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【2025年9月版】ホンダレーシングギャラリー観覧記② ホンダ第1期から第4期 最初のマシンたち

前回に引き続き今回もホンダレーシングギャラリーの観覧記です。

ホンダのF1活動は、1964年から1968年の第1期、1983年から1992年の第2期、2000年から2008年の第3期、2015年から2021年の第4期と4回に分けて参戦していますが、今回訪れたホンダレーシングギャラリーでは、それぞれの参戦期の最初のマシンが展示されていました。

では、第1期の最初のマシンから順に観ていきましょう。

ホンダF1初号機 ホンダRA271

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ホンダ最初のF1マシン、そして国産初のF1マシンがホンダRA271です。

時は1964年。前後のウイングがまだ無いいわゆる葉巻型のマシンで、スポンサーロゴもまだ無い時代です。そんな頃からF1に参戦したホンダって凄いですよね。

ちなみに当時のホンダは2輪メーカーとしてはすでに世界的に有名でしたが、4輪は軽トラックのT360と、スポーツカーのS500を発売して間もない頃。自動車メーカーとして産声を上げたばかりの企業がF1に参戦するとは・・・。

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RA271を横から見てみると、ドライバー後方にあるはずのエンジンが異様に短い。このマシンはV12エンジンを搭載していたのに・・・なぜ?

まあ、F1ファンの多くはご存知だと思いますが、V型12気筒エンジンを横に搭載したから。オートバイメーカーならではの発想です。

そしてアイボリーに違いホワイトは、ホンダタイプRのチャンピオンシップホワイトの元となったカラー。

ミッドシップ横置きレイアウトにチャンピオンシップホワイト・・・NSX-Rだね。

ちなみに2025年日本グランプリで披露された、レッドブルRB21のスペシャルリバリーも、この時代のカラーを再現しています。

そんなホンダの第1期F1活動は、1964年から1968年の5シーズンに渡りフルコンストラクターとして参戦し、2度の優勝と1度のポールポジションを記録しています。

ホンダ第2期エンジンを最初に搭載したマシン スピリット201C

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次に紹介するのがホンダ第2期F1活動の初年度に、ホンダエンジンを搭載したスピリット201Cです。

おそらくこの個体は、2019年にホンダコレクションホールで観たものと同じだと思いますが、ライティングが素晴らしい最新のミュージアムだと映えますね。

スピリットレーシングはホンダ出資のレーシングチームで、ヨーロッパF2をスピリット製の201にホンダ製NAエンジンを搭載して戦い、そのシャシーのままF1に参戦。

暴力的なドッカンターボになったホンダエンジンに対し、アルミハニカムのやわなシャシーが追いつかず、成績は低迷。ホンダはスピリットを見捨ててウィリアムズに供給先を変更しました。

そんな悲しきスピリットですが、ホンダは大成功を収めた第2期の最初のマシンということか、常に展示されています。

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なお、スピリットホンダは第9戦のイギリスグランプリから6レースを戦いましたが、最初の3レースはホワイトのカラーリング。このトリコロールカラーになったのが終盤3レースでした。

さらに最後の2レースはスペアカーの201で決勝レースを走ったため、おそらくこのマシン(201C)は第12戦オランダグランプリで使われた個体なのではと思われます。

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第2期といえば『POWERED by HONDA』のロゴが有名ですが、すでに201Cにも描かれていますね。

学生時代、免許証を取ったらホンダのスポーツカーに乗って、POWERED by HONDAのステッカーを貼りたいと思っていましたが、まさかライバルメーカーに就職するとは・・・。

ホンダの第2期F1活動は1983年から1992年までエンジンサプライヤーとして参戦し、69回の優勝を記録し、5度のドライバーズチャンピオンと6度のコンストラクターズチャンピオンに貢献しました。

ホンダ第3期エンジンを最初に搭載したマシン BAR002

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こちらBAR002は、第3期F1活動の初年度の2000年にホンダエンジンを搭載したマシンです。

第3期といえば佐藤琢磨選手がF1にデビューしたジョーダンEJ12や、琢磨選手が表彰台に上がったBAR006、第3期唯一の勝利をもたらしたホンダRA106などが有名で、このBAR002はかなり地味。さまざまな場所でF1展示を観てきた私ですが、今まで一度もお目にかかったことがありませんでした。

日本グランプリで見たかも、と思いましたが、私のF1観戦は2001年なので、やっぱりこのマシンは初見です。

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初めて観た印象は、ホワイトとシルバーのカラーが清潔感があり実にキレイ。何度も観たラッキーストライクカラーのBAR006やホンダRA106よりも、こちらの方がスッキリしていてイイ感じです。

日本では日の丸カラーと呼ばれた一連のBARのマシンですが、この頃が一番それらしいかも。

そしてレイナードが設計したマシン形状はというと、かなりオーソドックス。

この後F1マシンは空力フィンが至るところに装着され、マシン全体が翼のようになるのですが、この頃はまだその前夜。箱型のボテっとした形状で、大流行したサイドポッド下のえぐれもまだなく、シンプルなボディ形状ですね。

そんなホンダの第3期F1活動は2000年から2008年まで行われ、2006年にはBARを買収して第1期以来のフルコンストラクターとして参戦しました。しかし結果は芳しくなく、多くの自動車メーカーが参戦したこともあり、通算1勝に終わりました。

ホンダ第4期PUを最初に搭載したマシン マクラーレンMP4-30

そして第4期の最初のマシンがマクラーレンMP4-30。

F1はエンジンとモーターのパワーユニット時代になり、後方にも書いてある通り『未来をめざした新技術への挑戦』がこのマシンから始まりました。

大成功に終わった第2期のマクラーレンとのタッグ再来と、世界中で期待されたマクラーレンホンダですが、開幕するとホンダのパワーユニットはパワーがまったく足りず、そして頻繁にブローするばかり。

凱旋レースの日本グランプリでは、ドライバーのフェルナンド・アロンソ選手が、

「GP2エンジン!」

とホームストレートで叫び、日本人F1ファンが絶句したのは今でも語り草ですね。

そんなホンダパワーユニットのパフォーマンス不足の最大の要因はサイズゼロコンセプト。

マクラーレンは空力的な優位性を確保するために、ホンダに対し非常にコンパクトなパワーユニットを要求し、そのアグレッシブな設計ゆえに冷却不足や発電量不足、デプロイメントの問題に悩まれ、成績は低迷したのでした。

マシンを観てみると、確かに他のパワーユニットを搭載するマシンに比べ、リヤカウルが非常にコンパクトな感じが・・・するような・・・。

結局、マクラーレンは未来が見えないホンダと決別するのですが、ホンダはレッドブルグループとタッグを組み、パワーユニットの信頼性とパフォーマンスはみるみる向上し、第2期以来の大成功を掴むのでした。

そんなホンダF1最大の黒歴史であるMP4-30を、まさかホンダが公開するとは思わなかったので、ホンダレーシングギャラリーでの展示がアナウンスされた際にはどうしても観たかった1台でした。

まあ、それも、その後の成功があったからですね。

尚、ホンダ第4期は2015年から2021年までの7年間(RBPTホンダ時代は除く)で、16回の優勝を記録し、1回のドライバーズチャンピオンを獲得したのでした。

最後に

ということで、今回はホンダレーシングギャラリーでホンダ第1期から第4期の最初のマシンを紹介しました。

初年度の4台マシンともに成績はイマイチですが、各期の第一歩を記した貴重なマシンたちを今後も大切に保管してもらいたいと心から願います。

そんなホンダは2026年から第5期F1活動が始まります。

第5期が今までと違うのは、OEM元としてすでにF1と関わっているということ。

パワーユニットレギュレーションが大きく変更される中での参戦ですが、タッグを組むアストンマーティンとともに、初年度から素晴らしいパフォーマンスを発揮するパワーユニットになることを、ホンダファンとしては期待したい。

そして、その後にはこのホンダレーシングギャラリーで誇らしく展示してもらいたいと願っています。

以上、最後までご覧いただきましてありがとうございました。

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ABOUT US
大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。