【第3位】スポーツランドSUGO
第3位はスポーツランドSUGOで、平均速度はオートポリスとほぼ同じでした。
開業当時のスポーツランドSUGOは2,660mのオーバル形状に近いかなりのハイスピードコースでした。
しかし1987年に全面改修してコースの前半部分に低速のコーナーを多く配置し(右の図参照)、コースの平均速度は大幅に落とされ現在に至ります。
ちなみにスポーツランドSUGOの名物はホームストレート前半部分にある10%の上り勾配ですが、小パワーのマシンではほとんど加速せずストレートでスピードが乗らないため、平均速度は一気に落ちてしまいます。
【第2位】富士スピードウェイ
平均速度:205.41km/h
- ラップタイム:1’19.972
- ドライバー:野尻智紀
- マシン:ダラーラSF19
- エンジン:ホンダM-TEC HR-417E
- 樹立日:2020年12月20日(2020年スーパーフォーミュラ第7戦)
日本の主要サーキットで2番目に平均速度が高いのは富士スピードウェイでした。
意外でしょ??
全長1,475mにも及ぶ、グレード1サーキットの中では世界でもっとも長いストレートを持つ富士スピードウェイは絶対に1位だと思い何度も計算しましたが、順位は変わらず・・・。
やはり2005年のヘルマン・ティルケによるコース改修が、平均速度の大幅低下の要因でしょう。
富士スピードウェイは元々トライアングル型のオーバルトラックとして企画された経緯もあり、開業当初は30度バンクも有する超高速レイアウトでした。一般的にはオーバルトラックによく使われる『スピードウェイ』という名称もその名残です。
その後安全性の面から速度低下のためにシケインなどを追加し、極め付けは2005年のヘルマン・ティルケによる全面改修で、特にサーキット後半区間を低速コーナーが連続する形状に完全レイアウト変更され、ラップあたりの平均速度が大幅に遅くなりました。
【第1位】鈴鹿サーキット
平均速度:221.35km/h
- ラップタイム:1’34.442
- ドライバー:ニック・キャシディ
- マシン:ダラーラSF19
- エンジン:トヨタTRD 01F
- 樹立日:2020年12月6日(2020年スーパーフォーミュラ第6戦)
日本の主要サーキットでもっとも平均速度が高いのは鈴鹿サーキットでした。
しかも2位の富士スピードウェイ15km/h以上もぶっちぎる、ダントツの速さでした。
いやー、個人的には超意外です。
実は鈴鹿サーキット、1987年のF1開催当初はグランプリサーキットの中でも遅い部類に入るサーキットでした。
その後時代が進むにつれてマシンの性能が向上。
サーキットは安全のために速度域低下を狙い、ヘルマン・ティルケ設計に代表されるストップアンドゴー(ストレートを低速コーナーで繋ぐ形状)サーキットに移行しました。
ただ鈴鹿サーキットやスパフランコルシャンなど、ドライバーやファンに愛されるクラシックレイアウトのサーキットだけはFIAの意向もあり大幅なデザイン変更はされませんでした。
その結果、鈴鹿サーキットはラップタイムが年々向上し、富士スピードウェイを大幅に凌ぐほどの高速サーキットに移行しました。
まとめ
今回は日本を代表する6つの主要サーキットの平均速度を、スーパーフォーミュラのレコードラップを元に算出してみましたが、まとめると以下の通りになります。
順位 | サーキット | 平均速度 | 日付 ドライバー |
---|---|---|---|
第1位 | 鈴鹿サーキット | 221.35km/h | 20.12.6 N.キャシディ |
第2位 | 富士スピードウェイ | 205.41km/h | 20.12.20 野尻智紀 |
第3位 | スポーツランドSUGO | 201.86km/h | 19.6.23 山本尚貴 |
第4位 | オートポリス | 199.98km.h | 20.11.15 野尻智紀 |
第5位 | モビリティリゾートもてぎ | 192.56km/h | 21.10.16 野尻智紀 |
第6位 | 岡山国際サーキット | 184.10km/h | 15.5.23 石浦宏明 |
あらためて見てみると、鈴鹿サーキットの平均速度はダントツで速く、逆に岡山国際サーキットはかなりの低速サーキットであることがわかります。
日本は高速から低速まで様々なレイアウトのサーキットがあるから、戦略そしてレース結果がコース毎に違ってきます。
おそらく世界を探してもこれだけの特徴あるコースが点在するのは限られた国のみなので、日本のモータースポーツは独自に発展したのかも。
いやー、モータースポーツファンとしては良い国に生まれました!
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。
平均速度:201.86km/h