今回からはWEC富士の観戦記。
ル・マン24時間を走るLMPマシンが、FIA世界耐久選手権(WEC)として世界を転戦するようになり、その初年度の2012年からトヨタが参戦。同時にこの年から富士スピードウェイでも開催されるようになった。
私はフォーミュラマシンにフルカウルを被せた、オープンホイールとツーリングカーの混血のようなこのル・マンのマシンが好きで、2012年以来、毎年WEC富士を観戦している。
そして、今年も秋の恒例行事を楽しみに、富士スピードウェイにやってきた。
ということで、今回から数回に渡り、2026年のWEC富士観戦記を書いていく。第1回はファンゾーン編と題し、世界選手権ならではの、富士スピードウェイのグランドスタンド裏の様子を紹介してみようと思う。
では、いってみよー!
フランス色満開のファンゾーン

前日の大雨で予選が中止になった。今日は雨が止んだものの、空はどんより。なんとか、雨が降らないでもらいたい。
時刻は9時30分。スタートまではまだ時間があるので、まずはファンゾーンへ。

地下道を進み、エスカレーターを上りグランドスタンド裏に到着すると、WECのゲートがあり、ここからがファンゾーン。
ル・マン24時間の開催地はフランスということで、トリコロールの装飾がなされたテントが並び、見慣れた国内レースとは違う雰囲気になっている。

グランドスタンド裏側の幕もWEC仕様に変身。

F1やスーパーフォーミュラでもおなじみのチーム名が入った柱は、たしかWECが最初だったような。フェラーリの柱の前では和傘を持った外国人が記念写真を撮っていて、世界選手権ならではのイイ雰囲気だ。
トヨタブース

トヨタやホンダとは違う国産メーカー系の会社に勤務する私だが、世界選手権での応援スタイルはガンバレ・ニッポン!
ということで、地元トヨタブースを表敬訪問する。

写真スポットから撮影したトヨタブースの全景。毎年歴代ル・マンマシンを展示して、私たちファンを楽しませんてくれるトヨタブースだ。
トヨタ・TR010 HYBRID

そんなトヨタブースの今年のメインは、緻密な作戦で6月のル・マン24時間を制した2026年型TR010 HYBRID。マシンの傍には優勝トロフィーも展示されていた。

展示マシンをよく拝見すると汚れ塗装!?いや、この個体は、ゴールの状態のままクリア塗装を施した実車だ。

昨年までフェラーリに3連覇を喫したトヨタだっだが、この新型マシンでライバルを撃破したあの感動が蘇る。

いやー、それにしても切れ長の目がイカすぜ!
トヨタ・GR010 HYBRID

こちらは2025年型のGR010 HYBRID。一応、今年のマシンはこのマシンをベースにしたエボモデルという位置付けだが、ヘッドライトを中心としたフロント部分を刷新しているため、印象はまるで違うのがよくわかる。

そしてマシンサイドにはGRのロゴがあるが、ガズーレーシングの名称はこの年限り。
2025年シーズンはブラックベースのカラーだったGR010 HYBRIDだが、この霜降りカラー(小林可夢偉選手が命名)はル・マン限定のスペシャルリバリーで、7号車にのみ施されたスペシャルカラーだった。そんな霜降りカラーは今年のマシンに引き継がれた。
F1参戦時もそうだったが、ダイナミックに刷毛で塗り分けた赤白塗装が、トヨタのレーシングマシンらしくてイイ。

ちなみにマシン向かって右側にあるタイヤは、ミシュランのル・マンハイパーカー用スリックタイヤだが、パターンがあるように見える。
が、これは排水用のトレッド溝ではなく、走行すると消えてしまう模様のようなものらしいのだが、実に印象深いスリックタイヤだった。
トヨタ・GT-One TS020

2台の霜降りカラーを観てきたが、その元祖は1998年のGT-One TS020。F1参戦を前に、ル・マン制覇を本気で目指したマシンだった。
1998年のル・マン24時間はメルセデスやポルシェ、BMWなど、世界の一流メーカーが参戦した熾烈な戦いだったが、その中で最速だったのがGT-One TS020。しかしGT-One TS020はトランスミッショントラブルが多発し、耐久王ポルシェが勝利したレースだった。

ということで、残念な結果に終わったが、流れるようなフォルムとその後のトヨタのカラーリングを象徴するGT-One TS020は、今観ても実に斬新でカッコいい。
トヨタ・GR GT3

そんな3台のル・マンマシンとともに展示されていたレーシングマシンが、次世代トヨタのGT3マシンとして精力的に開発されているGR GT3。
V8 4.0L ツインターボをフロントミッドに搭載されているらしいのだが、そんな化け物エンジンが収められているとは思えないほどに、低く構えたボンネットが実にカッコいい。
2027年1月のデイトナ24時間でデビュー予定のGR GT3。どんなパフォーマンスを見せてくれるのか、楽しみでならない。
トヨタ・GR GT

そして、その横に展示されるこの車両が市販車のGR GT。
写真では穴が空くほど見たが、実車のボンネットの低さに驚愕する。昨今の市販車デザインは、歩行者保護の観点からフロントに厚みを持たせてそこで衝撃を吸収するようだが、この薄さで大丈夫なのかと心配になるほどだ(トヨタ様なのでもちろんその問題はクリアしているだろうが・・・)。

でも、やっぱりトヨタのスーパースポーツは横からのアングルが最高にイイ。2000GTやLFAに通じる、ロングローズショートデッキのスタイルこそが、トヨタ最高峰の証なのだ。
プレミアムレングス(フロントホイールセンターからドア前端までの距離)は、長ければ長いほどイイんだよね。
いやー、GR GTとGR GT3を、目の前で観られるだけでも、WECに来た甲斐があったぜ。
WEC参戦メーカーの市販車展示

トヨタブースですでにお腹いっぱいになったが、その他のブースもサラーっと見ていこう。
こちらはWEC参戦メーカーの市販車が展示されているブース。トヨタはクラウン、そのトヨタと激闘を繰り広げることになるアルピーヌはA110。そしてキャデラック、BMWと並び、その向こうのマシンは・・・。

昨年公開されたフェラーリ849テスタロッサだ。
トヨタのGR GTを観た後だと、コテコテのデザインが酷すぎるし、つながった目は、天才バカボンの本官さんを連想してしまう・・・私だけ??
そういえば、電気自動車のルーチェもこの車両以上に酷かった。最近のフェラーリはどうしちゃったのだろう。
パソコンメーカーのデザインなんか辞めて、早くピニンファリーナに戻してくんなまし〜。
マクラーレンブース

今シーズンはLMGT3クラスを席巻し、来シーズンからはハイパーカークラスにも参戦を予定するマクラーレンは、こじんまりとしたブースだったが、展示車両は一級品。
こちらのマジョーラカラーの車両は、プラグインハイブリッドのアルトゥーラ?

そのとなりには、アルトゥーラをレーシングマシンに仕立てたマシンを展示してあった。
最新技術を惜しげもなく投入するマクラーレンに、レトロなカラーリングを施したこのミスマッチな雰囲気にセンスを感じる。

ただこのカラーは、昨年鈴鹿1000kmで観たマエザワレーシングのフェラーリと被るんだよなあ。いや、よく見ると違うか。
ポルシェブース

昨年限りで惜しまれつつハイパーカークラスを撤退した、ポルシェのブースはグッズ販売のみ。
WEC最上位クラスにポルシェが走っていないのは寂しすぎ。経営難が叫ばれるポルシェだが、耐久王の早期復帰を期待したい。
プジョーブース

ポルシェの横のプジョーブースには、市販の408が1台のみ展示してあったが、存在感はその奥のライオンの方が圧倒的にあった。

名前はビクトルと言うらしい。ビクトリーから来ているらしいが、9X8のビクトリーはいつ達成するのだろうか・・・。
BMWブース

このMのロゴだけでわかるBMWブースには、4台の車両が展示されていて、多くのファンで賑わっていた。

スポーツカー好きとしてはBMWといえばM3だが、こちらがその最新車両。随分と大きくなり、それ以上に豚っ鼻が巨大化したようだ。
まあ、豚っ鼻がこのメーカーのアイデンティティーだが、個人的にはあまり好きになれない。

こちらのマシンは分かりまシェン。

そしてBMWといえば、二輪四輪を製造する数少ないメーカーということで、オートバイにも注目が集まっていた。
グッドイヤーブース

LMGT3クラスにタイヤを独占供給する、グッドイヤーのブースには、

スリックタイヤが展示してあった。だいぶ太いけど、LMGT3用のタイヤだよね??
ただ、F1ブーム世代の私にとって、タイヤウォールの『GOOD YEAR EAGLE』のロゴを見ると、まだF1タイヤを思い出してしまう。
ロゴがホワイトからイエローに変わったのが1993年。あれからずっと同じ色、同じロゴを使い続けているのがちょっと嬉しかった。
その他のブース


その他のブースも駆け足で見ていこう。
こちらは、トヨタのサブスクサービスKINTOのブースには、80スープラや懐かしのセラなどが展示されていた。
当時は奇妙に見えたセラだったが、今見るとイイ。出てくるのが早すぎたのかもしれないね。

こちらは自衛隊のブース。富士スピードウェイの近くには自衛隊の富士駐屯地があり、そこから持ってきたのだろう。
私はこの手の車両に興味がないが、モータースポーツファンにも軍事車両に興味を持つ方が多いらしく、自衛官に対して熱心に質問していた。

そしてこちらは・・・富士浅間神社ブース??100回以上富士スピードウェイでレース観戦しているが、神社のブースは初めてだと思う。
ちなみにブースの中には神棚が鎮座していた。

冒頭でも書いたが、ル・マン24時間の開催地はフランスということで、トリコロールの装飾がなされたテントが並び、フランスの家庭料理やファーストフードの店が軒を連ねていたが・・・どれも高いっ!弱すぎる円の影響でサラリーマンには手が出せない・・・。


結局、いつもこうなっちゃうんだよね。
ということで、今回は2026年WEC富士のファンゾーンを紹介してみたが、コロナ禍以降WEC富士は年々来場者数が増え、それに伴いファンゾーンもより豪華になったことを感じていただいただろう。トヨタ一強時代の閑散期を知る私としては、この盛り上がりが嬉しくてならない。
次回はグランドスタンドに行き、緊張のスタート前の様子を観ていただこうと思うので、興味のある方はどうぞお付き合いください。


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