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カルソニックチームインパル スーパーGTマシン一覧【2005-2022】

2018年のチームインパル

2018年スーパーGT第2戦にて
2018年スーパーGT第5戦にて
マシンエンジンドライバーランキング
GT-R NISMO GT500NR20A
2.0L 直4 直噴ターボ
佐々木大樹
J.マーデンボロー
ドライバー12位
チーム10位

クラス1の2017年規定2年目の2018年シーズンは、2017年と同じシャシー(仕様ではなく個体)を使用している。

この年ボンネットには『CALSONIC Kansei 80th Since 1938』のロゴが大きくあしらわれている。

これは旧カルソニックが日本ラヂエター製造として創業した1938年から80周年を迎えたため、それを記念して描かれたもの。

ちなみに日本ラヂエター製造は1988年にカルソニックに社名変更し、2000年にカンセイと合併してカルソニックカンセイになった。

2017年にはCKホールディングが全株式を取得して同社の子会社となり、この2018年にマニエッティ・マレリを買収している。

2019年のチームインパル

2019年 SUGO公式テストにて
2019年スーパーGT第5戦にて
マシンエンジンドライバーランキング
GT-R NISMO GT500NR20A
2.0L 直4 直噴ターボ
佐々木大樹
J.ロシター
ドライバー13位
チーム14位

クラス1の2017年規定3年目となる2019年もマシンに大きな変更はないが、デザインライン下部のドア下側の処理が、かなり複雑化していることがわかる。

DTMとの交流を目的に2014年からマシンの共通化を推し進めてきたスーパーGTは、この2019年11月に富士スピードウェイで『スーパーGT×DTM特別交流戦』が実施された。

2020年のチームインパル

2020年スーパーGT最終戦にて
2020年スーパーGT最終戦にて
マシンエンジンドライバーランキング
GT-R NISMO GT500NR20B
2.0L 直4 直噴ターボ
佐々木大樹
平峰一貴
ドライバー15位
チーム12位

2019年9月、チームインパルのタイトルスポンサーであるカルソニックカンセイは、マレリへ社名変更し、それに伴い、チームインパルのマシン名もマレリへの変更が噂されていた。

しかしマレリは以下のとおり発表。

マレリは、前身であるカルソニックカンセイの時代より、モータースポーツ史上世界最長のタイトルスポンサーとして1982年より継続してTEAM IMPULを支援しています。「SUPER GT」カテゴリーでは 1994年の発足以来(1994~2004年は「全日本GT選手権」、2005年に現在の「SUPER GT」へ名称変更)途切れることなく参戦を続け、今年5月の富士戦で通算200戦目を迎えます。

– 中略 –

2020年シーズン、星野一義監督率いるTEAM IMPULはドライバーを変更し、3年目となる佐々木大樹選手と新たなパートナーに若手有望株の平峰一貴選手を迎え、新しい体制でシリーズチャンピオン奪還を目指します。二人が乗る「カルソニック IMPUL GT-R」のボディカラーはこれまでのカルソニックブルーを継承し、新たに「MARELLI」のロゴが追加されます。

出典:マレリホームページ

マレリは日本で長年愛されたカルソニックの名前を残すことを決断し、日本のモータースポーツファンの多くはその英断を支持し大いに歓喜した。

マシンはDTMとの共通レギュレーションであるクラス1規定が全面施行され、ECUやディスプレイ、スターターや各種センサーがボッシュ製に統一され、チームインパルのマシンのフロントウインドウにも大きく『BOSCH』のロゴが入った。

エンジンはNR20B2.0L 直列4気筒 直噴ターボに変更され、ドライバーには平峰一貴が加入している。

2021年のチームインパル

2021年スーパーGT最終戦にて
マシンエンジンドライバーランキング
GT-R NISMO GT500NR4S21
2.0L 直4 直噴ターボ
平峰一貴
松下信治
ドライバー8位
チーム6位

クラス1の2020年規定2年目となる2021年のチームインパルのマシンは、サイドの『MARELLI』のロゴがかなり大きくなっている。

またマシンサイド最下部には、赤いラインが入った。

ドライバーラインナップでは佐々木大樹がチームを去り、松下信治が加入。

松下信治は長きにわたりホンダのバックアップを受け、F1直下カテゴリーのFIA-F2(GP2)で6勝をあげた名ドライバーだが、2020年シーズン途中でFIA-F2を離脱して帰国。

そして2021年シーズンにホンダから日産へ移籍して、チームインパルで戦うこととなった。

冒頭で書いたとおり、チームインパルはこの年の第5戦スポーツランドSUGO戦で6年ぶりの勝利をあげた。

2022年のチームインパル

マシンエンジンドライバーランキング
Z GT500NR4S21
2.0L 直4 直噴ターボ
平峰一貴
B.バケット
ドライバー1位
チーム1位

2022年、日産勢は長年のGT-RからZ GT500にマシンをチェンジ。カルソニックカラーのインパルもベースマシンの変更で大きく印象が刷新された。

ドライバーは松下信治と入れ替わりホンダ勢からベルトラン・バケットが加入し平峰一貴とコンビを組む。

この年のインパルは好調で、第5戦の鈴鹿で昨年に続き優勝を果たすなど、8戦中5戦で表彰台を獲得し、スーパーGTでは初、全日本GT選手権時代を含めると1994年以来のチャンピオンを獲得した。

最後に

チームインパルのスーパーGTマシンを年代ごとに見ていただいたが、マシンのデザインはほぼほぼ変わり映えがしなく、企画としては面白みに欠けるものだったのかもしれないが、チームインパルとカルソニックの強固な関係については十分すぎるほど感じたと思う。

チームインパルとカルソニックとの関係は1982年からで、その長さは2021年現在モータースポーツ史上最長のタイトルスポンサーだと言われている。

そう、星野一義といえばカルソニック、カルソニックといえば星野一義なのだ。

前述のとおりカルソニックはマレリへ社名変更したが、マレリは日本のモータースポーツの歴史に深く刻まれた名前であるカルソニックの名を残した。

元来スポンサー活動とは、大きな資金と引き換えにその名前やブランドの知名度やイメージを上げるためのもので、当然慈善事業ではない。

にも関わらず、もう売り出す必要のないカルソニックの名を残してくれたことに、一モータースポーツファン、そしてインパルファンの私はこのマレリに感謝の念を抱いて止まない。

当然今後は少しずつマレリが前面に出ると思うが、スポンサー活動としては当然のこと。今回の心意気を嬉しく思い、日本のファンも喜んで受け入れるだろう。

ということで、今回はチームインパルのスーパーGTマシンを年代ごとに紹介してみたが、最後までご覧いただきありがとうございました。

追記

2023年2月17日、驚きのニュースが飛び込んできた。

この日、日産は2023年のモータースポーツ参戦体制についてプレスリリースを発行したのだが、チームインパルのスーパーGTの車名がマレリインパルZになっていたのだ。

全日本GT選手権初年度から現在のスーパーGTまで、ずっとカルソニックの名を車名に冠し(2009年を除く)カルソニックブルーのマシンで参戦してきたチームインパルだったが、2022年を最後にピリオドを打たれた。

日本モータースポーツの歴史とともにあったカルソニック・・・残念でならない。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。