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貸切の『ホンダレーシングギャラリー』で歴戦のF1マシンを堪能してみた②

今回はホンダレーシングギャラリー観覧記の2回目。前回はマクラーレンMP4/5とMP4/7A、レッドブルRB16、ホンダRA300を紹介しましたが、今回もレーシングギャラリーに展示されているホンダエンジン搭載F1マシンを5台紹介します。

ちなみに、最初からご覧になりたい方は下記のバナーからどうぞ。

では、いってみましょー!

ホンダエンジン搭載マシンが初のドライバーズチャンピオンに!ウィリアムズFW11B

今回はウィリアムズFW11Bから。ホンダエンジン搭載マシンが初のドライバーズタイトルを獲得した時のマシンですね。

このマシンの実車を観るのは初めて。後にロスマンズやマルティニカラーに変化したウィリアムズですが、私たちF1ブーム世代としてはウィリアムズといえばこのカラーリングです。

2019年にホンダコレクションホールで観た前年のFW11の正常進化マシンですが、若干エンジンカウルが低くなっています。

そして何よりこの年代のマシンといえば、箱のようなリヤウイングが特徴。

下面で強烈なダウンフォースを産む今のマシンと違い、当時はデカいリヤウイングで1000馬力超と言われたホンダのドッカンターボのパワーを路面に押さえ込んでいました。

モンスターマシンの迫力が見た目にもよくわかり、ターボ全盛時代の車両は最高にイケています。

また前回も書きましたが、最新のモータースポーツミュージアムはライティングが素晴らしく、尚且つ明暗差のあるライカM11で撮影したので、マシンが浮き出るように見えて、イイ感じに表現できています。

なお、マシンの後方に薄ら見える『1-2-3-4』の文字は、1987年のイギリスグランプリでホンダエンジン搭載マシンが1位から4位を独占したことを表しています。

次のマシンにまつわる数字はなんでしょう。

16戦15勝の伝説のマシン マクラーレンMP4/4

続いては1988年のマクラーレンMP4/4。

前代未聞のシーズン16戦15勝を達成した、ホンダエンジン搭載の、いや全F1マシンの中でもNo.1の成績を残した車両ですね。

ということで、背景の数字は当然15/16です(見えにくくてごめんなさい)。

前述したウィリアムズFW11Bが前年に比べるとエンジンカウルが低くなったと書きましたが、このMP4/4はさらに低くなり、この平たい造形がこのマシンの特徴です。

ホンダエンジン搭載マシンの代表的な存在のMP4/4は頻繁にデモ走行に登場します。

そんなMP4/4をホンダは所有していますが、おそらくこちらが動態保存されている個体。もう一方は展示専用だと思われます。

展示マシンの中にはショーカーと呼ばれる展示専用のマシンが紛れていますが、やっぱり実動するマシンを観たいものですね。

動態保存されるマシンもデモ走行ではタバコロゴを剥がされ、ちょっと拍子抜けします。しかしホンダの展示施設では『Marlboro』ロゴがしっかりと掲げれていて、ファンにとっては嬉しい限りです。

さて、次はMP4/4のとなりにあるあのマシンです。

ホンダV12が復活!マクラーレンMP4/6

はい、1991年のマクラーレンMP4/6です。

このマシンにまつわる数字は『V12』。そう、前年まではV型10気筒エンジンでしたが、この年から第1期以来の12気筒が復活しました。

MP4/6と言えばアイルトン・セナ選手が最後にドライバーズチャンピオンを獲得したマシンですが、このマシンのカーナンバーはゲルハルト・ベルガー選手の2・・・なぜ??

答えはホンダが2台のMP4/6を所有しているからです。もう一方のマシンには当然カーナンバー1が掲げられています。昨年の『Honda Racing 2024 Season Finale』で展示されたマシンがまさにその個体です。

ただ、カーナンバー1を付けたマシンを調べていくと展示専用のショーカーでした。

そしてこちらカーナンバー2のマシンのコクピットを確認すると・・・

『MP4/6/9』と刻印されています。ショーカーは『MP4/6/SSC』なので、このマシンは紛れもなく動態保存の個体です。いやー、会いたかった!

実はこのマシンはベルガー仕様ですが、メンテナンスする際にセナ用の柔らかいアクセルにスプリングレートが換装されています。

それによりセナ足ができるようになっていると、佐藤琢磨選手が語っていました。

自身も乗る機会が多く、なんちゃってセナ足をしているとのこと。2018年日本グランプリ前のデモ走行でもおそらくやっているでしょうね。

ハンガリーで君が代!フルワークスホンダRA106

次はホンダ2006年のRA106。

名前の通りホンダはこの年から第1期以来のフルワークスになり、マシン名にRA(レーシングオートモービル)の名が復活。カラーリングは第1期を彷彿とさせるチャンピオンシップホワイトになりました。

そんなフルワークス1年目のRA106は、雨のハンガリーグランプリで優勝。F1の表彰台で39年ぶりに君が代が響きました。

私のF1観戦はいつの時代もガンバレニッポンなので、あの感動は今でも忘れられません。もう20年近く前になるんですよね。

ということでRA106にまつわる数字は39。

神格化されるRA106ですが、ホンダの第3期F1活動はこの1勝のみ。正直ホンダの第1期から第4期までのF1活動で一番の失敗はこの期でした。

ただ私がもっともF1を観に行ったのが2000年代。このマシンに搭載されるV10エンジンが奏でるあの甲高い爆音は、今でも最高の音色だと思っています。

伏兵がイタリアGPで表彰台の頂点に!アルファタウリAT01

次に紹介するのがアルファタウリAT01です。

ミナルディを源流とするイタリアファエンッアのチームは、2020年から2023年までレッドブルのファッションブランドであるアルファタウリをチーム名に冠しました。すでに懐かしい?

白地に濃紺のシックなカラーリングがファッションブランドらしくセンスを感じます。

そして当時ホンダF1のマネージングディレクターだった山本雅史さんがこだわった、真っ赤なHONDAロゴがいいアクセントになっていますね。

そんなAT01は、2020年のイタリアグランプリでピット戦略が冴え渡り、トロロッソ時代の2008年イタリアグランプリ以来の優勝を遂げます。

この勝利での大量ポイントもあり、ファエンッアのチームは過去最大の107ポイントを獲得しました。

ということで、AT01にまつわる数字は『107』です。

今回は1980年代→1990年代→2000年代と順番に見てきましたが、近年のF1マシンの空力処理は複雑で、細部を観ているだけでF1マシンの美しさを感じられます。

展示マシンだからこそじっくり観られる。こんな細かい場所なんてグランプリ観戦では絶対に気付けませんよね。

ただ複雑ゆえに、その造形にどんな効果があるのかは正直わかりません・・・。

ということで今回は以上。

次のページでは、ホンダの歴代F1エンジンや佐藤琢磨選手のマシンを中心に書いていますので、興味のある方は下記のバナーからどうぞご覧ください。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。