フォーミュラマシンといえば、他のモータースポーツカテゴリーとは違い、軽量の車体で軽やかにコーナーを抜けていく姿が魅力のひとつだ。
しかしそのフォーミュラカーの頂点であるF1マシンは、マシンの重量増加が止まらない・・・。
現在のF1マシンの重量は何kgなのか?そしてF1黎明期から何kg増えているのか?
そこで今回は、F1に最低重量が制定された1961年から、マシンの最低重量増加の歴史を時系列で見ていくことにしよう。
※1995年からF1マシンの最低重量は、ドライバーやヘルメット、レーシングスーツなどを含んだ数値になっているが、今回の記事では1995年以降の最低マシン重量を、ドライバーやヘルメットなどの重量を80kgと仮定して算出している。
F1マシンにはじめて最低重量が制定されたのは1961年
年 | 最低重量 | 1961年からの増加 |
---|---|---|
1950-1960 | 制限なし | – |
1961-1965 | 450kg | – |
1966-1969 | 500kg | +50kg |
1950年からはじまったF1グランプリは、当時最低重量が制定されていなかった。
そのF1にレギュレーションではじめて最低重量が決められたのは1961年。
現在に比べると前後ウイングも無いシンプルな葉巻型F1の最低重量は、現在のレギュレーションよりもかなり軽い450kgに制定された。
そして1966年には、エンジンの排気量が1.5Lから3.0L(NA)に倍増され、そのエンジンの重量増加に伴い、マシンの最低重量も50kg増えて500kgになった。
車重が年々増加する1970年代初頭
年 | 最低重量 | 1961年からの増加 |
---|---|---|
1970-1971 | 530kg | +80kg |
1972 | 550kg | +100kg |
1973-1980 | 575kg | +125kg |
1981-1982 | 585kg | +135kg |
1970年代になると、F1マシンにウイングが装着され、年々最低重量が増加する。
まず1970年に530kgに30kg増加し、1972年にはさらに20kg増え550kgになり、翌1973年にはまた25kg増えて575kgにまでなり、1961年から比べると125kgも増加する。
4年間で75kgも増えたF1マシンの最低重量だったが、その後は安定し1980年まで8年間最低重量は575kgのまま推移した。
そして1981年、10kg増えて585kgになっている。
カーボン素材の登場で軽量化する1980年代
年 | 最低重量 | 1961年からの増加 |
---|---|---|
1983-1987 | 540kg | +90kg |
1988 | NA 500kg 過給器付540kg | NA +50kg 過給機付 +90kg |
1989-1993 | 500kg | +50kg |
1994 | 505kg | +55kg |
F1マシンのモノコックの素材はそれまでアルミハニカムだったが、この頃から軽くて強度があるカーボケプラーに変わる。
そして多くのマシンがカーボン製モノコックになった1983年には、最低重量が585kgから540kgに45kgも軽量化される。
1988年には、ターボの優位性を下げ翌年からはじまるNAを普及させるために、NAエンジン搭載マシンのみ500kgに40kgも軽くなり、ターボが禁止された1989年にはすべてのマシンが500kgになる。
1994年に5kg増え505kgに。これは当時すべてのマシンにオンボードカメラを搭載していなく、オンボード搭載マシンへの不利を解消するためだ。
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