フェラーリ・F10
- 出走時期・・・2010年
- デザイナー・・・アルド・コスタ、ニコラス・トンバジス
- エンジン・・・Tipo056
- ドライバー・・・フェリペ・マッサ、フェルナンド・アロンソ
こちらは2010年仕様のフェラーリF10です。
フェラーリ最強時代の頃のようなホワイト塗装の前後ウイングが復活しました。
それにも増して目を引くのがエンジンカウルに取り付けられたシャークフィン。何か大きなものを載せているみたいですが、個人的には嫌いではないです。
この上端にはコクピットサイドからダクトが繋がっていて、ドライバーがそのダクトを手の甲で開け閉めすることによって、リヤウイングに導かれる空気を調整させていたんですよね。
たしか通称Fダクトだったような。
成績はというと、この年から加入したフェルナンド・アロンソが選手権で善戦しましたが、惜しくも2位という結果(コンストラクターズ順位は3位)でした。
こちらは当時購入したマテル製です。
そしてこちらはデアゴスティーニF1マシンコレクションシリーズの製品です。
シャークフィンに描かれている800の文字は、フェラーリF1参戦800戦目を記念して描かれたものです。
フェラーリ・150°イタリア
- 出走時期・・・2011年
- デザイナー・・・アルド・コスタ、ニコラス・トンバジス
- エンジン・・・Tipo056
- ドライバー・・・フェルナンド・アロンソ、フェリペ・マッサ
2011年のマシンはフェラーリ150°イタリアです。
ちょっと変わった名前ですが、フェラーリは当初イタリア統一150周年を記念してF150と命名したんですが、F-150の商標権を持つフォードが所有権の侵害で訴えるぞ、と言い、フェラーリはF150thイタリアに変更した後さらに150°イタリアに変更したのです。
まあ、いずれにしても変わった名前ですね。
2009年を最後にF1を撤退したTMG(トヨタのF1拠点だった施設)の風洞も使用して製造された150°イタリアは、前年のF10に比べるとノーズ先端が高くなりそしてフロントウイングのステーもかなり形状が変化していますね。
Fダクトや大きなシャークフィンが規制され、リヤも形状変更されました。
個人的には丸型になったインダクションポッドがちょっと可愛らしく思います。
あっ、前年にブリヂストンが撤退し1999年から続いた関係が終わり、この年からピレリのワンメイクになりましたね。タイヤウォールのピレリのロゴがちょっと違和感・・・。
前年はドライバーズタイトル目前まで行った成績ですが、この年はドライバーズ4位(アロンソ)、コンストラクターズ3位と厳しいシーズンでした。
こちらは当時購入したマテル製です。
私はよくサーキットのジオラマをバックにF1マシンを撮影していますが、そんな時にはドライバーのフィギアがよく映えます・・・が、台座の上に置いて撮影するとフィギアは要らないかな。
フェラーリ・F2012
- 出走時期・・・2012年
- デザイナー・・・パット・フライ、ニコラス・トンバジス
- エンジン・・・Tipo056
- ドライバー・・・フェルナンド・アロンソ、フェリペ・マッサ
こちらは2012年のフェラーリF2012です。マシン名が2008年以来でF+西暦に戻りましたね。
2007年からフェラーリのマシンを設計していたアルド・コスタがメルセデスに移籍したため、この年からパッド・フライとニコラス・トンバジスが中心となり設計しています。
で、マシンはというと、このマシンクラッシュしたの??もちろん違います・・・。
この年はレギュレーションによりマクラーレンを除くすべてのチームが段付きノーズに変貌し、物議を醸しました(あまりのカッコ悪さにFIAはその後化粧パネルを装着できるようにレギュレーションを変更しました)。
そして150°イタリア以前の鋭く尖ったノーズ先端はベローンと潰れて・・・酷いなあ。
目を見張るのがフロントサスペンション。
ミニカーの写真でも分かるとおりF1で一般的なプッシュロッドではなくノーズサイドの低い位置にロッドが付くプルロッドを採用しています!
空力的には有利だろうけど、速かったプルロッドのマシンの記憶がない・・・。
そんな不細工で珍しいフロントサスペンション構造を持ったフェラーリF2012でしたが意外と善戦し、ドライバーズとコンストラクターズの選手権順位はともに2位でした。
こちらは不細工なF2012のマテル通常バージョンです。
フェラーリF2012の詳しい記事を下記で書いていますので、よかったらどうぞ。
フェラーリ・F138
- 出走時期・・・2013年
- デザイナー・・・パット・フライ、ニコラス・トンバジス、シモーネ・レスタ
- エンジン・・・Tipo0
- ドライバー・・・フェルナンド・アロンソ、フェリペ・マッサ
2013年はフェラーリF138。名称は2013年のV型8気筒から取られています。
不細工だったF2012のノーズの段差は上面に化粧パネルが装着されて、コクピットからピンっと一直線になりましたね(それにしても高いノーズ)。
伝統の蛍光レッド(いや伝統といえば深紅ですね?)の下部にはホワイトのラインが施され、その下にはブラック塗装。さらにノーズ付け根には久々にトリコローレのアクセントもあり、かなりカラーリングにチカラを入れています。
サスペンションは前年から引き続き少数派のプルロッドを採用。そしてこの年は長く続いた2.4L V型8気筒最後の年でしたね。
そんな2013年の成績は、手をつけられないほどの強さを見せたレッドブルに大きく引き離された2位(アロンソ、コンストラクターズでは3位)でした。
ミニカーは1950年代から今回の記事のメインで写真を紹介していたアシェットフェラーリF1コレクションがこの頃で終了したので、ここからはデアゴスティーニF1マシンコレクションが中心になります。
フェラーリF138については下記の記事で詳しく書いていますので、よかったらどうぞ。
フェラーリ・F14 T
- 出走時期・・・2014年
- デザイナー・・・ニコラス・トンバジス、ロリー・バーン、ジェイムズ・アリソン
- エンジン・・・Tipo059/3
- ドライバー・・・フェルナンド・アロンソ、キミ・ライコネン
2014年のマシンがフェラーリF14 Tです。
パッド・フライが離脱しF14 Tの設計はニコラス・トンバジス、ロリー・バーン、ジェイムズ・アリソンの体制で行われました。
まあバーンは半分隠居状態ですが、大変革の年だったのでかなり設計に助言したのでしょうかね。
そう、この年からF1は1.6L V型6気筒直噴ターボ+電気モーターのパワーユニット時代に突入します。
マシンの形状はまずフロントノーズがレギュレーションにより低くなり、ウイングは15cmも幅が狭くなります。
もはや前年のF138とはまったく違います。
そんなF14 Tをお見せしたいのですが・・・ミニカーないんです。持ってません・・・。すみません。
フェラーリ・SF15-T
- 出走時期・・・2015年
- デザイナー・・・シモーネ・レスタ
- エンジン・・・Tipo059/4
- ドライバー・・・セバスチャン・ベッテル、キミ・ライコネン
フェラーリの2015年マシンがフェラーリSF15-Tです。
ちなみに前年のF14 Tは4とTの間は空白ですがこちらは-(ハイフォン)が入ります。ホントフェラーリのマシン名称って一貫性がありませんよね。
さて、この年はニコラズ・トンバジスなど旧設計者がフェラーリを離脱し、シモーネ・レスタが中心に行われます。
この年のノーズデザインはショートノーズ派とロングノーズ派に別れましたが、レスタのフェラーリはロングノーズを採用します。
この長く伸びたノーズは1990年の641/2を思い起こしますね(私だけ?)。
フロントサスペンションは相変わらず少数派のプルロッドです。
そんな2015年のフェラーリの成績は前年からやや持ち直し、3勝をあげてメルセデスに大きく離れてはいるものの2番目に速いマシンになりました。
こちらは同じデアゴスティーニF1マシンコレクションシリーズのキミ・ライコネンのマシンです。
フェラーリSF-15について下記の記事で詳しく書いているので、よかったらどうぞ。
フェラーリ・SF16-H
- 出走時期・・・2016年
- デザイナー・・・シモーネ・レスタ
- エンジン・・・Tipo061
- ドライバー・・・セバスチャン・ベッテル、キミ・ライコネン
2016年のマシンはフェラーリSF16-Hです。
前年SF15-Tのフロントウイングから飛び出たロングノーズから一転ショートノーズになり、他のチームも採用するあの不細工な突起がチョコンと取り付けれている・・・ダサいです。
フロントサスペンションは長年採用した少数派のプルロッドから一般的なプッシュロッドになりました。
そしてカラーリングはマシン上部にホワイトが多用され、あの1970年代の312Tや312T2のようですね。
ただしミニカーは・・・すみません、持ってません。
フェラーリ・SF70H
- 出走時期・・・2017年
- デザイナー・・・マッティア・ビノット、シモーネ・レスタ
- エンジン・・・Tipo062
- ドライバー・・・セバスチャン・ベッテル、キミ・ライコネン
2017年はフェラーリSF70Hです。
F1はこの年から20cmも全幅が幅広になり、よりバカデカくなりましたね。
ノーズ先端はこの年も突起を持った残念なショートノーズを前年から継承します。
マシン後方を見ると2010年のF10以来の大型シャークフィンが目を引き、その後方にTウイングが取り付けられます。それにしてもこのTウイングの強度大丈夫だったのかなあ。
サイドポッドに目を移すと、びろーんと横に長い独特の開口部を持っています。
そしてその開口部の上には、通常サイドポッド内にある側面衝撃吸収構造を空力デバイスとして使用していました。
そういえば2022年のメルセデスW11もこんな機構で、フェラーリを含めた他チームから文句を言われていたような・・・フェラーリ文句言えないじゃん。
さて成績はというと、両選手権ともに2位とある程度善戦しました。
フェラーリSF70Hについては、下記の記事で詳しく書いていますのでよかったらどうぞ。
フェラーリ・SF71H
- 出走時期・・・2018年
- デザイナー・・・マッティア・ビノット、シモーネ・レスタ
- エンジン・・・Tipo062 EVO
- ドライバー・・・セバスチャン・ベッテル、キミ・ライコネン
2018年のフェラーリマシンの名称はフェラーリSF71Hです。
このマシンの最大の特徴はHaloの装着。
レギュレーションによりドライバーの頭部を守るために取り付けられたこのHaloですが、装着当初はダサっと思いました。
しかし現在では無いと逆に物足りない・・・完全に目が慣れました。
サイドポッドの開口部付近はさらに複雑になり、そしてこのフロントウイングはなんだっ!?羽根多すぎだろ!
あまりにも行き過ぎたフロントウイングの開発競争により、FIAは翌年から5枚のエレメントまでと規制しました。
成績はこの年もメルセデスに次ぐ2位(両タイトルともに)。もはや定位置となりました。
フェラーリSF71Hについては、下記の記事で詳しく書いていますのでよかったらどうぞ。
フェラーリ・SF90
- 出走時期・・・2019年
- デザイナー・・・マッティア・ビノット
- エンジン・・・Tipo064
- ドライバー・・・セバスチャン・ベッテル、シャルル・ルクレール
2019年のマシンがフェラーリSF90です。
このマシンの最大の特徴がカラーリング。
一見すると前年まで蛍光レッドにホワイトとブラックだったけどホワイトが無くなったのね、って思ってしまうけど、じつは蛍光レッドに光沢が無い!そうこの年からフェラーリはマシン軽量化のためにクリア塗装を廃し、マッド塗装に変更しました。
その見た目は酷く、私も日本グランプリではじめてマシンを観た時、鳥居のような朱色じゃん!とフェラーリらしからぬダサさに幻滅しました。
さて、マシンに目を移すと、先ほども書いたとおりフロントウイングのフラップが5枚に規制され、またサイドポッド開口部付近の空力もある程度規制されていて、全体的にかなりシンプルになっています。
そんな朱色のフェラーリの成績ですが、後半にエンジンのパワーアップが図られポールポジション獲得の連続で、決勝でもトップを走ることが多くなりましたが、他チームからエンジンの不正を指摘され、FIAの視察後は突如成績を落とし、ドライバーズ選手権ではメルセデスの2人だけでなく、レッドブルのマックス・フェルスタッペンにも先行されてしまいました。
フェラーリSF90について詳しく知りたい方は、下記の記事で書いていますのでよかったらどうぞ。
フェラーリ・SF1000
- 出走時期・・・2020年
- デザイナー・・・
- エンジン・・・Tipo065
- ドライバー・・・セバスチャン・ベッテル、シャルル・ルクレール
2020年のフェラーリマシンがSF1000です。
さあ、2020年代に入り残りあとわずかです・・・が、すみません、ここからはミニカーがまだありません。
基本的には前年のSF90からの進化型のSF1000ですが、リヤの絞り込みなど、空力の見直しを行ったらしいのですが成績は低迷します。
低迷の原因は前年後半に問題になったエンジン。FIAの査察以降パワーが奈落の底まで落ちてしまいました。
怪しい、というか、絶対にやってますね。
そういえば先日紹介した下記の冊子に書いてありましたが、F1は燃料流量が決まっているのですが当時FIAがデータ採りするのはガソリンタンクの直後でした。
そこで計測装置の直後の配管に燃料を貯めておいて、それを予選一発で一気に放出した(その後計測器の位置を改善)らしいです。
おそらくどのエンジンメーカーも行っていたことですが、フェラーリは派手にやりすぎたのでしょうか?(すみません推測です)
まあ、難しいことはよくわかりませんが、フェラーリは低迷し、コンストラクターズ選手権ではなんと6位まで落ち込みました。
フェラーリ・SF21
- 出走時期・・・2021年
- デザイナー・・・
- エンジン・・・Tipo065/6
- ドライバー・・・シャルル・ルクレール、カルロス・サインツ
フェラーリの2021年マシンがフェラーリSF21です。
この年は新型コロナウイルスの影響もあり、レギュレーションにより前年型から大きな改良ができませんでした(変更点はパワーユニットとギアボックス、そしてリアサスペンション)。
そんなことでボディラインは前年型のSF1000を踏襲していましたが、SF21はカラーリングがちょっぴり素敵なんです。
2019年から続く残念な鳥居色塗装(そんなこと日本人しか言いません)があまりにも酷かったためか、2020年からはやや濃い目になり、そして2021年はマシン後半部が小豆色に。
結構これ個人的には好きなんです。まあ前年に1000レース記念で使った小豆色の塗料が残っていたからだと思うのですが(そんなことはない!)。
この年の成績はというと、前年よりはややパワーユニットがまともになり、なんとかコンストラクターズ3位を獲得できました。
フェラーリ・F1-75
- 出走時期・・・2022年
- デザイナー・・・
- エンジン・・・Tipo066/7
- ドライバー・・・シャルル・ルクレール、カルロス・サインツ
2022年のマシンがフェラーリF1-75です。
いやー、今回は長い長い記事でしたが、やっとここまで辿り着きました(涙)。
この年はマシンのレギュレーションが大幅に変更になり、なんと1982年以来のグランドエフェクトカーになりました。
まずマシンのフロントから見ていくと、1996年前半のF310以来のスラントノーズになりました。F1ブーム世代の私からすると、このオールドスタイルは大歓迎です。
グランドエフェクト効果を発生させるサイドポッドは各チームで考え方が大きく違い、長く大きく張り出したものからゼロポッドと呼ばれる小さなものまでさまざまでしたが、フェラーリはコクピットの前端あたりからリヤサスペンションまで続く長く大きなものにし、全チームで唯一サイドポッドの上にくぼみを持たせました(アップデートでハースも採用)。
そしてそのくぼみからエンジンカウルサイドにかけて、鱗のような排熱ルーバーをがあり、マシンのフォルムはパーフェクト。最高にカッコいいっす!
いや、フォルムだけではない。カラーリングも。
艶消し塗装はこの年も変更ありませんでしたが、その色はさらに濃くなりました。
さらに前後のウイングが1990年代以来のブラック塗装(カーボン地剥き出し?)になったので、深紅のような赤い塗装と黒い前後ウイング、そしてスラントノーズも相まって、1980年代から1990年代みたいな出立になり、F1ブーム世代の私としては涙ものの美しさに見えます。
そのフェラーリ史上でもトップクラスの美しいF1-75は、走ってもトップクラスに速い。
なおかつ『俺たちフェラーリ』が頻繁に発動される(これもフェラーリの愛おしい個性)から、もうSF-75は至高の存在っす。
ミニカー発売されたら絶対に買います、絶対です!!!
すみません、F1-75は大好きなマシンなのでちょっと書き過ぎました・・・。
最後に
今回は1950年のF1開始からミニカーでF1マシンの、またフェラーリマシンの進化について見ていただきました。
まあ、最近の一部のミニカーについては未取得で申し訳ないのですが、こうして見てみると、同じF1マシンでも年代で大きくフォルムが違うことがあらためてわかりますね。
今年のマシンはどこが変化したのだろう?そんなことを考えながらミニカーでマシンを比べてみるのも面白いと思うので、みなさんもミニカー収集に勤しんでくださいね。
では、今回は以上。最後までご覧いただきありがとうございました。