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貸切の『ホンダレーシングギャラリー』で歴戦のF1マシンを堪能してみた③

今回はホンダレーシングギャラリー観覧記の最終回。最後は新旧F1エンジンや佐藤琢磨選手のマシンをピックアップしてみたいと思います。

なお、ホンダレーシングギャラリーの観覧記を最初からご覧になりたい方は、下記のバナーからどうぞ。

では最終回行ってみましょー

新旧F1エンジン

ホンダはフルコンストラクターとしてF1に参戦した時代もありましたが、F1活動の中心はチームへのエンジン供給。ということでホンダレーシングギャラリーにはエンジン単体での展示もあります。

通常はカウルに覆われて観ることのできないF1エンジンをじっくり観察できるのは貴重です。

では、展示の歴代ホンダエンジンを古い方から順に観ていきましょう。

マクラーレンMP4/4に搭載された名作RA168E(1988年)

まず最初に紹介するF1エンジンが1988年のマクラーレンMP4/4に搭載されたホンダRA168E。あの16戦15勝を達成した名作ターボエンジンです。

1.5L V型6気筒ということで、かなりコンパクトな印象でした。

なるほど、あの平たいMP4/4はこのサイズなので実現できたのかも。ブラバムBT55はもっと平べったいって? あれはBMWエンジンがカウルから突き出てたでしょ!?

レギュレーションによりターボの過給圧が抑えられ馬力が相当落とされたとは言え、完走率の極端に低かった当時のF1で、脅威の信頼性を誇ったのもこのエンジンの優秀なところ。

そんなF1史に燦然と輝くエンジンをじっくりと観察できるのはホンダレーシングギャラリーだけ。素晴らしいモータースポーツミュージアムだとつくづく思います。

NA元年マクラーレンMP4/5に搭載されたRA109E(1989年)

こちらがマクラーレンMP4/5に搭載された1989年のホンダRA109Eです。

きれいに並べられた10個のトランペット(エアファンネル)と、等長にするために複雑に曲げられたエキゾーストパイプは、工芸品のような佇まいです。いやー、カッコいい。

また、このV10エンジンが奏でる音も素晴らしい。

1989年日本グランプリで古舘伊知郎さんが放った、

「たくましいようで悲しげで、猛々しいようで切なくて・・・」

というフレーズがピッタリな音色でした。

フルワークスホンダRA106で39年ぶりの優勝 RA806E(2006年)

時代は一気に新しくなり、こちらは2006年のホンダRA106に搭載されたホンダRA806Eです。

1989年のRA109Eは見るからに”モンスターエンジン”という感じでしたが、エアファンネルが無くなりカーボンが多用されたRA806Eには凄さが感じられず、美しさを感じます。

超高回転で700馬力以上を生み出すエンジンなので緻密な設計で組み上げられているため、美しく見えるのでしょうね。

F1エンジンはこの年から2.4L V8になり(前年まで3.0L V10)、エンジン音が低くなりガッカリした思い出があります。まあ、今のパワーユニットよりは全然マシですが・・・。

レッドブルRB16Bに搭載され30年ぶりのドライバーズタイトルをもたらしたRA621H(2021年)

さらに時代は新しくなり、こちらは2021年にレッドブルRB16BとアルファタウリAT02に搭載されたホンダRA621Hです。

F1エンジンは2014年から1.6L V6ターボと電動モーターを組み合わせたハイブリッドになり、ホンダは翌2015年からF1に復帰します。

復帰当初は苦戦をしたホンダでしたが、毎年のようにターボやMGU-K、MGU-Hなどの設計変更や配列を変え、たどり着いたのがこのカタチ。この年から4年連続のドライバーズタイトルをレッドブルにもたらすことになります。

もう素人には何が何だか分かりませんが、とにかく2006年のRA806Eから比べると、ふたたびメカメカしくなったことだけは分かります・・・。

佐藤琢磨特別展示

ここまではメインフロアで常設展示のマシンたちやエンジンを観てきましたが、今度は地下に降りてみます。

こちらのフロアでは様々な企画展示を行なっていますが、現在(2024年10月から2025年2月)は佐藤琢磨選手にまつわるマシンが3台展示してありました。

琢磨の走りに鈴鹿が沸いた!ジョーダンEJ12(2002年)

佐藤琢磨選手のマシン1台目は2002年のデビューの年に乗ったジョーダンEJ12です。

EJ12と言えば、トップチームに次いで5位でフィニッシュした2002年日本グランプリを思い出します。

私はこの年に初めてF1の決勝レースを観戦し(予選は前年から)、あの歓喜する鈴鹿の雰囲気に超感動。以来、毎年佐藤琢磨選手を応援しに鈴鹿を訪れることになります。

やっぱり琢磨選手のマシンと言えばこのマシンなんだよね。

琢磨選手は常に頂点を目指してアタックし続けたドライバー。そんな彼の名言がEJ12とともに紹介されていました。

そんな琢磨選手の頂点を目指して諦めない気持ちが、その後、開花することになります。

日本人2人目の表彰台獲得!BAR006(2004年)

佐藤琢磨選手のマシン2台目は2004年のBAR006です。

この年はBARホンダが好調で、第4戦サンマリノグランプリで琢磨選手のチームメイト、ジェンソン・バトン選手がポールポジションを獲得。

琢磨選手も第7戦ヨーロッパグランプリで日本人最高位のフロントローを奪取します。

そして迎えた第9戦アメリカグランプリ。

予選3位からスタートした琢磨選手は、ピットストップで10位まで落ちるも、オーバーテイクを連発します。

最後はヤルノ・トゥルーリ選手を強引に追い抜き3位フィニッシュ。日本人として2人目の表彰台を獲得しました。

BAR006のバックにはミハエル・シューマッハ選手とともに表彰台で喜ぶ琢磨選手の写真が掲げられていました。

琢磨選手のBAR006を眺めながら、徹夜で応援し明け方に大号泣したあの時のことを思い出しました・・・。

日本人初のインディ500制覇!ダラーラDW12(2017年)

最後はアンドレッティスポーツのダラーラDW12。

琢磨選手が日本人として初めてインディ500を制した2017年のあのマシンです。

インディカーには疎い私ですが、日本のモータースポーツファンとして、そして琢磨選手のファンとして、この優勝は本当に嬉しかったです。

F1時代から常に頂点を目指してアタックし続けた琢磨選手だからこそ、歴史的なレースで快挙を達成できたのでしょう。

『No Attack No Chance』は、まさに琢磨選手の代名詞のような言葉。

素晴らしいレースを観せてくれてありがとう。そして、これからも・・・。

最後に

今回初めて訪れた『ホンダレーシングギャラリー』ですが、ホンダエンジン搭載のF1マシン(さらに多くが動態保存!)の多くを、最新のライティングで観覧できるモータースポーツファンにとって極上の施設でした。

モータースポーツオフシーズンだからなのか、ほぼ貸切状態で2時間以上楽しんできました。

ホンダ所有のF1マシンは他にも多くあるので、入れ替えもあるはず。常にホームページをチェックして、必ず再訪問したいと思います。

モータースポーツファンのみなさんも、ぜひ! 楽しめること間違いなしです!!

以上、最後までご覧いただきましてありがとうございました。

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ABOUT US
大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。