FIA-F2は前身のGP2も含めて、現在F1で活躍するドライバーを多く輩出してきたF1直下のカテゴリーだ。
そのFIA-F2で本日のベルギーラウンドにて今期2度目の勝利をあげた、今注目の日本人ドライバーがいる。
角田裕毅選手。
レッドブルのドライバー選定を統括する、モータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコが、今もっとも注目する若手ドライバーのひとりだが、今回はその角田裕毅選手について書いてみたいと思う。
角田裕毅のプロフィール
国籍 | 日本 |
生年月日 | 2000年5月11日 |
出身 | 神奈川県相模原市 |
身長 | 159cm |
体重 | 54kg |
血液型 | AB型 |
角田裕毅選手は2000年5月11日、神奈川県相模原市生まれ。
身長は日本人平均身長よりも10cm以上低い159cmで体重は54kg。
以前レギュレーションはマシン重量を最低重量として定めていたが、現在はドライバーも含めた総重量で制定されている。
そのため体重が軽いことは以前よりもメリットは少なくなったが、それでもバラストを好位置に詰めるため軽い方がメリットはあるし、身長が低いことも空力面のメリットがある。
角田裕毅のレース戦績
年 | 参戦カテゴリー | シリーズ順位 |
2005年 | カートを始める | |
2006年 | 中井インターサーキット キッズクラス | シリーズチャンピオン |
2007年 | 東日本ジュニア コマ-60 | |
2008年 | 茂原ウエストカップシリーズ | シリーズチャンピオン |
2009年 | 東日本ジュニア エキスパートクラス | シリーズ3位 |
2010年 | JAFジュニアカート選手権 FP-Jrカデットクラス | シリーズ6位 |
新東京NTCカップシリーズ ヤマハカデットオープンクラス | シリーズチャンピオン | |
ハルナカップシリーズ ヤマハカデットオープンクラス | シリーズ2位 | |
2011年 | JAFジュニアカート選手権 FP-Jrカデットクラス | シリーズ5位 |
新東京NTCカップシリーズ ヤマハカデットオープンクラス | シリーズチャンピオン | |
ハルナカップシリーズ ヤマハカデットオープンクラス | シリーズチャンピオン | |
2012年 | JAFジュニアカート選手権 FP-Jrクラス | シリーズ3位 |
2013年 | JAF地方カート選手権 FS125クラス東地区 | シリーズチャンピオン |
ツインリンクもてぎカートレースシリーズ X30クラス | シリーズチャンピオン | |
2014年 | JAF全日本カート選手権 FS125クラス | シリーズ11位 |
2015年 | JAF全日本カート選手権 FS125クラス | シリーズ2位 |
2016年 | JAF全日本カート選手権 KFクラス | シリーズ4位 |
スーパーFJドリームレース (F1日本GP前座) | 優勝 | |
スーパーFJ日本一決定戦 | 優勝 | |
FIA-F4日本選手権 第11戦 | 2位 | |
FIA-F4日本選手権 第12戦 | 4位 | |
2017年 | JAF-F4東日本シリーズ | シリーズチャンピオン |
JAF-F4日本一決定戦 | 優勝 | |
FIA-F4日本選手権 | シリーズ3位 | |
2018年 | FIA-F4日本選手権 | シリーズチャンピオン |
2019年 | ユーロフォーミュラオープン | |
FIA-F3 | シリーズ9位 | |
マカオGP | ||
2020年 | FIA-F2 |
角田裕毅が参戦するFIA-F2とは
角田裕毅選手が今年から参戦するFIA-F2とは、どのようなカテゴリーなのか?
FIA-F2の前身はGP2というカテゴリーで、F1の直下カテゴリーとして、かつてのF1界のドンであるバーニー・エクレストンが中心となり2005年に発足した。
初年度からチャンピオンを獲得したニコ・ロズベルグがF1に進出し、翌2006年も同じくチャンピオンのルイス・ハミルトンがF1に参戦し、両者はF1参戦初年度から速さを見せて、GP2のレベルの高さを知らしめた。
ちなみに両者はのちにF1でチャンピオンを獲得することになる。
その後もチャンピオンを獲得したドライバーは毎年のようにF1に進出し、F1ドライバーになるための登竜門としての位置を確立することになる。
2017年にGP2を引き継ぐ形でFIA-F2という名称になったが、初年度からシャルル・ルクレール、翌年はジョージ・ラッセルと、名称が変わってもレベルの高さは変わらない。
年 | チャンピオンドライバー | F1所属チーム |
---|---|---|
2005 | ニコ・ロズベルグ | ウィリアムズ・メルセデス |
2006 | ルイス・ハミルトン | マクラーレン・メルセデス |
2007 | ティモ・グロック | ジョーダン・トヨタ・ヴァージン・マルシャ |
2008 | ジョルジオ・パンターノ | ジョーダン |
2009 | ニコ・ヒュルケンベルグ | ウィリアムズ・フォースインディア・ザウバー・ルノー・レーシングポイント |
2010 | パストール・マルドナド | ウィリアムズ・ロータス |
2011 | ロマン・グロージャン | ルノー・ロータス・ハース |
2012 | ダヴィデ・ヴァルセッキ | |
2013 | ファビオ・ライマー | |
2014 | ジョリオン・パーマー | ルノー |
2015 | ストフェル・バンドーン | マクラーレン |
2016 | ピエール・ガスリー | トロロッソ・レッドブル・アルアタウリ |
2017 | シャルル・ルクレール | ザウバー・フェラーリ |
2018 | ジョージ・ラッセル | ウィリアムズ |
2019 | ニック・デ・フリーズ |
※2017年以降FIA-F2
角田裕毅がF1に参戦するためには
FIA-F2ドライバーは1年目にマシンやタイヤを学び、2年目にタイトルを獲得するドライバーが多い。
しかし角田裕毅は早くも2勝をあげ(8月31日現在)、1年目からタイトル争いを繰り広げている。
慣れないFIA-F2でポールポジションを獲得する速さとともに、F1参戦に意欲を見せる周りのドライバーがレーシングラインを残さぬバトルをするのを尻目に、ぶつからずに切り抜ける、周囲が見えた走りをする。
角田裕毅のレースを観ていると、速いがぶつからないというドライバー。
過去にこんな素晴らしいレーシングドライバーがいただろうか・・・。
角田裕毅がF1に参戦するための条件として、4年間に40ポイントのスーパーライセンスポイントが必要だが、FIA-F2のシリーズランキングの上位3人には40ポイントが付与されることからもF1を目指す同年代のドライバーがこぞって参戦する。
F2シーズン順位 | スーパーライセンスポイント |
---|---|
1位 | 40ポイント |
2位 | 40ポイント |
3位 | 40ポイント |
4位 | 30ポイント |
5位 | 20ポイント |
角田裕毅選手は下位カテゴリーですでに19ポイントのスーパーライセンスポイントを稼いでおり、2020年にシリーズ4位以内に入れば30ポイントを加算することができ、F1に参戦する資格を獲得できる。
しかし是非ともFIA-F2チャンピオンとしてF1に参戦してもらいたいものだ。
最後に
レッドブルとアルファタウリのドライバー選定を一手に行う、元F1ドライバーのヘルムート・マルコは、今年のF1アブダビテストで角田裕毅をアルファタウリのマシンに乗せると明言した。
マルコはF3の頃から角田裕毅の走りに感銘を受けてきた、という。
角田裕毅はレッドブルジュニアチームであるのと同時にホンダ育成ドライバーの一員でもあり、マルコはレッドブルのパートナーであるホンダに敬意を払ってのリップサービスなのか?
いや、レースを知り抜いた御大は、リップサービスがもっとも苦手で、物事の本質をズバッとつく。
その氏が絶賛しているのだから、やはりマルコの発言は本気なのだろう。
2021年には角田裕毅が開幕のメルボルンに訪れ、アルファタウリのマシンに乗っている姿が見られるのか?
まあ、いずれにせよ、2014年小林可夢偉以来の日本人F1ドライバーが、まもなく誕生しそうだ。
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。
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