【第3位】小林可夢偉
第3位は小林可夢偉選手。
可夢偉選手の参戦期間は4シーズン+2戦と、この後登場するトップ2選手と比べるとやや少ないのですが、下位チームのケータハムから参戦した2014年シーズン以外は、着実にポイントを獲得しています。
特に2012年は所属するザウバーのマシンが好調で、日本グランプリの3位(日本人3人目)を含む9度の入賞を果たし60ポイントを獲得。
さらに第3戦の中国グランプリでは、日本人2人目となるファステストラップを記録し、現在のポイントシステムでは1ポイントを獲得(当時ファステストラップによるポイント付与はなし)したことになります。
速くて安定感もあった小林可夢偉選手は、歴代日本人F1ドライバーの中でも実力No.1ではないかと個人的には思います。
Rd. | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2014年 |
---|---|---|---|---|---|
1 | – | Ret | DSQ | 6 | Ret |
2 | – | Ret | 7 | Ret | 13 |
3 | – | Ret | 10 | 10+FL | 15 |
4 | – | Ret | 10 | 13 | 18 |
5 | – | 12 | 10 | 5 | Ret |
6 | – | Ret | 5 | Ret | 13 |
7 | – | 10 | 7 | 9 | Ret |
8 | – | Ret | 16 | Ret | 16 |
9 | – | 7 | Ret | 11 | 15 |
10 | – | 6 | 9 | 4 | 16 |
11 | – | 11 | 11 | 18 | Ret |
12 | – | 9 | 12 | 13 | – |
13 | – | 8 | Ret | 9 | 17 |
14 | – | Ret | 14 | 13 | – |
15 | – | Ret | 13 | 3 | 19 |
16 | 9 | 7 | 15 | Ret | Ret |
17 | 6 | 8 | Ret | 14 | – |
18 | 10 | 10 | 6 | – | |
19 | 14 | 9 | 14 | Ret | |
20 | 9 | ||||
現制度に換算したポイント | 10 | 32 | 30 | 61 | 0 |
【第2位】佐藤琢磨
現在のポイント制度に換算した通算ポイント:137ポイント
実際の通算獲得ポイント:44ポイント
現在のポイント制度に換算した通算ポイントで第2位になったのが、2000年代に日本のF1ファンを熱狂させた佐藤琢磨選手でした。
琢磨選手のF1キャリアのハイライトはBARに所属した2004年。
当時はフェラーリの黄金期でしたが、それに次ぐ速さを持っていたのがBARで、この年はアメリカグランプリの3位表彰台(日本人2人目)を含む10回のトップ10フィニッシュを記録し、現在のポイント制度に当てはめると89ポイントを稼いだ計算になります(実際には当時8位までにポイントが付与されたため34ポイント)。
また新興チームのスーパーアグリに在籍していた2007年もチームのエースとして奮闘し、スペイングランプリとカナダグランプリで入賞を記録し、日本中のF1ファンがその走りに歓喜しました。
琢磨選手は歴代の日本人F1ドライバーの中でも1-2を争うほどの速さを持っており、同時に常に上を目指すチャレンジング精神溢れた魅力的なドライバーでした。
Rd. | 2002年 | 2003年 | 2004年 | 2005年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | Ret | – | 9 | 14 | 18 | 12 | Ret |
2 | 9 | – | 15 | – | 14 | 13 | 16 |
3 | 9 | – | 5 | Ret | 12 | Ret | 17 |
4 | Ret | – | 16 | DSQ | Ret | 8 | 13 |
5 | Ret | – | 5 | – | Ret | 17 | – |
6 | Ret | – | Ret | – | 17 | 6 | – |
7 | Ret | – | Ret | 12 | Ret | Ret | – |
8 | 10 | – | Ret | Ret | 17 | 16 | – |
9 | 16 | – | 3 | DNS | 15 | 14 | – |
10 | Ret | – | Ret | 11 | Ret | Ret | – |
11 | Ret | – | 11 | 16 | Ret | 15 | – |
12 | 8 | – | 8 | 12 | Ret | 18 | – |
13 | 10 | – | 6 | 8 | 13 | 16 | – |
14 | 11 | – | Ret | 9 | NC | 15 | – |
15 | 12 | – | 4 | 16 | 16 | 15 | – |
16 | 11 | 6 | 6 | Ret | DSQ | 14 | – |
17 | 5 | 4 | 10 | 15 | 12 | – | |
18 | 6 | DSQ | 10 | – | |||
19 | Ret | ||||||
現制度に換算したポイント | 20 | 8 | 89 | 7 | 1 | 12 | 0 |
【第1位】中嶋悟
現在のポイント制度に換算した通算ポイント:153ポイント
実際の通算獲得ポイント:16ポイント
現在のポイント制度に換算した通算ポイントで、小林可夢偉選手や佐藤琢磨選手など並いる日本人ドライバーを抜き、歴代No.1になったのは中嶋悟選手でした!
若い世代のF1ファンにとってはちょっと意外かもしれませんが、中嶋悟選手といえば私たちF1ブーム世代にとっては神様のような存在でした。
そんな中嶋選手がF1参戦初年度に所属したのが当時のトップチームの一角を占めていたロータス。
伝説のドライバーでのちに3回のワールドチャンピオンになるアイルトン・セナ選手がチームメイトで2度勝利をあげていることからも、このロータスのマシンが競争力があることがわかるでしょう。
2023年シーズンだとメルセデスやフェラーリぐらいの実力だったと思います。
そんなロータス99Tを駆った中嶋悟選手は目立った走りはありませんでしたが、粘り強く走行し全16戦中半分の8戦でトップ10フィニッシュします。
翌1988年はロータスの戦闘力が落ちるものの、3度の世界チャンピオンであるチームメイトのネルソン・ピケ選手に肉薄するレースもあり、7度のトップ10フィニッシュを記録。
1989年はホンダエンジンを失いさらに戦闘力が落ちますが、最終戦のアデレードでは日本人初のファステストラップを記録して4位に入りました。
結局中嶋悟選手は実働5年で常に安定した成績を残し、当時6位までしか与えられなかったポイント制度の中、通算16ポイントを獲得。
これは現在のポイント制度に換算すると153ポイントになります。
中嶋選手は34歳という遅いデビューでしたが、20代でデビューしていればさらに多くのポイントを獲得していたことでしょう。
Rd. | 1987年 | 1988年 | 1989年 | 1990年 | 1991年 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | 6 | 8 | 6 | 5 |
2 | 6 | 8 | NC | 8 | Ret |
3 | 5 | DNQ | DNQ | Ret | Ret |
4 | 10 | Ret | Ret | Ret | Ret |
5 | Ret | 11 | Ret | 11 | 10 |
6 | NC | DNQ | DNQ | Ret | 12 |
7 | 4 | 7 | Ret | Ret | Ret |
8 | Ret | 10 | 8 | Ret | 8 |
9 | Ret | 9 | Ret | Ret | Ret |
10 | 13 | 7 | Ret | Ret | 15 |
11 | 11 | Ret | DNQ | Ret | Ret |
12 | 8 | Ret | 10 | 6 | Ret |
13 | 9 | Ret | 7 | DNS | 13 |
14 | Ret | Ret | Ret | Ret | 17 |
15 | 6 | 7 | Ret | 6 | Ret |
16 | Ret | Ret | 4+FL | Ret | Ret |
現制度に換算したポイント | 51 | 33 | 28 | 26 | 15 |
まとめ
今回は歴代の日本人ドライバーの成績を2024年現在のポイント制度に当てはめて、もっとも多く獲得したドライバーは誰なのかを、ランキング形式で見てみました。
まあ入賞が10位までならば、それに合わせて完走重視の戦略を打つだろうから、この結果は参考までということですが・・・。
そんなことはさておき、今回のランキング結果は以下のとおりになります。
順位 | ドライバー | 通算ポイント |
---|---|---|
1 | 中嶋悟 | 153 |
2 | 佐藤琢磨 | 137 |
3 | 小林可夢偉 | 133 |
4 | 角田裕毅 | 91 |
5 | 鈴木亜久里 | 88 |
6 | 片山右京 | 65 |
7 | 中野信治 | 45 |
8 | 中嶋一貴 | 34 |
9 | 高木虎之介 | 14 |
10 | 井上隆智穂 | 6 |
佐藤琢磨選手や小林可夢偉選手など歴代の日本人ドライバーでも最強と謳われたドライバーが上位を占めていますが、その中で中嶋悟選手がトップになったことはちょっと驚きかもしれません。
まあ1990年代前半までのF1はリタイヤが多く、完走をすればある程度上位になれた中、ロータスやティレルなど名門と呼ばれたチームに所属していた中嶋選手のマシンの信頼性や戦闘力が高かったのも事実ですが、中嶋選手もまたミスの少ないドライバーとして有名で、粘り強く完走をしていた結果でしょう。
ということで今回は以上。最後までご覧いただきありがとうございました。
現在のポイント制度に換算した通算ポイント:133ポイント
実際の通算獲得ポイント:125ポイント