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1戦限りの特別カラーF1マシン10選

2020年トスカーナGP フェラーリ

近年ではイタリアのイモラサーキットで行われた2020年トスカーナGPで、フェラーリがスペシャルカラーを施している。

この地元レースでフェラーリはF1参戦1000レース目を迎えた。

そこでそれを記念して、F1に参戦を開始した最初のマシン、1950年のフェラーリ125と同様のワインレッドのカラーリングを、これまたフェラーリ1000レースを記念して名付けられたSF1000のマシンに復刻した。

マールボロがタイトルスポンサーになった1997年以降、フェラーリの伝統だった深紅のカラーリングを廃し、近年ではマッドに塗装されているフェラーリだが、往年の深紅(復刻版はもっと深みがあるが)のフェラーリが復活し、古くからのファンはこのカラーリングを好意的に受け止めた。

2021年モナコGP マクラーレン

出典:https://octane.jp/articles/detail/7297

古くからのモータースポーツファンにとって、1960年代から1970年代にかけてフォードやポルシェをサポートし、ル・マン24時間で伝説をつくった、水色とオレンジのガルフカラーはあまりにも有名だ。

近年でも世界耐久選手権(WEC)など、ガルフカラーのマシンが参戦しているが、F1では小規模スポンサーはあれど、マシン全体にガルフカラーを施したマシンは登場しなかった。

そんなガルフカラーのF1マシンが2021年、伝統のモナコグランプリに1戦のみ登場している。

そのガルフカラーを施したのは名門マクラーレンだ。

近年マクラーレンはアメリカ人の実業家ザック・ブラウンがCEOを務め、アメリカとのつながりが深くなりつつあり、アメリカのブランドガルフも近年マクラーレンのスポンサー企業のひとつとして名を連ねている。

そして2021年モナコグランプリでクラシックなカラーを忠実にマシン全体に再現し、多くのファンにガルフブランドをアピールした。

じつはマクラーレンがこのカラーリングのマシンを採用するのは初めてではなく、1997年のル・マン24時間でもマクラーレンF1 GTRをガルフカラーに染め上げ、2位を獲得している。

ちなみにガルフは1984年にシェブロンに吸収合併されており、現在はガルフブランドでアメリカを中心にガソリンスタンドを運営している。

2021年トルコGP レッドブル

出典:https://www.as-web.jp/f1/746919/attachment/asimg_21r16turfr-ver-xpb2_8a6160bc801e4e3

記憶に新しい2021年のトルコグランプリで、レッドブルが特別カラーのマシンで参戦している。

レッドブルは当初、この年でF1を撤退するホンダに対し、そして日本のファンに対して特別なカラーリングで感謝を表現しようと日本グランプリで特別なカラーリングをすることを計画していた。

しかし新型コロナウイルスの影響で日本グランプリが中止になり、その代替えレースとなったのがイスタンブールパークで行われたトルコグランプリ。

レッドブルはトルコグランプリを日本グランプリと見立てて当初の計画どおり、マシンを特別カラーで塗装し、感謝の意を伝えた。

ホンダが1965年のメキシコグランプリで初優勝を遂げた白ベースに日の丸が入ったRA272のカラーリングをオマージュしたRB16Bのリヤウイングとエンジンカウルに『ありがとう』の文字を入れた。

2020年の統計ではF1の1レースあたりの視聴者数が平均8740万人と、世界各国で視聴されている。

その中で日本語がわかる人がどれだけいるのだろうと考えると、レッドブルの日本語でのメッセージの重さが伝わってくる。

ちなみにこのレースでは、レッドブルの姉妹チームであるアルファタウリのリヤウイングにも、『ありがとう』の文字を入れて参戦している。

最後に

ということで今回は、1戦限りの特別カラーで出走したF1マシンを10台紹介してみた。

F1チームの運営資金はスポンサーに依存しており、チームの意思ではなかなかカラーリングを変更できなく、今回紹介した1986年ポルトガルグランプリと2021年モナコグランプリのマクラーレンや、1993年日本グランプリのリジェは、タイトルスポンサーの意向での変更だ。

しかしフェラーリはスポンサーになりたい企業が多く、ある程度チームがスポンサーに対して優位性があることや、フィリップモリスがフェラーリのすべてのスポンサースペースを買い取り他のスポンサーに転売しているため、私の推測だが他のチームよりマシンカラーの変更が行いやすいのかもしれない。

そしてレッドブルは、2007年と2012年のイギリスグランプリ、2008年のブラジルグランプリ、2021年のトルコグランプリと、他のチームに比べるとスペシャルカラーを施すことが多いが、チームの親会社が圧倒的に資金を提供しており影響力が強いため、柔軟に対応できるのであろう。
※今回は取り上げていない

ちなみに1977年日本グランプリのロータス、1986年ポルトガルグランプリのマクラーレン、1993年日本グランプリのリジェ、2008年ブラジルグランプリのレッドブルは1台のみで、もう1台のマシンには通常のカラーリングが施されているが、現在は2台ともに同じカラーリングで出場しなけらばならないとレギュレーションで定められている。
※2008年当時はすでにレギュレーションで明記されていたが、チャリティーということで全チームが同意したため実現した

今回は私が印象に残ったスペシャルカラーのマシンを10台紹介したが、その他にも2019年モナコグランプリのメルセデス(ニキ・ラウダ追悼カラー)など、まだまだあると思うので、あなたが気に入っているスペシャルカラーのマシンをぜひ下記のコメント欄で教えて欲しい。

以上、最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。