F1には毎年新人ドライバーが参戦をする。
デビューからトップチームに所属するドライバーもいるが、大抵は下位チームでデビューし、のちにトップチームに移籍したキャリア中盤以降に活躍する者も少なくない。
そう、成功するかどうかは数年後に分かるのだ。
そこで『F1デビューシーズン別ドライバー成績表』と題し、前々回の1990年代・前回の2000年代に引き続き、今回は2010年代にデビューした新人のその後の活躍をシーズン毎に見てみた。
はたして新人の当たり年は、何年のシーズンだったのか?
1990年代・2000年代編はこちら↓
表の説明
・チャンピオン獲得ドライバーを赤字で、優勝ドライバーを太字で記載
・ドライバーの成績は2020年シーズン終了時
・2021年現在現役のドライバーは※印を表記
2010年デビュードライバーの生涯成績
ドライバー | 出走 | PP | 優勝 | 表彰台 | FL | pts |
---|---|---|---|---|---|---|
B.セナ | 46 | 0 | 0 | 0 | 1 | 33 |
K.チャンドック | 11 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
L.ディ・グラッシ | 19 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
N.ヒュルケンベルグ | 182 | 1 | 0 | 0 | 2 | 521 |
V.ペトロフ | 58 | 0 | 0 | 1 | 1 | 64 |
2010年デビューのF1ドライバーは5人。
その中で出世頭はニコ・ヒュルケンベルグで、フォースインディアやルノーなどの中堅チームで安定感ある走りを披露した実力派ドライバーだ。
ただし182戦戦い一度も表彰台に上がることは叶わず、運のないドライバーなのかもしれない。
その他、アイルトン・セナの甥のブルーノ・セナや、ロシア人初のF1ドライバーペトロフがデビューしているが、目立った活躍はできなかった。
2011年デビュードライバーの生涯成績
ドライバー | 出走 | PP | 優勝 | 表彰台 | FL | pts |
---|---|---|---|---|---|---|
J.ダンブロシオ | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
P.ディ・レスタ | 59 | 0 | 0 | 0 | 0 | 121 |
S.ペレス※ | 195 | 0 | 1 | 10 | 4 | 706 |
P.マルドナド | 96 | 1 | 1 | 1 | 0 | 76 |
D.リカルド※ | 188 | 3 | 7 | 31 | 15 | 1159 |
2011年F1デビュードライバーは5人で、その内3人がグランプリ優勝を果たしている。
その中で出世頭はダニエル・リカルドだ。
この年ヒスパニアからデビューしたリカルドは、その後トロロッソ、レッドブルとトップチームに順調にステップアップすると、前年までに4年連続してチャンピオンを獲得したセバスチャン・ベッテルにシリーズポイントで上回ってみせた。
その後は、次世代のチャンピオンと呼び声高いマックス・フェルスタッペンとも互角の速さで、レッドブル時代に積み上げた勝利は7回を数えた。
また今年はセルジオ・ペレスもデビューしている。
ザウバーからデビューしたペレスは、小林可夢偉のチームメイトとして1年目は苦戦したが、徐々にその実力を発揮し、中堅チームながら2位に入る健闘を見せた。
その後はマクラーレン、フォースインディアと渡り歩き、名前を変えたレーシングポイントで2020年に初優勝を飾ざった。
一時シートを失いかけたが、2021年にレッドブルに加入すると、アゼルバイジャングランプリでは、チームメイトのフェルスタッペンがリタイヤしたレースをしっかりものにして、2勝目をあげている。
そしてもうひとり、パストール・マルドナドも、2012年のスペイングランプリでポールトゥウィンを記録している。
2012年デビュードライバーの生涯成績
ドライバー | 出走 | PP | 優勝 | 表彰台 | FL | pts |
---|---|---|---|---|---|---|
C.ピック | 39 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
J=エリック・ベルニュ | 58 | 0 | 0 | 0 | 0 | 51 |
この年のデビューは2人で、ジャン=エリック・ベルニュがトロロッソの3年間で51ポイントを上げているが、最高位は6位と光る走りを見せることはできなかった。
3人のグランプリ優勝者を輩出した2011年に比べると、2012年デビューのドライバーは物足りない成績だった。
2013年デビュードライバーの生涯成績
ドライバー | 出走 | PP | 優勝 | 表彰台 | FL | pts |
---|---|---|---|---|---|---|
G.ヴァン・デル・ガルデ | 19 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
E.グティエレス | 59 | 0 | 0 | 0 | 1 | 6 |
M.チルトン | 35 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
J.ビアンキ | 34 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
V.ボッタス※ | 157 | 16 | 9 | 56 | 15 | 1512 |
2013年デビューのドライバーの中では、バルテリ・ボッタスが飛び抜けた成績を残している。
この年ウィリアムズからデビューしたボッタスは、翌2014年からメルセデスのパワーユニットを得たウィリアムズのマシンで、チームメイトのフェリペ・マッサを凌ぐ走りで2度の2位を含む6回の表彰台に立つ。
そして2017年に、チャンピオン獲得後に電撃引退を発表したニコ・ロズベルグの代わりにメルセデスのシートを獲得すると、時にはチームメイトのルイス・ハミルトンに迫る速さを見せ、2020年までに9回のグランプリ優勝を遂げている。
また、この年デビューのジュール・ビアンキも忘れてはならない。
この年マルシャからデビューしたビアンキは、翌2014年に下位チームのマルシャのマシンでありながらモナコグランプリで9位入賞を果たすも、同年の日本グランプリで不慮の事故で他界してしまった。
フェラーリドライバーアカデミー最初の所属ドライバーとして将来を嘱望されていたビアンキだけに、この事故は本当に残念でならない。
次のページでは、2014年以降にデビューしたドライバーの生涯成績を紹介します。
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