1994年から始まった全日本GT選手権は、スーパーGTに名称を変えながら、長く歴史を紡いできました。
そんな歴史あるカテゴリーにもかかわらず、ネットを閲覧しても過去のデータが少ない。
そこで今回はGTの優勝数を、ドライバー、チーム、メーカー(ブランド)、車種、タイヤに分けて、ランキング形式で紹介してみようと思います。
尚、今回はスーパーGTの公式サイトをもとにチマチマと足し算をしたので、もしかしたら間違いがあるかも。誤りを発見しましたら、コメント欄でやさしーく教えてくださいね。
では、ドライバー優勝回数のランキングから見てみましょう。
2025年現在もGT500クラスに参戦している場合は赤色のアンダーラインで表記。GT300クラスに参戦している場合は黄色のアンダーラインで表記しています。
ドライバー優勝回数ランキング

順位 | ドライバー | 優勝回数 |
---|---|---|
1位 | 松田次生 | 24勝 |
2位 | 立川祐路 | 19勝 |
3位 | R.クインタレッリ | 18勝 |
4位 | 本山哲 | 16勝 |
5位 | B.トレルイエ | 12勝 |
6位タイ | 脇阪寿一 | 11勝 |
6位タイ | 伊藤大輔 | 11勝 |
6位タイ | R.ファーマン | 11勝 |
9位タイ | 野尻智紀 | 9勝 |
9位タイ | 平手晃平 | 9勝 |
9位タイ | 坪井翔 | 9勝 |
9位タイ | 小暮卓史 | 9勝 |
9位タイ | R.ライアン | 9勝 |
9位タイ | J.P.デ・オリベイラ | 9勝 |
15位タイ | 道上龍 | 8勝 |
15位タイ | 大嶋和也 | 8勝 |
15位タイ | 山下健太 | 8勝 |
18位タイ | 中嶋一貴 | 7勝 |
18位タイ | 石浦宏明 | 7勝 |
18位タイ | 山本尚貴 | 7勝 |
18位タイ | 影山正美 | 7勝 |
18位タイ | 伊沢拓也 | 7勝 |
18位タイ | M.クルム | 7勝 |
24位タイ | 柳田真孝 | 6勝 |
24位タイ | 平川亮 | 6勝 |
24位タイ | 塚越広大 | 6勝 |
24位タイ | S.フィリップス | 6勝 |
24位タイ | J.ロシター | 6勝 |
24位タイ | E.コマス | 6勝 |
30位タイ | 飯田章 | 5勝 |
30位タイ | 高木虎之介 | 5勝 |
30位タイ | 関口雄飛 | 5勝 |
30位タイ | N.キャシディ | 5勝 |
30位タイ | L.デュバル | 5勝 |
30位タイ | H.コバライネン | 5勝 |
30位タイ | D.シュワガー | 5勝 |
30位タイ | B.バゲット | 5勝 |
30位タイ | A.ロッテラー | 5勝 |
39位タイ | 福住仁嶺 | 4勝 |
39位タイ | 服部尚貴 | 4勝 |
39位タイ | 竹内浩典 | 4勝 |
39位タイ | 高星明誠 | 4勝 |
39位タイ | 荒聖治 | 4勝 |
39位タイ | 宮田莉朋 | 4勝 |
39位タイ | 井出有治 | 4勝 |
39位タイ | 安田裕信 | 4勝 |
47位タイ | 牧野任祐 | 3勝 |
47位タイ | 土屋圭市 | 3勝 |
47位タイ | 中山雄一 | 3勝 |
47位タイ | 千代勝正 | 3勝 |
47位タイ | 松下信治 | 3勝 |
47位タイ | 佐々木大樹 | 3勝 |
47位タイ | 国本雄資 | 3勝 |
47位タイ | 高橋国光 | 3勝 |
47位タイ | 金石勝智 | 3勝 |
47位タイ | 関谷正徳 | 3勝 |
47位タイ | 影山正彦 | 3勝 |
47位タイ | T.コロネル | 3勝 |
47位タイ | R.シューマッハ | 3勝 |
47位タイ | J.ニールセン | 3勝 |
47位タイ | J.デュフォア | 3勝 |
47位タイ | G.アレジ | 3勝 |
47位タイ | F.マコヴィッキィ | 3勝 |
47位タイ | A.カルダレッリ | 3勝 |
65位タイ | 鈴木亜久里 | 2勝 |
65位タイ | 野田英樹 | 2勝 |
65位タイ | 平峰一貴 | 2勝 |
65位タイ | 長谷見昌弘 | 2勝 |
65位タイ | 中子修 | 2勝 |
65位タイ | 谷川達也 | 2勝 |
65位タイ | 大湯都史樹 | 2勝 |
65位タイ | 星野一義 | 2勝 |
65位タイ | 織戸学 | 2勝 |
65位タイ | 松田秀士 | 2勝 |
65位タイ | 松浦孝亮 | 2勝 |
65位タイ | 笹原右京 | 2勝 |
65位タイ | 黒澤琢弥 | 2勝 |
65位タイ | 光貞秀俊 | 2勝 |
65位タイ | W.ガードナー | 2勝 |
65位タイ | P.デ・ラ・ロサ | 2勝 |
65位タイ | A.リード | 2勝 |
65位タイ | A.クート | 2勝 |
83位タイ | 片岡龍也 | 1勝 |
83位タイ | 武藤英紀 | 1勝 |
83位タイ | 飯田薫 | 1勝 |
83位タイ | 田嶋栄一 | 1勝 |
83位タイ | 田中哲也 | 1勝 |
83位タイ | 大津弘樹 | 1勝 |
83位タイ | 太田哲也 | 1勝 |
83位タイ | 小林崇志 | 1勝 |
83位タイ | 小林可夢偉 | 1勝 |
83位タイ | 山路慎一 | 1勝 |
83位タイ | 山本左近 | 1勝 |
83位タイ | 山西康司 | 1勝 |
83位タイ | 三宅淳詞 | 1勝 |
83位タイ | 阪口晴南 | 1勝 |
83位タイ | 細川慎弥 | 1勝 |
83位タイ | 金石年弘 | 1勝 |
83位タイ | 近藤真彦 | 1勝 |
83位タイ | 岡田秀樹 | 1勝 |
83位タイ | 横溝直輝 | 1勝 |
83位タイ | S.フェネストラズ | 1勝 |
83位タイ | P.ダンブレック | 1勝 |
83位タイ | O.ララウリ | 1勝 |
83位タイ | M.グーセン | 1勝 |
83位タイ | J.バトン | 1勝 |
83位タイ | F.カルボーン | 1勝 |
83位タイ | D.ブラバム | 1勝 |
83位タイ | C.ヴァン・ダム | 1勝 |
スーパーGTと全日本GT選手権に参戦したドライバーの中で最多勝は松田次生選手で、積み上げた勝利の数は、なんと24回に上ります。
サクセスウエイトがあり年間の複数回優勝は非常に難しいスーパーGTで、これだけの勝利数を記録した松田選手のこの記録は凄まじいの一言。
2025年現在もGT500クラスに参戦する松田次生選手なので、今後の記録更新を期待したいですね。
その松田選手を追う現役GT500ドライバーはともに9勝のホンダのエース野尻智紀選手と名門トムスの坪井翔選手。
特に坪井選手は、2023年と2024年の2シーズンで6勝と猛追しています。
宮田莉朋選手が戦いの場をヨーロッパに移した際、坪井選手は、「自分は国内で頑張ります」と話していましたが、長くスーパーGTのトップで活躍すれば記録更新も夢ではありません。
その他、2025年時点での現役勢では、8勝の山下健太選手と大嶋和也選手、7勝の石浦宏明選手と山本尚貴選手、伊沢拓也選手と続きます。
尚、GTで優勝したドライバーは全部で109人で、2025年現在GT500クラスに参戦しているドライバーのうち24人が優勝を経験しています。
チーム優勝回数ランキング

順位 | チーム | 優勝回数 | 備考 |
---|---|---|---|
1位 | トムス | 38勝 | トヨタカストロールチームの2勝を含む |
2位 | ニスモ | 34勝 | |
3位 | セルモ | 21勝 | トヨタカストロールチームの1勝を含む |
4位 | ARTA | 20勝 | ホンダレーシングの1勝を含む |
5位 | チームインパル | 18勝 | ホシノレーシングの2勝を含む |
6位 | 童夢 | 14勝 | 無限×童夢プロジェクトの3勝 ホンダレーシングの5勝を含む |
7位タイ | ナカジマレーシング | 12勝 | |
7位タイ | サード | 12勝 | |
9位 | チームクニミツ | 11勝 | |
10位 | チームルマン | 9勝 | |
11位 | KONDOレーシング | 7勝 | |
12位 | リアルレーシング | 6勝 | |
13位タイ | チームタイサン | 5勝 | |
13位タイ | NDDP | 5勝 | |
15位タイ | チーム無限 | 4勝 | 無限×童夢プロジェクトの2勝を含む |
15位タイ | ラークマクラーレン | 4勝 | |
15位タイ | モーラ | 4勝 | |
15位タイ | ハセミモータースポーツ | 4勝 | |
19位 | クラフト | 3勝 | |
20位タイ | ルーキーレーシング | 2勝 | |
20位タイ | レーシングプロジェクトバンドウ | 2勝 | |
22位タイ | つちやエンジニアリング | 1勝 | |
22位タイ | TAKE ONE | 1勝 | |
22位タイ | 5ZIGEN | 1勝 |
チーム別の勝利数ではトムスがトップでした。
数年前まではニスモがトップに君臨をしていましたが、長く2台体制を敷くトムスが近年勝利数を伸ばし、ニスモを逆転しています。
3位以降はトヨタ系のセルモ、ホンダ系のARTA、日産系のチームインパルと、各メーカーの有力チームが続きます。
撤退をして久しい童夢ですが2025年現在も6位に残っているのがちょっと嬉しい。国内きってのコンストラクターである童夢がGTに復活することを切に願います。
スーパーGT初年度の2005年からダンロップタイヤを履き苦戦が続くナカジマレーシングですが、全日本GT選手権時代は有力チームだったため、チームクニミツを上回るランキングなのは面白いですね。
尚、かつてGTは同チームで複数台数が参戦する場合、ポイントの合計でチームタイトルが決められていた時代があったため、実際には別チームでも『無限×童夢プロジェクト』や『トヨタカストロールチーム』などのように同一名で参戦していたチームがありましたが、今回は別チームとしてカウントしています(詳細は表の備考欄を参照)。
メーカー(ブランド)優勝回数ランキング

順位 | メーカー(ブランド) | 優勝回数 |
---|---|---|
1位 | 日産 | 71勝 |
2位 | ホンダ | 67勝 |
3位 | トヨタ | 48勝※ |
4位 | レクサス | 41勝 |
5位 | ポルシェ | 5勝 |
6位 | マクラーレン | 5勝 |
7位 | フェラーリ | 1勝 |
メーカーブランド別では日産がトップです。
日産は全日本GT選手権黎明期からこのカテゴリーに積極的に参戦してきたメーカー。
3大メーカーで唯一100%子会社のチーム(ニスモ)が直接参戦していることからもチカラの入れようがわかります。考えてみたら、ホンダレーシングやトヨタガズーレーシングが参戦しているようなものですからね。
ただ、今回のランキングはメーカーもしくはブランドということで、トヨタとレクサスを別にカウントしましたが、トヨタとレクサスの勝利数を合算すると日産を大きく上回ります。
日本の3大メーカー以外では、全日本GT選手権黎明期にチームタイサンがポルシェとフェラーリで優勝をしています。
また、1996年にはマクラーレンが勝利数を積み上げました(別途2001年に1勝)。
尚、2006年シーズンは4チームがレクサスSC430で参戦していましたが、エントラント名は『トヨタチーム〇〇』としていたため、トヨタとしてカウントしました。
車種優勝回数ランキング

順位 | 車種 | 優勝回数 | 備考 |
---|---|---|---|
1位 | NSX | 56勝 | 内CONCEPTは2勝 |
2位 | GT-R | 55勝 | 内スカイラインは15勝 |
3位 | スープラ | 45勝 | 内GRスープラは19勝 |
4位 | SC430 | 20勝 | |
5位 | フェアレディZ | 16勝 | |
6位 | LC500 | 14勝 | |
7位タイ | HSV-010 | 10勝 | |
7位タイ | RC F | 10勝 | |
9位 | F1 GTR | 5勝 | |
10位 | 911 | 4勝 | |
11位タイ | 962C | 1勝 | |
11位タイ | シビックタイプR | 1勝 |
車種別の優勝回数ではNSXで、積み上げた勝利の数は56回でした。
やっぱりホンダのスポーツカーといえばNSX。GTでは初代の販売終了後も長らく参戦し、2代目の登場前からCONCEPTモデルがエントリーしていました。
そして2位は全日本GT選手権初年度から長くGTの主役として君臨したGT-R(スカイラインGT-R含む)。優勝回数は54回とNSXにわずかに及びませんでした。
ただ、トップ2台は現在GT500クラスに参戦をしていなく、その2台を現役のスープラ(GRスープラ含む)が激しく追いかけています。
注目すべきは6位のLC500。GT500の参戦はわずか3年という短い期間でしたが、その期間で14勝もの優勝を記録し、車種別の優勝率では歴代No.1でした。
タイヤ優勝回数ランキング

順位 | タイヤ | 優勝回数 |
---|---|---|
1位 | ブリヂストン | 189勝 |
2位 | ミシュラン | 27勝 |
3位 | ヨコハマ | 17勝 |
4位 | ダンロップ | 5勝 |
タイヤ別の優勝回数ではブリヂストンで、GTの全レースのうち、実に約80%で優勝を記録しています。
それに続くのがミシュラン。ブリヂストンとミシュランは市販車の世界シェアトップ争いを繰り広げる完全ガチンコのライバル関係ですが、GTでは地の利を活かしブリヂストンの圧勝です。
ただ、ミシュランが優勢なシーズンもありましたが、残念ながら2023年を最後にGT500クラスへの供給をストップしています。
その後に続くのがヨコハマの17勝、ダンロップの5勝。世界でも稀なタイヤ戦争があるスーパーGTですが、現在は戦争をしていません・・・。
ところで、明かに性能の劣るヨコハマやダンロップですが、なぜチームはこのタイヤメーカーと契約するのでしょうか?
古くからの絆? それともメーカーの意向? スーパーGTによるマルチメイク継続のため?
レースって速さがすべてでは?
ハンコックタイヤのワンメイクで行われた『スーパーGT×DTM特別交流戦』で優勝した中嶋さん。ブリヂストンタイヤに変更すれば、またトップチームに戻れるのでは?
最後に

今回はスーパーGTと全日本GT選手権の優勝回数を、ドライバー、チーム、メーカー(ブランド)、車種、タイヤに分けて、ランキング形式で紹介してみました。
30年以上の歴史がある日本のGTは世界でも稀なカテゴリー。その多く蓄積されたデータで歴史を紐解いてみるのは面白いのですが、スーパーGTの公式サイトや各種モータースポーツサイトを見ても少ないのが残念。
ということで、今後も当ブログでGTのさまざまなデータを紹介していきますので、興味のある方はまた覗きに来てくださいね。
以上、最後までご覧いただきましてありがとうございました。
コメントを残す