1976年、F1がはじめて日本にやってきてから、2021年現在で37回開催された。
その開催地は鈴鹿サーキットや富士スピードウェイ、またパシフィックグランプリという名称で行われたTIサーキット英田(旧名称=現在岡山国際サーキット)と、3つのサーキットに及んでいる。
さて、日本でもっとも勝ったドライバー、コンストラクター、エンジンは?
ということで今回は、日本で開催されたF1で、優勝回数の多いドライバー、コンストラクター、エンジンを、ランキング形式で見ていこう。
ドライバー優勝回数トップ5
順位 | ドライバー | 優勝回数 | 勝利年と開催地 |
---|---|---|---|
1 | M.シューマッハ | 8 | 英田 1994,1995 鈴鹿 1995,1997,2000-2002,2004 |
2 | L.ハミルトン | 5 | 富士 2007 鈴鹿 2014-2015,2017-2018 |
3 | S.ベッテル | 4 | 鈴鹿 2009-2010,2012-2013 |
4 | G.ベルガー | 2 | 鈴鹿 1987,1991 |
4 | A.セナ | 2 | 鈴鹿 1988,1993 |
4 | D.ヒル | 2 | 鈴鹿 1994,1996 |
4 | M.ハッキネン | 2 | 鈴鹿 1998-1999 |
4 | F.アロンソ | 2 | 鈴鹿 2006 富士 2008 |
日本で開催されたF1でもっとも優勝をしているのはミハエル・シューマッハで、積み上げた勝利の数は8回。
特筆すべきはTIサーキット英田(旧名称=現在岡山国際サーキット)で行われたパシフィックグランプリで、2回開催された同グランプリのいずれもで勝っているだけでなく、連戦で行われた1995年は、パシフィックグランプリ、日本グランプリと連勝をしている。
そして2000年から2004年のフェラーリ黄金期でも3回勝利し、まさに日本マイスターといってもいい記録だ。
続く2位には現役ドライバーのルイス・ハミルトン。
リニューアルした富士スピードウェイ最初のグランプリにデビュー年度で勝利し、2014年からのパワーユニット時代には4勝を記録している。
第3位は、同じく現役ドライバーのセバスチャン・ベッテルで、レッドブル黄金期に4勝している。
日本に馴染みの深いアイルトン・セナは、意外にも2度の勝利のみだった。
セナは1989年日本グランプリ、シケインでアラン・プロストをオーバーテイクを試みるも当てられ、その後復帰してトップチェッカーを受けるが失格。
翌1990年はポールポジションを獲得するが、スタート直後の1コーナーで前年の仕返しとばかりにプロストにぶつけてリタイヤ。
1991年はゴール直後に両雄のゲルハルト・ベルガーに勝利を譲っており、記憶には残っているも勝利数は伸ばすことができなかった。
コンストラクター優勝回数トップ5
順位 | コンストラクター | 回数 | 勝利年と開催地 |
---|---|---|---|
1 | マクラーレン | 9 | 富士 1977,2007 鈴鹿 1988,1991,1993,1998-1999,2005,2011 |
2 | フェラーリ | 7 | 鈴鹿 1987,1997,2000-2004 |
3 | メルセデス | 6 | 鈴鹿 2014-2019 |
4 | ベネトン | 5 | 鈴鹿 1989-1990,1995 英田 1994,1995 |
5 | レッドブル | 4 | 鈴鹿 2009-2010,2012-2013 |
F1日本開催でのコンストラクターの勝利ランキングでは、マクラーレンがもっとも優勝を記録しており、その数は9回だった。
初勝利は1977年の富士スピードウェイで、リニューアルされた同サーキットでも勝っている。
20世紀は全盛期とも重なり、6勝という多くの勝利を挙げたマクラーレンだったが、チームの低迷とともに2011年を最後に勝利から遠のいている。
第2位はフェラーリの7勝だった。
鈴鹿サーキット初開催の1987年、ウィリアムズホンダ絶対的優位とされた中でのフェラーリの勝利は、私たちファンに衝撃を与えた。
2000年からのフェラーリ黄金時代には、日本グランプリ5連勝で大きく記録を伸ばしている。
第3位はメルセデス。
歴史の浅い同チームだが、2014年以降のパワーユニット時代、すべての日本開催レースで勝利している。
それ以下は、第4位ベネトン、第5位レッドブルと続いた。
エンジン優勝回数トップ5
順位 | エンジン | 回数 | 勝利年と開催地 |
---|---|---|---|
1 | ルノー | 11 | 鈴鹿 1992,1994-1996,2006,2009-2010,2012-2013 英田 1995 富士 2008 |
1 | メルセデス | 11 | 鈴鹿 1998-1999,2005,2011,2014-2019 富士 2007 |
3 | フェラーリ | 7 | 鈴鹿 1987,1997,2000-2004 |
4 | フォード | 6 | 富士 1976-1977 鈴鹿 1989-1990,1993-1994 |
5 | ホンダ | 2 | 鈴鹿 1988,1991 |
エンジン部門第1位は2メーカーのエンジンで、そのひとつがフランスのルノーだった。
ルノーエンジンは1990年代にウィリアムズやベネトンにより5勝、2000年代は自社コンストラクターやレッドブルにより3勝、2010年代はレッドブルにより3勝と、各年代で勝利を伸ばした。
そしてルノーは、鈴鹿サーキット、TIサーキット英田(旧名称=現在岡山国際サーキット)、富士スピードウェイと、日本で開催されたすべてのサーキットで勝利した唯一のエンジンメーカーになる。
そしてそのルノーと並んで11勝を記録しているのがメルセデス。
メルセデスはマクラーレンと組んでいた時代に5勝、自社コンストラクターで6勝を挙げた。
そして第3位フェラーリ、第4位フォードと続き、第5位にホンダだった。
F1日本グランプリが鈴鹿サーキットで復活を遂げた時代、第2期のホンダエンジンは最強を誇っていたが、アイルトン・セナとアラン・プロストの2年連続の接触事故などが仇となり2勝に止まる。
第3期は勝利を争えるマシンやエンジンではなく未勝利。
第4期のマクラーレン搭載時代は第3期同様戦闘力がなく、レッドブルに搭載された2019年は優勝を期待されたが、エースのマックス・フェルスタッペンがオープニングラップでシャルル・ルクレールと接触して、勝利を逃している。
まとめ
今回は日本で開催されたF1で、優勝回数の多いドライバー、コンストラクター、エンジンを見ていただいた。
1976年の富士スピードウェイからはじまり、途中中断を挟み鈴鹿サーキットで復活を遂げた日本グランプリは、2007年から2度富士スピードウェイで開催され鈴鹿サーキットに戻った。
またF1ブーム時代にはパシフィックグランプリがTIサーキット英田(旧名称=現在岡山国際サーキット)で2回開催され、その開催回数は37回で、世界で開催回数第11位となった。
その37回の日本開催のF1で、優勝回数No.1ドライバーはミハエル・シューマッハの8勝、優勝回数No.1コンストラクターがマクラーレンの9勝、そして優勝回数No.1のエンジンがルノーとメルセデスの11勝という結果だった。
最後に、日本で開催されたF1全37回の、優勝ドライバー、コンストラクター、エンジンを表にしてみた。
年 | 開催地 | ドライバー | コンストラクター | エンジン |
---|---|---|---|---|
1976 | 富士 | M.アンドレッティ | ロータス | フォード |
1977 | 富士 | J.ハント | マクラーレン | フォード |
1987 | 鈴鹿 | G.ベルガー | フェラーリ | フェラーリ |
1988 | 鈴鹿 | A.セナ | マクラーレン | ホンダ |
1989 | 鈴鹿 | A.ナニーニ | ベネトン | フォード |
1990 | 鈴鹿 | N.ピケ | ベネトン | フォード |
1991 | 鈴鹿 | G.ベルガー | マクラーレン | ホンダ |
1992 | 鈴鹿 | R.パトレーゼ | ウィリアムズ | ルノー |
1993 | 鈴鹿 | A.セナ | マクラーレン | フォード |
1994 | 英田 | M.シューマッハ | ベネトン | フォード |
1994 | 鈴鹿 | D.ヒル | ウィリアムズ | ルノー |
1995 | 英田 | M.シューマッハ | ベネトン | ルノー |
1995 | 鈴鹿 | M.シューマッハ | ベネトン | ルノー |
1996 | 鈴鹿 | D.ヒル | ウィリアムズ | ルノー |
1997 | 鈴鹿 | M.シューマッハ | フェラーリ | フェラーリ |
1998 | 鈴鹿 | M.ハッキネン | マクラーレン | メルセデス |
1999 | 鈴鹿 | M.ハッキネン | マクラーレン | メルセデス |
2000 | 鈴鹿 | M.シューマッハ | フェラーリ | フェラーリ |
2001 | 鈴鹿 | M.シューマッハ | フェラーリ | フェラーリ |
2002 | 鈴鹿 | M.シューマッハ | フェラーリ | フェラーリ |
2003 | 鈴鹿 | R.バリチェロ | フェラーリ | フェラーリ |
2004 | 鈴鹿 | M.シューマッハ | フェラーリ | フェラーリ |
2005 | 鈴鹿 | K.ライコネン | マクラーレン | メルセデス |
2006 | 鈴鹿 | F.アロンソ | ルノー | ルノー |
2007 | 富士 | L.ハミルトン | マクラーレン | メルセデス |
2008 | 富士 | F.アロンソ | ルノー | ルノー |
2009 | 鈴鹿 | S.ベッテル | レッドブル | ルノー |
2010 | 鈴鹿 | S.ベッテル | レッドブル | ルノー |
2011 | 鈴鹿 | J.バトン | マクラーレン | メルセデス |
2012 | 鈴鹿 | S.ベッテル | レッドブル | ルノー |
2013 | 鈴鹿 | S.ベッテル | レッドブル | ルノー |
2014 | 鈴鹿 | L.ハミルトン | メルセデス | メルセデス |
2015 | 鈴鹿 | L.ハミルトン | メルセデス | メルセデス |
2016 | 鈴鹿 | N.ロズベルグ | メルセデス | メルセデス |
2017 | 鈴鹿 | L.ハミルトン | メルセデス | メルセデス |
2018 | 鈴鹿 | L.ハミルトン | メルセデス | メルセデス |
2019 | 鈴鹿 | V.ボッタス | メルセデス | メルセデス |
新型コロナウイルスの影響で2020年から開催が中止されている日本でのF1開催だが、早く終息し、私たち日本のF1ファンの前で、あの華々しいレースを見せてもらいたいと切に願っている。
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。
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