5軸手ぶれ補正
瞳AF
GPS
サイズ132×90.4×91.7mm138.5×97.5×88mm148.6×112.4×78.2mm
重量530g650g820g
納期未定約2ヶ月
価格(税抜)179800円460000円

今回登場したEOS R7はファインダー性能に関してのみ実機で確認してみたいが、それ以外は間違いなくモータースポーツ撮影用カメラとして自信を持ってオススメできるスペックだ。

で、価格は?

キヤノンオンラインストアで調べてみると・・・179800円(税抜)!?安っ!!

昨今のカメラはかなり高くなっているが、ここまで見ていただいたとおりこれだけの機能が搭載していて179800円(税抜)とは・・・間違いなく買いでしょ!

以上、最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。