柳田真孝
Z使いとして有名だった柳田春人の息子である柳田真孝もスーパーGTを2度制している。
今まで紹介してきた他のドライバーとは違い、柳田真孝はGT300クラスからGTに参戦を開始する。
2001年にGT300のハセミモータースポーツでデビューすると、2004年にチームダイシンで1年を過ごした後、2005年にニスモからGT500クラスにステップアップを果たす。
その後KONDOレーシング、ハセミモータースポーツ、ニスモと1年ごとに日産系チームを渡り歩き、2009年からはふたたびGT300クラスに戦いの場を移す。
2010年にそのGT300クラスでチャンピオンになると、2011年に同じくGT300からステップアップしたモーラにてGT500に返り咲く。
そして迎えた2011年シーズン、自身初のGT500優勝を含む年間5回の表彰台を記録して、見事GT500初のチャンピオンに輝いた。
2012年もモーラでGT500を制し、2連覇を達成する。
その後はニスモ、モーラ、KONDOレーシングと日産系チームを渡り歩き、2016年を最後にまたGT300クラスに戻った。
平手晃平
チャンピオン獲得回数 2回
- 2013年(セルモ)
- 2016年(サード)
GTで複数回チャンピオンを獲得したドライバーの11人目は、現在もGT500クラスで活躍する平手晃平。
平手晃平は2008年にトヨタ系のGT300クラスであるaprでスーパーGTデビューすると、2009年に同じくトヨタ系のサードでGT500クラスに昇格する。
その後2011年からセルモに移籍し、所属3年目の2013年にスーパーGT初のチャンピオンに輝いた。
そして2015年からはふたたびサードに復帰すると、チームメイトであるヘイキ・コバライネンとともに、自身としては2度目となる年間王者になった。
しかし2018年にGT300に移籍する。
そこで平手はGT500復帰のために日産に移籍し、2019年に日産系のNDDPレーシングへ移籍をし、2022年からはKONDOレーシングで3度目のチャンピオンを目指す。
山本尚貴
チャンピオン獲得回数 2回
- 2018年(チームクニミツ)
- 2020年(チームクニミツ)
スーパーGTで複数回チャンピオンを獲得したドライバーの12人目は山本尚貴。
山本尚貴は2010年にチームクニミツからスーパーGTにデビューする。
そのチームクニミツに3年間所属した後、2013年から童夢に移籍。
しかしその童夢が2014年を最後に活動を休止したため、古巣のチームクニミツに3年ぶりに復帰する。
そして転機は2018年。
この年は元F1チャンピオンのジェンソン・バトンと組み、自身、そしてチームにとっても初となるスーパーGTチャンピオンに輝いた。
2020年からはバトンがチームを去り、代わりに新進気鋭の若手である牧野任祐とチームメイトになる。
そしてその年の最終戦では選手権争いでトップのトムス37号車が最終コーナーでガス欠を喫し、山本尚貴のNSX-GTが逆転して、劇的な幕切れで2度目の王者になった。
まとめ
今回はスーパーGTや前身の全日本選手権で複数回チャンピオンを獲得した12人のドライバーを紹介したが、獲得回数をまとめると以下になる。
- ロニー・クインタレッリ 4回(2011 2012 2014 2015)
- 立川祐路 3回(2001 2005 2013)
- 脇阪寿一 3回(2002 2006 2009)
- 本山哲 3回(2003 2004 2008)
- 影山正彦 2回(1994 1995)
- ミハエル・クルム 2回(1997 2003)
- エリック・コマス 2回(1998 1999)
- アンドレ・ロッテラー 2回(2006 2009)
- 柳田真孝 2回(2011 2012)
- 平手晃平 2回(2013 2016)
- 松田次生 2回(2014 2015)
- 山本尚貴 2回(2018 2020)
ロニー・クインタレッリの4回がもっとも多く、それに立川祐路と脇阪寿一、本山哲の3回が続き、残りの8人が2回となっている。
30年近い歴史があるスーパーGT(全日本GT選手権含む)で、年間で通常2人のドライバーがチャンピオンになれるにもかかわらず、3回以上の王者が4人のみということで、スーパーGTの混戦具合がこの数字からも伺えるのではなかろうか。
この中で現役のGT500ドライバーは太字で挙げた5人。
彼らの中でさらにチャンピオン獲得回数を伸ばすドライバーが出てくるのか?それとも新たな複数回チャンピオンが現れるのか?
今後のスーパーGTチャンピオンシップ争いに注目したい。
最後に全日本GT選手権とスーパーGTの年度別チャンピオンドライバーを紹介しよう。
年 | ドライバー | 所属チーム |
---|---|---|
1994 | 影山正彦 | ホシノレーシング |
1995 | 影山正彦 | ホシノレーシング |
1996 | J.ニールセン D.ブラバム | チーム郷 |
1997 | P.デ・ラ・ロサ M.クルム | トムス |
1998 | E.コマス 影山正美 | ニスモ |
1999 | E.コマス | ニスモ |
2000 | 道上龍 | チーム無限 |
2001 | 竹内浩典 立川祐路 | セルモ |
2002 | 脇阪寿一 飯田章 | チームルマン |
2003 | 本山哲 M.クルム | ニスモ |
2004 | 本山哲 R.ライアン | ニスモ |
2005 | 立川祐路 高木虎之介 | セルモ |
2006 | 脇阪寿一 A.ロッテラー | トムス |
2007 | 伊藤大輔 R.ファーマン | ARTA |
2008 | 本山哲 B.トレルイエ | ニスモ |
2009 | 脇阪寿一 A.ロッテラー | トムス |
2010 | 小暮卓史 L.デュバル | 童夢 |
2011 | 柳田真孝 R.クインタレッリ | モーラ |
2012 | 柳田真孝 R.クインタレッリ | モーラ |
2013 | 立川祐路 平手晃平 | セルモ |
2014 | 松田次生 R.クインタレッリ | ニスモ |
2015 | 松田次生 R.クインタレッリ | ニスモ |
2016 | H.コバライネン 平手晃平 | サード |
2017 | 平川亮 N.キャシディ | トムス |
2018 | 山本尚貴 J.バトン | チームクニミツ |
2019 | 大嶋和也 山下健太 | チームルマン |
2020 | 山本尚貴 牧野任祐 | チームクニミツ |
2021 | 関口雄飛 坪井翔 | トムス |
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。
チャンピオン獲得回数 2回