ザックリ見出し
鈴鹿サーキットへ
休日のまだ薄暗い時刻での出発は、やはり得した気分になる。
6月のスーパー耐久以来久々の鈴鹿遠征だ。
『SUZUKA Sound of ENGINE 2017』が行われる鈴鹿サーキットに行ってきた。
先日も書いたが、このイベントは動態保存された往年のF1やプロトタイプカー、その他葉巻型フォーミュラカーなど、歴史を彩ったレーシングカーがデモンストレーション走行する素晴らしいクラシックカーイベントだ。
冒頭で早起きは得だと書いたが、実は寝坊してしまい、新静岡インターより制限速度が110km/hとなった新東名をぶっ飛ばす。
到着が8時50分、急いで一番近い最終コーナースタンドに滑り込む。
なんとかレジェンドオブF1のプラクティスが5分程観れると思ったのもつかの間、目の前にレッカー車に積まれたフェラーリ2003GAの姿が…
うわー、リヤウイングがひん曲がっている…
これによりレジェンドオブフォーミュラ1のプラクティスは終了との事、あと10分早く起きていれば、と後悔する。
午前の私のハイライトは、レジェンドオブフォーミュラ1マスターズのプラクティスだ。
11時10分からの走行に備え、東コースの私の撮影お気に入りポイントである逆バンクへ急ぐ。
レジェンドオブフォーミュラ1マスターズ プラクティス
さすがレジェンドオブフォーミュラ1マスターズだ、エンジン回転を10000回転以下にしているとはいえ、各車本気モードで走行している。
いつも撮り慣れている富士スピードウェイでは、左から右の流し撮りがほとんどだが、ここ鈴鹿の逆バンクは逆打ちでなんだかしっくりこない…
高校球児だった私だが打席は右打席、しかし流し撮りは左打ちが得意です。
余談はさておきコスワースDFVの音は初めてだが、いい音だ。
去年このイベントで聴いた、ティレル019に乗るコスワースDFRの兄弟だけあり、音もよく似ている。
プロトタイプカー プラクティス
昨年もこのイベントで見たが、とにかくこの時代のCカーはカッコいい。
私のお気に入り車種は、見た目は断然ロスマンズカラーのポルシェ962、音はやっぱりマツダ787だ。
レジェンドオブフォーミュラ1マスターズ デモレース
午後一番は本日のメインイベントの一つ、レジェンドオブフォーミュラ1マスターズのデモレースだ。
昼休みを使い、ヘアピンの立ち上がりに移動する。
幸運な事にヘアピン出口のカメラマンホールが空いている。
この場所は私が鈴鹿サーキットで一番好きな撮影場所だ。
なんと言っても、いつもの富士スピードウェイに比べ、マシンが断然近い!
そして、レジェンドオブフォーミュラ1マスターズのドライバー達は信じられない事に、とんでもないスピードでヘアピンに突っ込み立ち上がる。
『あなた達、この歴史的価値のあるクルマ、大破させたら再生できないんですよ!』
本気でこう説教してやりたいが、レーシングドライバーという職種の方達は多分全く言う事を聞かないだろうが…
60年代葉巻型フォーミュラ デモレース
ダウンフォースの概念が生まれる前のF3マシンが、何十台もの隊列でデモレースを行う。
各車小排気量の小気味好いエンジン音を鳴らしながら走行する。
燃焼効率が悪い当時のエンジンは、燃え残ったガソリンの匂いがするが、私はその匂いが好きだ。
レジェンドオブフォーミュラ1 デモレース
楽しみにしていたフェラーリF10は不調のため、フェラーリF2003GAは午前のプラクティスでのクラッシュの影響で共に出走せず。
しかしこのデモレースには1976年のF1 in Japanの予選で海外勢を驚かせた伝説の名車、コジマ007が出走する。
今年3月の富士スピードウェイ50周年イベントで見られると期待してたが、この時は不調のため周回しなかった。
プロトタイプカー デモレース
なんと日産R92CPがランデブー走行、星野一義さんと長谷見昌弘さんという当時と同様のドライバーラインナップ!
お二人ともいい歳して目がマジです。
マジといえばトヨタTS010ドライブの片山右京さんがも超マジ。
神風右京再来で、フロムAトヨタと抜きつ抜かれつのバトル。
最後は張り切りすぎて首にきたのか、張子の虎走法に切り替えていました。
おわりに
午前中オートバイのデモ走行の時間、グランドスタンドに座り観戦していた。
すると私の後ろの席に、初老夫婦が孫を連れて腰を下ろした。
しばらく孫がオートバイの爆音を聴いて、驚きはしゃいでいると、おもむろにその初老の男性が話し出した。
「おじいちゃんのオートバイは最後のパレードで出てくるよ。」
「おじいちゃんのオートバイは動くだけでもすごく珍しいんだよ。」
「若い頃はおじいちゃんもよくこのオートバイで鈴鹿サーキットに走りに来ていたんだよ。」
いつも鈴鹿に来ると思う事だが、ここでは世代を超えてモータースポーツ文化が確実に定着している。
これは、鈴鹿サーキットが長きにわたり絶える事なく、ファンのための素晴らしいイベントを開催してきた証だ。
歴史を彩った素晴らしい名車達と、それを支えてきた真のモータースポーツファンに触れ合った、素晴らしい一日であった。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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