2022年1月25日に日産が2022年シーズンのスーパーGT GT500クラスの体制を発表し、これでトヨタ・ホンダ・日産の全15チームのラインナップが決定した。
2022年シーズンは、契約タイヤに関しては変更がなく、タイトルスポンサーに関しても大きな変更は無かったが、新たなマシン、日産Z GT500がデビューする。
そしてジュリアーノ・アレジのGT500デビューや、松下信治のホンダ復帰、ディフェンディングチャンピオン関口雄飛のチーム移籍など、ドライバーの変更も多くあった。
そこで今回は、2022年スーパーGT GT500クラス全15チームの体制を紹介してみようと思う。
トヨタ系GT500チームの2022年ラインナップ
2021年シーズンの最終戦で見事GT500チャンピオンを決めたトヨタは、2021年12月に2022年のスーパーGTの体制を発表をした。
それではトヨタのGT500ラインナップを、チームごとに詳しく見ていこう。
トムス(36号車)
ドライバー | 坪井翔 G.アレジ |
カーナンバー | 36 |
タイヤ | ブリヂストン |
メインスポンサー | au |
2021年のシリーズ順位 (ドライバー) | 1位 |
2021年のシリーズ順位 (チーム) | 1位 |
近年は37号車に先行されることが多かったが、2021年シーズンは最終戦で奇跡の大逆転でドライバーズとチームズのダブル王者に輝いたトムス36号車。
その王者トムスの今年の注目はドライバーラインナップ。
昨年のチャンピオンドライバーである関口雄飛に変えて、今年からジュリアーノ・アレジが坪井翔のチームメイトとしてチームに加わるのだ。
F1の名門フェラーリのエースとして、数々の記憶に残るレースを繰り広げたジャン・アレジと、日本の大女優であるゴクミこと後藤久美子を両親に持つジュリアーノ・アレジは、まさにサラブレッド。
そんな話題の多いアレジが加入すれば、トムスにとってスポンサー集めも容易になるだろう。
ただ彼は両親の話題だけではなく、GP3やFIA-F2でも多くの経験を積み、昨年はスーパーフォーミュラでも優勝を遂げた実力派。
そんなアレジが加入する2022年のトムス36号車は、今年もシリーズの中心になるだろう。
なお、トムスは体制発表の時点ではチャンピオンナンバーの1は使用せず、カーナンバー36を継続して使うことを発表している。
トムス(37号車)
ドライバー | S.フェネストラズ 宮田莉朋 |
カーナンバー | 37 |
タイヤ | ブリヂストン |
メインスポンサー | KeePer技研 |
2021年のシリーズ順位 (ドライバー) | 7位/14位/17位 |
2021年のシリーズ順位 (チーム) | 7位 |
毎年チャンピオンシップ争いを繰り広げてきたトムス37号車だが、昨年は未勝利に終わり、今年に勝負をかける。
そんなトムス37号車も今年からドライバーをチェンジする。
長年チームの柱として活躍した平川亮がWECに挑戦するためチームを離脱し、その穴を埋めるのがレーシングプロジェクトバンドウから移籍する若き宮田莉朋。
2020年、全日本F3で17戦12勝という圧倒的な強さを見せた若者が、実力派のサッシャ・フェネストラズと組み、2022年のスーパーGTをかき回してくれるだろう。
ルーキーレーシング
ドライバー | 大嶋和也 山下健太 |
カーナンバー | 14 |
タイヤ | ブリヂストン |
メインスポンサー | ENEOS |
2021年のシリーズ順位 (ドライバー) | 5位 |
2021年のシリーズ順位 (チーム) | 4位 |
モータースポーツ好きとして知られるトヨタ自動車社長の豊田章男(モリゾウ)のプライベートチームであるルーキーレーシングは、スーパーGT GT500クラスでもっとも若いチームでありながらも2021年はチャンピオンシップに絡む活躍を見せた。
2022年1月、そんなルーキーレーシングからビッグニュースが発表された。
長年トムスで数々のチャンピオンを獲得した東條力エンジニアが、ルーキーレーシングに加入したのだ。
経験の浅いルーキーレーシングの中で、スーパーGT No.1とも言われる東條エンジニアの加入は、大きな力になる。
また世界でも稀なタイヤ戦争がある参戦するスーパーGTでは、レース戦略が非常に重要なファクターとなるため、幾多の経験をしてきた東條エンジニアが勝利へ導いてくれるであろう。
ドライバーは、2019年のチャンピオンコンビである、レースで安定感抜群の大嶋和也と一発の速さが売りの山下健太が、今年もステアリングを握る。
レーシングプロジェクトバンドウ
ドライバー | 国本雄資 阪口晴南 |
カーナンバー | 19 |
タイヤ | ヨコハマ |
メインスポンサー | ウェッズ |
2021年のシリーズ順位 (ドライバー) | 11位 |
2021年のシリーズ順位 (チーム) | 11位 |
レーシングプロジェクトバンドウのドライバーも今年から変更。
昨年コロナ禍の中で、序盤戦から中盤戦にかけて入国できなかったサッシャ・フェネストラズの代役として、名門トムスのステアリングを握った阪口晴南が、今年からバンドウのレギュラーシートを射止め、GT500参戦11年目のベテラン国本雄資とタッグを組む。
トヨタ勢で唯一ブリヂストン以外のタイヤを履くバンドウが、ヨコハマ得意の奇襲戦法で、2016年以来の勝利を手にする姿を久々に見てみたい。
セルモ
ドライバー | 立川祐路 石浦宏明 |
カーナンバー | 38 |
タイヤ | ブリヂストン |
メインスポンサー | 善都(ZENT) |
2021年のシリーズ順位 (ドライバー) | 12位 |
2021年のシリーズ順位 (チーム) | 12位 |
セルモのドライバーは、今年も変わらず立川祐路と石浦宏明の超ベテランコンビ。
立川祐路は全日本GT選手権時代の1999年にセルモに加入し、今年で驚きの24年目となり、チーム所属8年目の石浦宏明とタッグを組む。
全日本GT選手権から数えて、2001年、2005年、2013年と3度のドライバーズチャンピオンを獲得している名門チームだが、昨年一昨年と2年連続して未勝利が続いている。
今年は2019年第2戦以来の勝利を見たい。
サード
ドライバー | 関口雄飛 中山雄一 |
カーナンバー | 39 |
タイヤ | ブリヂストン |
メインスポンサー | デンソー 神戸製鋼所(KOBELCO) |
2021年のシリーズ順位 (ドライバー) | 13位 |
2021年のシリーズ順位 (チーム) | 9位 |
2015年から7シーズンに渡りエースとして活躍した、F1で優勝経験のあるヘイキ・コバライネンが2021年を最後にチームを去り、昨年のチャンピオンドライバーである関口雄飛が今年から加入したサード。
華やかなトヨタ系のGT500チームの中ではやや地味な感もあるチームだが、2020年からトヨタモータースポーツアンバサダーの脇阪寿一が監督に就任してからは、徐々にメディア等への露出も増えている。
そして今年はディフェンディングチャンピオンの加入で、一気に注目のチームになるだろう。
次のページでは、ホンダ系GT500チームの2022年ラインナップを紹介します!
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