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『Honda Racing 2024 Season Finale』で展示されたマクラーレンMP4/6はどのGPで使用された個体?

2025年3月を最後に取り壊されるホンダ本社。

2024年の暮れ、その1階にあるウエルカムプラザ青山では、最後のビッグイベントとなる『Honda Racing 2024 Season Finale』行われました。

イベントのメイン展示はアイルトン・セナのマクラーレンMP4/6。F1ブーム真っ只中の私としては、ブームの中心的マシンをじっくりと観てみたく会場入り。当日は穴の開くほど観察し撮影してきました。

ここで疑問が湧きました。ホンダ所有のこのマクラーレンMP4/6は、どのグランプリで使用された個体なのか。

そこで今回はマシンの外観から推測してみます。結果はハッピーエンドではありませんが、興味のある方はお付き合いくださいね。

ブラック縁取りのクリアウインドシールドは第5戦以降

Honda Racing 2024 Season Finaleより

コクピット前、クリア樹脂のウインドシールドですが、開幕時はマールボロレッドで塗装され、そこにTAG HEUERのロゴが貼られていました。

クリア樹脂になりTAG HEUERのロゴがノーズのカーナンバー下に移動したのが第4戦モナコグランプリの決勝から(セナのみ)なので、少なくとも開幕3戦仕様ではないことが判明。

マシンをよく見るとウインドシールド下にブラックで縁取りがあります。

これはモナコグランプリでは見られなかった仕様。ブラックの縁取りは次戦カナダグランプリからなので、第4戦以降のマシンと判明しました。

レッドのミラーカバーとブラックのミラーステーは中盤戦まで

Honda Racing 2024 Season Finaleより

マールボロレッドのミラーカバーとブラックのミラーステーは前半戦仕様。第5戦カナダグランプリのフリー走行からミラーカバーとステーがホワイト一色の新型ミラーを使い始めるも、決勝では従来型を使用。第9戦ドイツグランプリまで決勝では従来型マールボロレッドのミラーを使用します。

第10戦ハンガリーグランプリ決勝から13kg軽量化した新型シャシーになり、ミラーはホワイトになります。

ということで、『Honda Racing 2024 Season Finale』で展示されたマクラーレンMP4/6は、第5戦カナダグランプリから第9戦ドイツグランプリまでの仕様ということがわかりました。

ラジエター熱気の排出口は全開

Honda Racing 2024 Season Finaleより

次はサイドポッド側面のラジエター熱気の排出口に注目。

ここはグランプリ毎に開口部を完全に閉めたり、部分的に塞いだりしていましたが、このマシンは全開。

第5戦カナダグランプリと第8戦イギリスグランプリでは下部を1/3ほど塞いでいたので、カナダとイギリス仕様ではないことが判明。

熱対策必至の高地第6戦メキシコグランプリ、真夏の第7戦フランスグランプリ、第9戦ドイツグランプリの3戦に絞られました。

前後ウイングが怪しい・・・

Honda Racing 2024 Season Finaleより

次はリヤウイング。

メインエレメントはダウンフォース重視。かなり大型のリヤウイングが装着されていることがわかります。

そしてリヤ翼端版は前面下部に切り欠きのない、開幕戦アメリカグランプリと第2戦ブラジルグランプリ、そして第4戦モナコグランプリの3レースで使われたタイプです。

ブラジルグランプリ(セナの地元初優勝のレースね)はもっと軽いリヤウイングなので、ダウンフォースが目一杯欲しいアメリカグランプリかモナコグランプリの仕様ですね。

Honda Racing 2024 Season Finaleより

あれ!? ロワウイングがない!!

ということで、マシン本体とリヤウイングは別の仕様ということが判明。

第4戦モナコグランプリを最後にお役御免となったリヤウイングを後から装着し、三十余年という長い年月の間に、ロワウイングがなくなったと推測します・・・。

Honda Racing 2024 Season Finaleより

そしてフロントウイング翼端版から生える、当時流行のボーテックスジェネレーターがない・・・。このマシン怪しいなあ・・・。

マシンの正体はショーカーだった

Honda Racing 2024 Season Finaleより

ブラック縁取りのクリアウインドシールドで第5戦以降と判明し、ミラーカバーとミラーステーのカラーリングから第5戦から第9戦に絞り込まれ、全開のラジエター熱気の排出口から第6戦メキシコグランプリ、第7戦フランスグランプリ、第9戦ドイツグランプリの3レースの仕様だと判明した『Honda Racing 2024 Season Finale』で展示されたホンダ所有のマクラーレンMP4/6ですが、それ以上わからない。

そこでネットを駆使して徹底的に調べてみたところ、ホンダはMP4/6を2台所有しているようです。

そのうちの1台は動態保存されているシャシーナンバー9。

2018年F1日本GPにて

2018年日本グランプリでデモ走行したこの個体です。

ただ、こちらはカーナンバー2のベルガー車。

そして『Honda Racing 2024 Season Finale』で展示されていたもう1台のカーナンバー1のMP4/6は、展示専用のいわゆるショーカー。

今回は確認できませんでしたが、コクピット脇のプレートには『MP4/6/SSC/33』(SSC=ショーカー)と書かれているようです。

まあ、マシンの仕様とリヤウイングの仕様が違っていたり、ボーテックスジェネレーターが装着されておらず、怪しいと思っていましたが、やっぱりか・・・。

実戦には使用されていないマシンという結果でちょっと残念でしたが、まあ、ホンダが展示しているので、半分ホンモノということにしましょう・・・ね!?

以上、最後までご覧いただきましてありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。