F1ドライバーの最大のライバルは、同じマシンに乗るチームメイトです。
そこで今回も、現役F1ドライバーの歴代チームメイト対決を見ていきたいと思います。
最終回は、マックス・フェルスタッペン選手、ルイス・ハミルトン選手、カルロス・サインツ選手、ジョージ・ラッセル選手、バルテリ・ボッタス選手、アントニオ・ジョビナッツィ選手の6名です。
豪華な顔ぶれですねぇ!
ダニエル・リカルド選手、ランド・ノリス選手、セバスチャン・ベッテル選手、ニコラス・ラティフィ選手、キミ・ライコネン選手、ロマン・グロージャン選手、ピエール・ガスリー選手を特集した歴代チームメイト対決vol.1は下記のバナーからどうぞ。
セルジオ・ペレス選手、シャルル・ルクレール選手、ランス・ストロール選手、ケビン・マグヌッセン選手、アレクサンダー・アルボン選手、ダニール・クビアト選手、エステバン・オコン選手を特集した歴代チームメイト対決vol.2は下記のバナーからどうぞ。
それでは、フェルスタッペン選手からいってみましょう!
ザックリ見出し
【33】マックス・フェルスタッペン歴代チームメイト対決
年度 チーム | ポイント | 勝敗 | チームメイト |
---|---|---|---|
2015 トロロッソ | 49P | ◯ | サインツ 18P |
2016 トロロッソ ↓ レッドブル | 204P | × | サインツ 4P + リカルド 220P |
2017 レッドブル | 168P | × | リカルド 200P |
2018 レッドブル | 249P | ◯ | リカルド 170P |
2019 レッドブル | 278P | ◯ | ガスリー 63P + アルボン 76P |
2015年に17歳という若さでトロロッソからF1にデビューしたマックス・フェルスタッペン選手。
チームメイトは同じく二世ドライバーのカルロス・サインツ選手でした。
ハンガリーグランプリとアメリカグランプリで4位を獲得し、トロロッソ史上最高の49ポイントを獲得し、サインツ選手の18ポイントを大きく上回りました。
2016年もトロロッソから開幕を迎えましたが、クビアト選手の不調から第5戦以降レッドブルに昇格すると、その初戦スペイングランプリでF1初優勝を達成しました。
結局2016年はレッドブルのチームメイト、リカルド選手には及びませんでしたが、204ポイントを獲得しました。
2017年はマシントラブルや接触により7度もリタイヤをしたため、選手権ポイントは168ポイントとまたもリカルド選手に負けてしまいましたが、予選でのパフォーマンスはリカルド選手を上回りました。
2018年は3年連続でリカルド選手がチームメイトでした。
前年同様2勝をあげ、リタイヤも前年の7回から3回(チェッカーを受けていないレースは4回)に減り、7回のリタイヤをしたリカルド選手を大きく上回る249ポイントを獲得しました。
2019年はリカルド選手がチームを去り、トロロッソから昇格したガスリー選手がチームメイトとなり開幕を迎えました。
特殊なレッドブルのマシンに慣れずガスリー選手はマシンのパフォーマンスを発揮できないレースが続いたため、フェルスタッペン選手は常にチームメイトを上回る成績でした。
第13戦以降はアルボン選手にチームメイトが変更されると、フェルスタッペン選手はミスもあり97ポイントにとどまり、対するアルボン選手は76ポイントと善戦しましたが、予選決勝のパフォーマンスを見るとフェルスタッペン選手の速さがチームメイトを凌駕していました。
【44】ルイス・ハミルトン歴代チームメイト対決
年度 チーム | ポイント | 勝敗 | チームメイト |
---|---|---|---|
2007 マクラーレン | 109P | ◯ | アロンソ 109P |
2008 マクラーレン | 98P | ◯ | コバライネン 53P |
2009 マクラーレン | 49P | ◯ | コバライネン 22P |
2010 マクラーレン | 240P | ◯ | バトン 214P |
2011 マクラーレン | 227P | × | バトン 270P |
2012 マクラーレン | 190P | ◯ | バトン 188P |
2013 メルセデス | 189P | ◯ | ロズベルグ 171P |
2014 メルセデス | 384P | ◯ | ロズベルグ 317P |
2015 メルセデス | 381P | ◯ | ロズベルグ 322P |
2016 メルセデス | 380P | × | ロズベルグ 385P |
2017 メルセデス | 363P | ◯ | ボッタス 305P |
2018 メルセデス | 408P | ◯ | ボッタス 247P |
2019 メルセデス | 413P | ◯ | ボッタス 326P |
マクラーレンの秘蔵っ子と呼ばれ、2007年にそのマクラーレンからデビューしたルイス・ハミルトン選手は、デビューイヤーから同ポイントながら優勝回数の差で2度のチャンピオンを獲得したフェルナンド・アロンソ選手を相手に、チームメイト対決を制しました。
アロンソ選手は、新人のハミルトン選手との待遇の差がないマクラーレンの対応が気に入らず、1年でチームを後にします。
2008年・2009年のチームメイトは、現在日本のスーパーFTで活躍するコバライネン選手でしたが実力の差は歴然で約2倍のポイント差で、2008年には当時の最年少ワールドチャンピオンに輝きました。
2010年から前年ブラウンGPでドライバーズチャンピオンを獲得したバトン選手でした。
2010年はバトン選手を上回りましたが、2011年は安定感に欠けてF1キャリアで初めてチームメイトに負けてしまいました。
2012年は2ポイント差で辛くもチームメイトのバトン選手を上回ると、2013年からはメルセデスに移籍して、カート時代からのライバルであるロズベルグ選手がチームメイトになります。
2013年から2015年までの3年間はニコ・ロズベルグ選手に僅差で勝ち、2014年と2015年はワールドチャンピオンを獲得します。
そして記憶に新しい2016年、ロズベルグ選手と激闘と末に僅かに負けてしまい、F1キャリア2度目のチームメイト対決敗北を喫します。
ロズベルグ選手は、その厳しいチームメイトバトルに疲れ果てた末にその年を最後にF1ドライバーを引退します。
2017年からはボッタス選手がチームメイトになりますが、ロズベルグ選手ほどのチームメイトバトルにはならず、ハミルトン選手が圧倒しています。
F1ドライバー生活13年で、マクラーレンとメルセデスというトップチームに所属し、強力なチームメイトを相手にして2度しか負けていないハミルトン選手の強さはあらためてすごいと感じさせてくれます。
【55】カルロス・サインツ歴代チームメイト対決
年度 チーム | ポイント | 勝敗 | チームメイト |
---|---|---|---|
2015 トロロッソ | 18P | × | フェルスタッペン 49P |
2016 トロロッソ | 46P | ◯ | フェルスタッペン 13P + クビアト 4P |
2017 トロロッソ 1-16 ↓ ルノー 17-20 | 54P | ◯ | クビアト 4P + ガスリー 0P + ヒュルケンベルグ 9P |
2018 ルノー | 53P | × | ヒュルケンベルグ 69P |
2019 マクラーレン | 96P | ◯ | ノリス 49P |
WRCチャンピオンを父に持つカルロス・サインツ選手は、同じ二世ドライバーのマックス・フェルスタッペン選手をチームメイトに、2015年にF1デビューをしますが、その年はマシントラブルが相次ぎフェルスタッペン選手にポイントで大きく差をつけられますが、予選では10勝9敗とフェルスタッペン選手を上回りました。
2016年は、開幕は前年同様フェルスタッペン選手がチームメイトでしたが、第5戦からクビアト選手に代わりました。
不調からトロロッソに降格になったクビアト選手は精彩を欠いたため、サインツ選手は大きく差をつけてチームメイト対決に勝利します。
2017年もトロロッソに残留すると、クビアト選手に大きく差をつけるポイントを獲得し、アメリカグランプリでルノーにレンタル移籍をし、残り4戦のチームメイトであるヒュルケンベルグ選手には6ポイント対9ポイントで負けてしまいますが、シリーズポイントでは上回りました。
2018年もルノーに所属しヒュルケンベルグ選手がチームメイトでしたが、予選決勝ともに僅かにパフォーマンスで負けてしまいます。
2019年はマクラーレンに移籍し、好調なマシンとともに新人のチームメイトのノリス選手の決勝での不運なマシントラブルもあり、2倍近いポイント差でノリス選手に勝ちました。
【77】バルテリ・ボッタス歴代チームメイト対決
年度 チーム | ポイント | 勝敗 | チームメイト |
---|---|---|---|
2013 ウィリアムズ | 4P | ◯ | マルドナード 1P |
2014 ウィリアムズ | 186P | ◯ | マッサ 134P |
2015 ウィリアムズ | 136P | ◯ | マッサ 121P |
2016 ウィリアムズ | 85P | ◯ | マッサ 53P |
2017 メルセデス | 305P | × | ハミルトン 363P |
2018 メルセデス | 247P | × | ハミルトン 408P |
2019 メルセデス | 326P | × | ハミルトン 413P |
2013年にウィリアムズからF1デビューをしたバルテリ・ボッタス選手は、初めてのチームメイトであるマルドナード選手を相手に、ほとんどの場面で上回りました。
2014年から3年間は、チャンピオン争いをしたフェリペ・マッサ選手がチームメイトでしたが、3シーズン連続して勝ち越したます。
2017年からは電撃引退したロズベルグ選手の後釜として、急遽メルセデスに移籍します。
しかし、マッサ選手を相手に完全勝利したボッタス選手でしたが、ハミルトン選手を相手にするとシーズンを通しての安定感で差をつけられ、ロズベルグ選手ほどのライバルにはなり得ずに3年連続で負け越してしまいました。
【63】ジョージ・ラッセル歴代チームメイト対決
年度 チーム | ポイント | 勝敗 | チームメイト |
---|---|---|---|
2019 | 0P | × | クビサ 1P |
2019年にウィリアムズからデビューしたジョージ・ラッセル選手のチームメイトは、9年ぶりにF1に復帰したロバート・クビサ選手でした。
近年稀にみる失敗作のウィリアムズFW42で、他のマシンとはバトルすらできない状況でしたが、ピークを過ぎたチームメイトのクビサ選手には予選決勝ともに上回る走りを見せていましたが、混乱のドイツグランプリでクビサ選手が10位入賞をしたため、結果だけをみるとチームメイトに負けてしまいました。
【99】アントニオ・ジョヴィナッツィ歴代チームメイト対決
年度 チーム | ポイント | 勝敗 | チームメイト |
---|---|---|---|
2019 | 14P | × | ライコネン 43P |
2017年にザウバーからF1デビューをしたアントニオ・ジョヴィナッツィ選手は、2019年に同じくザウバーからレギュラードライバーになりフル参戦デビューしました。
チームメイトはワールドチャンピオンのライコネン選手で、特に前半は厳しいチームメイト対決でしたが、後半戦の予選ではライコネン選手に近いポジションを獲得しましたが、決勝でのパフォーマンスはうまさが随所に光るベテランのチームメイトに遠く及ばない結果でした。
まとめ
3回にわたり現役F1ドライバーの歴代チームメイト対決について書いてみた結果、チームメイトとの勝敗は以下のとおりでした。
No. | ドライバー | チームメイト 勝敗 |
---|---|---|
3 | ダニエル・リカルド | 5勝3敗 |
4 | ランド・ノリス | 0勝1敗 |
5 | セバスチャン・ベッテル | 10勝2敗 |
6 | ニコラス・ラティフィ | 0勝0敗 |
7 | キミ・ライコネン | 9勝8敗 |
8 | ロマン・グロージャン | 4勝4敗 |
10 | ピエール・ガスリー | 1勝1敗 |
11 | セルジオ・ペレス | 6勝3敗 |
16 | シャルル・ルクレール | 2勝0敗 |
18 | ランス・ストロール | 1勝2敗 |
20 | ケビン・マグヌッセン | 3勝2敗 |
23 | アレクサンダー・アルボン | 0勝1敗 |
26 | ダニール・クビアト | 1勝4敗 |
31 | エステバン・オコン | 0勝2敗 |
33 | マックス・フェルスタッペン | 3勝2敗 |
44 | ルイス・ハミルトン | 11勝2敗 |
55 | カルロス・サインツ | 3勝2敗 |
77 | バルテリ・ボッタス | 4勝3敗 |
63 | ジョージ・ラッセル | 0勝1敗 |
99 | アントニオ・ジョヴィナッツィ | 0勝1敗 |
リカルド選手の対ベルニュ選手やライコネン選手の対ハイドフェルド選手など、現在トップドライバーとして活躍するスター選手も、F1フル参戦初年度は意外なチームメイトに負けていることもありました。
しかし2年目以降下位チームで実績を残し、次第に上位チームに所属すると、チームメイトはより強力になりますが、そのチームメイトバトルで勝利することにより長くF1を戦うことが許されます。
そんな中、ハミルトン選手やベッテル選手など、何度もワールドチャンピオンに輝いたこのふたりのドライバーは、長いF1シーズンの中でチームメイトに2度しか破れていないのは凄いことです。
逆に言うと、ハミルトン選手に勝利したバトン選手とロズベルグ選手、ベッテル選手に勝利したリカルド選手とルクレール選手は、あらためて評価すべきなのかもしれません。
意外なところとしては、クビアト選手はシーズンで1度しかチームメイトに勝ったことはありませんが、そのひとりがリカルド選手なんですよね。
と言うことで、あだ名は大物食いのクビアト!?
以上、最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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