人気記事:『ミニカーで振り返るF1マシン』シリーズ

写真で振り返るレーシングマシンvol.1 ティレル019

写真で振り返るレーシングマシンと題して、私が撮影したレーシングマシン1台にスポットを当てて紹介してみたいと思います。

第1回は1990年のF1に参戦したティレル019を紹介します。

私がF1を好きになった原点のレーシングカーが、このティレル019でした。

当時通っていた高校の図書室に置かれていた雑誌『NUMBER』を何気なく手に取ると、そこにはF1特集の記事があり、その特集ページを何度も何度も読んだ事を思い出します。

それまでプライムタイムに放送されていたF1日本グランプリは観たことがありましたが、他国開催は深夜に放送されている事をこの雑誌で知り、初めて見た海外開催のF1が1990年モナコグランプリでした。

古舘伊知郎が煽るF1放送の国際映像のカメラは、ポールポジションの赤白マクラーレンでも深紅のフェラーリでもなく、このモナコでデビュー2年目のジャン・アレジが駆る、非力なV8エンジンで3番グリッドを獲得した奇抜なフロントウイングを持ったマシン、ティレル019に向けられていました。

そしてティレル019は、1990年モナコグランプリを席巻するのでありました。

ティレル019は、当時第二次F1ブームを牽引した中嶋悟選手と、当時新進気鋭のドライバーであったジャン・アレジ選手のドライブで、その後のF1のデザインに新しいトレンドを巻き起こした画期的なマシンとなったのでした。

この写真は2016年『SUZUKA Sound of ENGINE 2016』での一コマです。

ホンダやトヨタが主催する感謝祭などで、ヒストリックカーを目にすることはありますが、当然ながら走行する車両は自社製車両や自社製エンジン搭載車です。

このティレル019はフォードDFRエンジンを搭載のため、なかなかお目にかかることができず、この日初めて観た時は本当に感動しました。

グリッドで穴の空くほど見過ぎでデモ走行の撮影ポイントに間に合わず、息急き切って一番近いグランドスタンドに行き数枚だけ撮ったため、ろくな写真がありません・・・。

グランドスタンドを駆け抜ける2台のティレル019のカーナンバーはともに♯3。

1台は当時と同じ中嶋悟選手が、もう1台には中嶋の息子大佑選手が操ります。

この日の鈴鹿サーキットが当時の気持ちを思い起こさせてくれました・・・。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。